【カスタマーエクスペリエンス(CX)コラム 第2回】
マーケティングの成否は「顧客情報の一元化」が握る!
「リアル(物理)」+「デジタル」のあらゆるタッチポイントを徹底活用
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デジタル技術の発達やネットワークの高速化に伴い、より効果的な「ユーザー視点のマーケティング」ができるようになりました。
ユーザー視点のマーケティングとは、「カスタマー・ジャーニーのタッチポイントごとに良質なカスタマー・エクスペリエンス(CX)を提供すること」ですが、具体的にはどういうことを示すのか、どうすれば実現できるのか、重要なポイントを解説しましょう。

「広告代理店視点」から「ユーザー視点」のマーケティングへ

従来の効果的なマーケティング手法は、例えば「関東地区・20代~30代・女性」というようにセグメントを明確にしたうえで、そのクラスタに向けてキャンペーンを仕掛けるというものでした。
このようなキャンペーンは、基本的には広告代理店が企画する「広告代理店視点のマーケティング」と言っていいでしょう。効果や必要性は現在もありますが、多くの予算とリソースが必要だというデメリットがあります。

一方、デジタル技術の発達やネットワークの高速化を背景に、より費用対効果の高いマーケティングとして主流になりつつあるのが、「ユーザー視点のマーケティング」です。ユーザーの行動情報を収集して、タイムリーな提案を行うところに特徴があります。

位置情報と行動履歴からサプライズな顧客体験を

例えば、過去の行動履歴を基に最適なタイミングで商品とサービスを提案する方法があります。
Aさんという人が、毎年奥さんの誕生日に毎年、自身が経営するレストランに訪れることが分かったとしましょう。また必ずデザートを注文することも分かっています。この場合であれば、奥さんの誕生日の1ヵ月前ぐらいに、リマインドメールを送り、予約を促します。さらに「誕生日おめでとうございます!」というメッセージが伝わるデザートを用意しておきます。――こういった「おもてなし」があれば、Aさんは高い確率でこの店のファンになり、来店回数が増え、最終的にはLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)が大きくなります。

それだけではありません。AさんがSNSでこの体験を多くの人に伝えたらどうなるでしょうか。このレストランに新規顧客が訪れることになり、そのなかから新たなファンが生まれ、さらに新たなファンを呼ぶという好循環が生まれることでしょう。

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タッチポイントごとにカスタマー・エクスペリエンス(CX)を提供する

ユーザー視点のマーケティングにおいて大切なのは、「カスタマー・ジャーニーを把握して、タッチポイントごとに良質なカスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)を提供すること」です。
カスタマー・ジャーニーとは、顧客の購買前から購買後までの一連の行動を指します。またタッチポイントとは、顧客とブランドの接点のことです(下図)。

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前述のAさん(正確には個人ではなく、Aさんのような人、すなわち「ペルソナ」)の例では、極めて単純ですが(実際は図のようにもっと複雑です)以下のようなカスタマー・ジャーニーが考えられます。

 ① 奥さんの誕生日が近づいてきたので、レストランのことを思い出す
 ② レストランを予約する
 ③ 奥さんと一緒にレストランを訪れる
 ④ レストランで食事をする
 ⑤ 最後にデザートを食べる
 ⑥ レストランの接客や料理の感想をSNSに投稿する

このそれぞれがタッチポイントとなり得ます。では、どういうカスタマー・エクスペリエンスを提供し得るでしょうか。
①では、「奥様の誕生日が近づいてまいりました。今年も当店で最高のディナーを用意してお待ち申し上げております」というメールを送ります。
②では、極めて少ない入力量で予約できるような予約画面を用意します。
③では、丁寧な受付はもちろん、手書きのウェルカムメッセージや夜景のきれいな窓際の席を用意して花を飾っておくなど、歓迎ともてなしの気持ちを最大限に伝えます。
④では、料理の丁寧な説明、最適なドリンクの提案など口コミしたくなる接客を心がけます。
⑤では、デザートに誕生日おめでとうメッセージを添えます。
⑥では、SNSに写真を投稿したくなるような盛り付けや内装を実施します。

ここで重要なことは、デジタルとリアル(物理)の両方のタッチポイントを用意しておくことです。デジタルだけで感動を呼ぶのは難しいですし、リアル(物理)だけではタイムリーな提供ができません。

カギを握るのは「顧客情報の一元化」

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以上は店舗での例でしたが、大きな企業で実現するためには、部門の壁を越えて、顧客情報を一元管理することが必要になります。
 CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)を導入していても、営業とコールセンターでは別々のデータベースで管理しているという企業も多いのではないでしょうか。また、通販サイトと実店舗の両方を持っている企業では、顧客データを別々に管理していないでしょうか。
カスタマー・ジャーニーは、「マーケティング→営業→店舗→コールセンター」と時系列的に流れていきますし、リアル(物理)とデジタルを行ったり来たりします。
何度も通販サイトで買い物をしている「お得意様」なのに、実店舗やコールセンターで「特別扱い」されなかったとしたら、あなたはこのブランドで買い物を続けようと思うでしょうか。ただ立ち去る顧客も多いでしょうし、最悪の場合はSNSに悪口を書き込むかもしれません。
顧客情報の一元管理ができるかどうかは、マーケティングの成否に関わるだけでなく、企業の存続自体にも大きく影響するようになったと言えます。

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