ポイントサービス導入あるある!~落とし穴とその対策【前編】

ポイントサービスの検討が開始される場合、主に2つのパターンがあります。ひとつはトップまたは上司から検討司令が下りてくるパターン。もう一つは業界他社が先んじて導入していることなどから、当社でも導入したいと考え、ボトムアップで部長や役員に提案していくパターンです。

社内で議論しても良い選択肢・解決策を見つけられない場合もあるでしょう。

検討の主担当者となった場合、情報収集から始めると思いますが、その際、どのような情報から集めますか?場合によっては、どのような情報を集めればよいかも分からないことがあると思います。

社内でポイントサービスの導入検討を始めると、案外、様々な疑問や課題にぶち当たるはずです。 今回は、ポイントサービスの導入検討にあたり主担当になってしまったWEBサービス会社X社の山下さんの相談を受けて、国内で唯一のポイントサービスに特化したコンサルティングを行っているエムズコミュニケイト社の岡田祐子社長が、導入プロセスにおいてぶち当たる壁をどのように解決していくか、ご紹介していきたいと思います。


エムズコミュニケイト代表 岡田 祐子氏

社内でポイントサービスの導入検討を始めると、案外、様々な疑問や課題にぶち当たるはずです。 今回は、ポイントサービスの導入検討にあたり主担当になってしまったWEBサービス会社X社の山下さんの相談を受けて、国内で唯一のポイントサービスに特化したコンサルティングを行っているエムズコミュニケイト社の岡田祐子社長が、導入プロセスにおいてぶち当たる壁をどのように解決していくか、ご紹介していきたいと思います。


エムズコミュニケイト代表 岡田 祐子氏

困った!ポイントサービス導入検討の主担当になってしまった

山下「初めまして。山下といいます。当社で行っているWEBサービス事業においてお客様の囲い込みとサービスの利用促進のためにポイントサービスを導入しようと話が社内で出まして、私はその主担当者となりました。しかし、WEBで情報収集すればするほど、どのように検討をまとめてよいか分からなくなり、相談に来ました」

相談者
WEBサービス会社X社 営業企画部 XX課 山下課長

X社は鍵のトラブルや水回り等、困った時の駆けつけサービスを全国展開する。社長が、一度WEBに申込のあったお客様の顧客リストを活用し、他のサービスも利用してもらうことを狙いたいと、ポイントサービスの導入を検討することになった。山下課長は営業企画部の課長で社長から、導入に関する検討取りまとめ役を任命された。

岡田「こんにちは。そうだったんですね。エムズコミュニケイトは国内唯一のポイントサービスの専門コンサルティング会社なので、日々、ポイントサービスに関する様々な相談を受けています。今日は是非なんでも聞いてくださいね。ちなみに、相談にいらっしゃるまでにどんな情報を収集されようとしていたのですか?」

山下「今回は当社のトップが他社との差別化のためにも導入したいと言い出し、営業企画部門の部長経由で私が主担当となり導入プランをまとめることになりました。まずは業界他社事例を調べました。そして、導入コストが大きいだろうと考え、ポイントシステムをいくつか探しました。そして複数のポイントシステム会社から資料を取り寄せ、話も聞きました」

岡田「なるほど、そこまで収集して現在どこで行き詰ってしまったのでしょう?」

山下「ポイントシステム会社の資料を見たり、話を聞いたりすると、なんでもできそうに思いました。ただ、実際、自分たちがどのようなポイントサービスをやりたいかまだ漠然としている中で、ポイントシステム会社のパッケージ費用もピンキリで、どこのポイントシステム会社を選べばよいか、決め方が分からず、結果、どのように検討プランをまとめるか、行き詰ってしまいました」

山下「また、社内では、いろいろ世の中で流通している共通ポイントを導入するのはどうか、という話も出ており、共通ポイントについても調べました。しかし、ポイントサービスの導入にあたり、共通ポイントを導入するのがよいのか、独自のポイントを導入するのがよいのか、その違いも分からず、この点も行き詰ってしまいました」

岡田「なるほど、そうだったんですね。山下さんが行き詰っている状況は、実は多くのポイント検討の初期段階であるあるなんですよ」

山下「そうなんですか!」

岡田「はい、導入コストが知りたいのでポイントシステムベンダーに打診するけどピンキリで決め手が分からない、また、共通ポイントか独自ポイント(以下、自社ポイントといいます)か社内で議論が分かれて検討が先に進めなくなるというのはあるあるです 」

山下「はぁー。ではどうすれば…」

岡田「はい、どのように検討を進めて行けばよいか、ステップを踏んで解説していきますね」

ポイントサービスの検討段階はどの段階にありますか?

ポイントサービスの検討開始にはいくつか段階があります。
貴社はどの段階に当てはまりますか?

  1. ポイントサービスを導入するかまだ決まっていない
  2. ポイントサービスの導入する方向で検討しているがまだ決定ではない
  3. ポイントサービスを導入することは決定している

検討用資料ダウンロード


以下は各検討段階でよく出るお悩みです。

1.ポイントサービスの導入を検討中の段階

  • 漠然とポイントをやりたい(やるかやらないかまだ分からないが、どうしていけばよいか)
  • 何から検討すればよいのやら
  • ポイントサービスは一度導入するとなかなかやめられない。失敗しない秘訣はあるのだろうか?
  • 自社ポイントを立ち上げるべきか、共通ポイントに乗るべきかどうか
  • 導入費用は一体いくらくらいかかるのだろうか

2.ポイントサービスを導入することは決まっている段階

  • 社内でやることは決まったが、どうすすめていけばよいか分からない
  • 導入する方向ではあるが、本当に導入して効果が出るものなのか?導入効果等のバックデータが求められている
  • お客様は年間どの程度ポイントを付与すれば満足してくれるのだろうか?
  • 導入することが決定し、稟議資料を作成しているが、確からしいコストシュミレーションが作れない
  • 自分たちで計画したプランでうまくいくかどうか不安がある
  • どのようなシステムベンダーを選べばよいか分からない
  • 運用時の人員体制はどのくらいで考えればよいのだろう?

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1. の導入するかまだ決まっておらず、漠然と検討を始める場合は、ポイントを既に導入した業界の他社事例や導入効果に関する情報を収集したいと思います。

2. の導入する方向で検討している場合は、導入にあたっては一体いくらかかるのか、費用によって導入するかしないか分かれる、というケースが多いのではないでしょうか。

3. の導入が決定している場合は、自分たちのやりたいサービスがどのようなシステムを選べば実現できるのか、また、導入後の運用方法や運用体制なども気になるところでしょう。

ポイントサービスの導入検討においてはサービス内容、システム、運用方法、順守すべき法律や会計管理方法、その他、膨大な情報を収集しまとめていく必要があります。そのため、検討段階別にどのような情報をどこまで収集すれば次のステップにいけるかを考えることが大切です。

ポイントシステムのベンダーに相談する前に考えるべきこと

岡田「ポイントシステムベンダーは世の中に複数あり、いくつか比較してみたいというのは当然でしょう。しかし、慣れていないとどこも同じようなことができるように見えるでしょう。パッケージ価格は教えてくれるものの、カスタマイズが入る場合はその限りではないという回答で、一体やりたいことを実現するためにはいくら掛かるのかが分からない状況に陥りがちです。ポイントベンダーに相談する場合は、どんなポイントサービスを実施したいかヒアリングするだけのベンダーより、どんなポイントサービスを実現したいか一緒に考えてくれるスタンスを持つ会社を選ぶとよいですね。そうしないと、システムありきで、ベンダーが保有する機能ありきで検討が進んでしまい、導入後、後でこんなこともやりたかったけど採用したシステムでは実現できないということも起こりえます」

 中編は、ポイントサービスを始める前によく出る議論をご紹介いたします。

中編:共通ポイントか自社ポイントか!?

以下から検討用資料をPDF形式でダウンロードできます。

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岡田祐子プロフィール

株式会社エムズコミュニケイト代表取締役社長 岡田祐子

執筆者紹介:慶應義塾大学卒業後、大日本印刷入社。
2003年に国内唯一のポイントサービス/会員組織構築・運用に関する専門コンサルティング会社エムズコミュニケイトをDNPグループ会社として設立、2018年にMBO。ガイアの夜明けに出演

執筆著書:
・「ポイントサービスのしくみと会計・税務」EY新日本有限責任監査法人編(中央経済社発行)エムズコミュニケイト岡田執筆協力
・「成功するポイントサービス」株式会社エムズコミュニケイト岡田祐子著(WAVE出版発行)

『プロが教えるポイントカードの仕組みやメリット、導入する際の注意点』など、ポイントサービスの導入や改善に関するノウハウを読みやすい記事形式で紹介している。

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