【カスタマーエクスペリエンス(CX)コラム 第6回】
ロイヤリティの高い「太客」を育てるために
――テクノロジー×人の力でカスタマー・エクスペリエンス(CX)を向上させる

カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)は、デジタルマーケティングの世界で最重要視されていることの1つです。
なぜそのように重要視されるのでしょうか。また良質なカスタマー・エクスペリエンスを提供するために必要なことは何でしょうか。そして、これからのカスタマー・エクスペリエンスについて考えるためのポイントは何でしょうか。

製品・サービスと異なり、すぐに真似できない
カスタマー・エクスペリエンス(CX)

デジタルマーケティングの世界で、いま最も重要視されていることの1つは、顧客に対してどうやって良質なカスタマー・エクスペリエンスを提供するかということです。
なぜ、カスタマー・エクスペリエンスがそれほど重要なのでしょうか。


「製品・サービスの質で差別化するのが難しい時代になった」と言われて久しい感があります。世の中にはモノがあふれ、画期的な製品・サービスを生み出すことが難しくなりました。苦労して生み出したとしても、すぐに真似されてコモディティー化(陳腐化)してしまいます。
一方、カスタマー・エクスペリエンスは、提供する企業側の理念や歴史、組織風土、組織文化などがベースになりますから、他社が真似するのは極めて難しいものだと言えます。
例えば老舗旅館のおもてなしを、できたばかりのホテルが真似するのが困難なことは簡単に想像できます。
この「真似できない」という点が、カスタマー・エクスペリエンスが重要とされる最大の理由です。

デジタルもアナログも結びつけ、1人の顧客を「おもてなし」する

良質なカスタマー・エクスペリエンスとはどのようなものでしょうか。
「感動・感激を与えられること」、「思わず人に話したくなるようなこと」、「期待を上回ること」など様々な意見があるでしょう。しかし、一番うれしいのは「常連扱いされ、きめ細かい対応をされること」ではないでしょうか。
例えば製品の不具合があってコールセンターに電話したときに、いきなり「このたびはどうされましたか?」と聞かれるよりも、「○○様、いつも弊社の製品をご愛用いただきましてありがとうございます。もう10年も使っていただいているんですね。感謝の気持ちを込めて、本日は精一杯ご対応させていただきますね」と言われるほうが、カスタマー・エクスペリエンスとしてはずっと良質です。


このような挨拶自体は簡単に見えますが、企業全体で実現するためにはいくつかのポイントがあります。
まず、あらゆるタッチポイントで良質なカスタマー・エクスペリエンスを提供しようという意思が経営者にあることが必要です。
次にそのための教育を派遣社員やアルバイトを含めた全従業員に徹底しなければなりません。どこかで顧客を残念がらせるタッチポイントがあれば、それだけで顧客は離れていってしまいます。
組織間の壁も取り払う必要があります。営業部門が把握している顧客は、コールセンターはもちろん、他の部門もすぐにデータを参照できるような情報共有の仕組みが必要です。
また仕組みの面では、アナログ・デジタルにかかわらずどのタッチポイントでも顧客データにアクセスできるようなシステムを構築しなければなりません。
その顧客データも、あらゆるタッチポイントから集めたものを特定の顧客に結びつけるように一元化しておかなければなりません。

デジタルのウエイトは年々高くなっている

デジタルとアナログを比較すると、年々デジタルのウエイトが高くなっています。これはスマホの普及はもちろん、スマートスピーカーなどのスマートデバイスが次々に登場していることや、IoT(Internet of Things)により販売後のタッチポイントが増えたことなどによるものです。
もちろんアナログのタッチポイントも店舗やコールセンター、営業パーソンなど、当面なくなる気配はありません。
コールセンターの音声、店舗での行動のビデオ録画、Webでの問い合わせ履歴、スマホの操作履歴など、アナログ・デジタルにかかわらず、あらゆるタッチポイントから収集できるデータを組み合わせて分析することで、顧客をより深く知ることが可能になりました。
「より深く知る」というのが、競争優位に立つための唯一の道になったということでもあり、このことを肌で感じている企業がいま飛躍的に増えています。その証拠に、カスタマー・エクスペリエンス関連ソリューションがERPを抜いてIT投資の2位になりました。ちなみに1位は、ビッグデータ関連製品であり、これもカスタマー・エクスペリエンスと深く関わっています。

AIでは提供できないカスタマー・エクスペリエンス(CX)を

さらなる良質なカスタマー・エクスペリエンスをあらゆるタッチポイントで提供するために、AI(人工知能)がこれまで以上に活用されるようになることは間違いありません。
既にチャットボットなどの会話による顧客サポートや、商品レコメンド、製品故障の事前検知などでAIが活用されています。
しかし今のところAIは教えられたことしかできません。人間にしかできないことを考えて「おもてなし」のステップを上げることは、AIにはできないのです。
カスタマー・ジャーニー全体を見通して、カスタマー・エクスペリエンスを高度化していくことができる人材とツールが求められています。


そのためのツールとして、NTTテクノクロスが開発・販売しているMarketingAuthorityを紹介します。
MarketingAuthorityは、顧客とのコミュニケーション機能(顧客管理、コンテンツ管理、メール配信、アンケート)とポイント管理機能を1つのパッケージで提供する、デジタルマーケティングソリューションです。

MarketingAuthorityを活用することで、顧客情報の一元化が可能になり、リアルとデジタルのあらゆるタッチポイントを徹底活用できるようになります。
デジタルマーケティングの目的をひと言でまとめれば、行動履歴などの根拠(Why)に基づいて、ターゲット(Who)が、ほしいコンテンツ(What)を、ほしいタイミング(When)と場所(Where)と適切な方法(How)で提供することです。MarketingAuthorityは、この5W1Hを強く意識して設計したツールです。

ポイントサービスと連携した魅力的なサービス構築

また、豊富なポイント管理機能を活用することで、さらなる顧客ロイヤリティ向上が可能となります。
さらに、多次元複合データ分析技術による最適なセグメンテーションと、ターゲットとするセグメントへのAIによるレコメンドを組み込むことができ、顧客に対して極めて効果の高い提案をすることが可能になります。


良質なカスタマーエクスペリンスによる顧客ロイヤリティ向上を目的としてデジタルマーケティングツールの導入を検討するのであれば、MarketingAuthorityをその選択肢の1つに加えることを強くお勧めします。


※「多次元複合データ分析技術」はNTTアドバンステクノロジが提供する、NTTグループのAI「corevo」を構成する技術です。

PDCAサイクルを意識したMarketingAuthorityの機能

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