ブロックチェーン入門chapter 03

ブロックチェーンの活用例

在庫情報共有で 「ブロックチェーン」 活用例

「ブロックチェーン」の透明性を確保して情報を共有できる特性を利用して、競合企業であっても在庫データの共有を行うと共に、 スマートコントラクトにより紹介料の支払いまで行う活用例です。

在庫情報共有での「ブロックチェーン」
図1 在庫情報共有での「ブロックチェーン」

上の図では、A社、B社、C社がコンソーシアム型の「ブロックチェーン」を構築して、空きレンタカー情報を自動共有しています。
ある利用者が、赤いスポーツカーを借りたいと思った時に、A社のWebサイトへアクセスしたとします。 A社に在庫がなかった場合には、他社の在庫状況を調べて、この例ではC社の在庫情報を表示します。
利用者がC社と契約した場合には、スマートコントラクトにより、C社からA社に紹介料を支払うことも可能です。

利用者にとっては、複数のサイトを探さなくても、どこにでもあるとは言えない赤いスポーツカーを借りることができる可能性が高まり、利便性も向上して大きなメリットとなります。

A社、B社、C社の3社にとっては、お互いにビジネスチャンスを逃さない助け合いのネットワークと言えるでしょう。

従来のこれに似たシステムでは、カーレンタルのポータルサイトの運営会社が中心に存在して、A社、B社、C社の3社はポータルサイトの運営会社に情報掲載料を支払っていたのではないでしょうか?
また、そのポータルサイトに数多くのカーレンタル会社が登録されているのであれば、そのポータルサイト内での広告出稿が必要となり、費用がかさんでいたのではないでしょうか?
これからは、「ブロックチェーン」を構築して運用すれば、「ブロックチェーン」の中央集権的なノードがない性質を利用して、ポータルサイトの運営会社へのコストを抑えることができ、各企業がより利益を上げることができるようになります。 それによってお客様へのサービス料金が下がり、お客様の生活をより豊かにしていくことができるでしょう。

また将来、カーレンタル会社だけでなく、お客様も含めた「ブロックチェーン」が構築されて運用される時代、かつIoTと「ブロックチェーン」が繋がる時代が到来する可能性があります。 そうすれば、「ブロックチェーン」によって信用のあるお客様が、カーレンタル会社から鍵を受け取ることなくブロックチェーンを利用した認証により車に乗ることができて、スマートコントラクトによって、利用時間や走行距離に応じた支払いが自動で完了する、といった世界が訪れることも夢ではありません。

その他、例えば複数の店舗で在庫情報を共有して、在庫不足時や賞味期限を考慮して商品を融通しあうなどのケースにも適用できます。

サプライチェーンで 「ブロックチェーン」 活用例 その1

「ブロックチェーン」の改ざんが難しくデータ変更者が明確になる特性を利用した、食品や製造業のトレーサビリティに活用する例です。

サプライチェーンでの「ブロックチェーン」その1
図2 サプライチェーンでの「ブロックチェーン」

上の図は、畜産農家、解体業者、加工業者などが、コンソーシアム型の「ブロックチェーン」を構築して、運営管理するケースです。
例えばお客様は、小売店で購入する国産黒豚が、誰にどのように育てられ、誰がいつ、どのように解体して、誰がいつ、どのように加工したか、畜産農家→解体業者→加工業者と、辿ってきた道のりを知ることができます。

これにより、お客様は安心して商品を購入できるようになります。
これまでは、商品に貼られたシールや店員が書いたポップ、農家の写真などの情報から判断するしかありませんでした。 ときには、事実かどうか疑いながら購入するケースがあったかもしれませんが、これからは、「ブロックチェーン」が正しいと認めた、改ざんされていない情報を元に、安心して購入ができるようになるのです。

また、美味しくて口に入れて安全な国産黒豚を育てるために、さまざまな努力をしている畜産農家にとっては、その内容をお客様へ直接伝えられることによって、お客様から選ばれる機会が増えて利益が上がります。
これにより、完全無添加の餌や、育てるのに最適な環境を手に入れることができて、継続的に商品の品質を高く維持する、という好循環が生まれます。
更には、商品の「ブランド化」も可能になります。

現在は、廉価な商品の流通では「ブロックチェーン」の構築、及び運営管理のコストが問題になることもありますが、トレーサビリティの適用範囲を限定するなど、工夫により「ブロックチェーン」のメリットを享受できる分野と考えています。
また、不具合が発生した場合の影響調査においては、トレーサビリティにより対象範囲を容易に絞り込むことも可能になってきます。

サプライチェーンで 「ブロックチェーン」 活用例 その2

活用例その1では、消費者による観点で紹介しましたが、その2では提供者の観点で紹介します。

サプライチェーンでの「ブロックチェーン」その2
図3 サプライチェーンでの「ブロックチェーン」その2

物流においては、生産業者、加工業者、運送業者、倉庫のような保管業者など、さまざまな登場人物が存在して、それぞれに入庫や入荷、出庫や出荷などが存在します。 それぞれに入荷や出荷のタイミング、受け入れ検査などを元に請求、支払いなどが発生します。
そのタイミングにおいて紙伝票やFAX、Excel (エクセル) などの表計算ソフトなどで管理しているケースがあると思います。 そのため、請求から支払いまでの時間がかかる、数量が合わないといった問題が発生していることがあるのではないでしょうか?

入荷、出荷においてIoTを活用して個数をブロックチェーンで管理する、検査記録結果をブロックチェーンで管理することにより、改ざんができない状態で在庫数を管理することができます。
これにより、デジタルトランスフォーメーション (DX) 化が図られ、紙の世界から脱却することも可能になります。 関係業者共通の大規模なシステムを導入しなくても、スモールスタートから始められるので、コスト負担も抑えることができます。

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