働き方改革とは

働き方改革をどの角度から見るのか?

働き方改革とは何でしょうか?
残業を減らすこと、テレワークできること、個人の生産性をあげること。
「働き方改革とは何か?」という質問への回答は、人によってかなり異なるかと思います。

理想としては「短い労働時間で最大限の利益を生み出すとともに、労働者のやりがいを創出する」なのかもしれませんが、各社でビジネスモデルや労働環境が異なる状況では最適な「働き方改革」への道も異なるのは当然です。様々な視点から働き方改革を考え、自社に必要かつ最適な要素は何か?を考える必要があります。

このページではNTTテクノクロスが自社で実践してきた「働き方改革」や、様々な「働き方改革関連ソリューション」を提供してきた経験から、以下の3つの視点で働き方改革を考えてみたいと思います。

  • 1. 労働時間的な視点
  • 2. 労働場所的な視点
  • 3. 生産性的な視点

我々として、最低限考慮しておかなければならないと考えている基本的な3視点です。
それではひとつずつ考えていってみましょう。

1.労働時間的な視点

労働時間的な視点

この視点は、働き方改革を考える上で一番語られてきた視点ではないでしょうか?
2019年4月より段階的に施行される働き方改革関連法案においても、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の確実な取得が盛り込まれている事もあり、働き方改革=長時間労働の是正という感覚が広まっている印象を受けます。

日本は2013年に長時間労働が常態化している状況に対して、国連から是正勧告を受けています。しかしながら、出生率の低下は長らく続いているため、生産年齢人口(15-64歳)の減少により人手不足が起こり、長時間労働をさらに助長することになっています。

このような背景の中、長時間労働を是正し「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」を実現していこうという流れが起こっています。元々、欧米で取り入れられている考え方で、仕事だけでなくプライベートにも重点を置くことで、結果として中長期的に仕事の生産性が向上するという考え方です。従業員体験(エンプロイー・エクスペリエンス)の向上も図れ、離職率を抑える効果も見込めます。

しかし、この実現には、テレワークや作業の自動化など、労働場所や生産性に関する施策が不可欠です。
次に、これらの視点について、考えてみます。

労働時間的な視点

2.労働場所的な視点

労働時間的な視点の次によく語られているのが、この労働場所的な視点です。
育児や介護など、家庭の事情で働きたくても働くことの出来ない状況にある方々がたくさんいらっしゃることかと思います。全てではありませんが、この背景には「仕事は会社に行って行うもの」という前提があります。ということは「自宅(オフィス外)で仕事(テレワーク/リモートワーク)が出来れば問題解決!」となりますが、以下のような理由により、テレワーク導入を見送る企業が多いのが現状です。

  • テレワークでできる仕事が少ない
    →環境の違いにより、いつもと同じ業務ができない
  • セキュリティ面に不安がある
    →社外で作業することによる不正アクセスや情報漏えいなどのリスク
  • コミュニケーション不足
    →上司や同僚と直接話せないため、円滑に業務をすることが難しくなる

どれも解決しなければいけない課題ですが、これらは様々なICTサービス・ツールによって解決できます。
例えば、「テレワークでできる仕事が少ない」「セキュリティ面に不安がある」に関してはリモートデスクトップ系のサービスによって低減できます。リモートデスクトップ系のサービスはオフィスにあるPCや仮想デスクトップなどを自宅PCで操作する方式なので、オフィスのPCで行っていた業務がそのまま自宅などで可能になるだけでなく、万が一自宅PCに問題が発生(盗難・不正アクセス等)しても、オフィス側で当該PCからのアクセスを遮断してしまえば元データにアクセスすることは出来なくなるため、漏洩する可能性を低減することができます。

NTTテクノクロスでも「マジックコネクト」というリモートデスクトップ/リモートアクセスサービスを提供しています。
このサービスは、導入の簡単さや強固な認証が特長で、テレワーク時の勤務管理をシステム管理者が簡単に把握できる管理機能が付属していることもメリットになっています。

次に「コミュニケーション不足」にはどう対応したら良いのでしょうか?
今までもメールや電話といった手段はありましたが、社内コミュニケーションに活用するには、それぞれ効率性や伝えられる情報量の少なさといった課題がありました。
しかし最近はビジネスチャットやビデオ会議(Web会議)といった、安価で簡単に導入できるコミュニケーションツールが急速に普及してきており、コミュニケーションの課題は解決しつつあります。

テレワーカーのコミュニケーション確保のための対策
Web会議サービス
Web会議サービス

技術の進歩により、労働場所を限定せずともこれまでと同じ生産性を確保することは可能になってきていると言えます。

企業にとって優秀な人材の確保は重要な課題であり、人手不足の昨今、その実行はどんどん難しくなっています。労働場所を限定しない働き方の提供は、「離職率の低下」「優秀な人材の雇用」という観点で大きな効果をもたらすかもしれません。

3.生産性的な視点

生産性的な視点

最後は、最近注目が高まってきている「生産性的な視点」です。
日本人の労働生産性が主要先進7カ国(G7)で最下位(1970~2017年)なのは周知の事実です。そのため、国際的競争力を得るため、長時間労働でカバーしてきたのが現状ですが、長時間労働の是正が求められる中、生産性の向上はもっとも重要な課題となります。

生産性的な視点

この課題に対してどのような解決方法があるのでしょうか?
オフィス業務の観点で、代表的な課題について考えてみます。

1.従来型コミュニケーションの非効率性

チャットツールを効果的に利用

先にも述べましたが、ビジネスにおけるコミュニケーション手段は対面の他、電話やメールが代表的な手段でした。その中でもメールについては、特に社内利用においては誤送信や非効率的な部分が残っており、改善の余地があると言えます。近年、各種ビジネスチャットツールの認知度向上&普及により、これまで個人ユースでの利用が主だった「チャット」がビジネスでも利用される様になってきました。

社外の人とのコミュニケーションにはメールは向いている面があり、それはこれからも変わらないかもしれませんが、社内もしくは頻繁にやり取りする社外とのコミュニケーションにはチャットは手軽です。メリットとして以下のようなものが挙げられています。

  • スピーディーなコミュニケーションができる
  • 会議時間の短縮が期待できる
  • 複数人での情報共有が容易になる(他部署間でのコミュニケーション活性化等)

メールですと、「〇〇様 お疲れ様です。〇〇です。〜〜〜の件ですが・・・」と長くなりがちで、すぐに返答するというコミュニケーションがしづらいものです。その部分をもっと効率的に出来る他に、これまで電話で行っていたちょっとしたコミュニケーションをチャットで行うことで、同時に複数人に情報共有できるようになる、というこれまでにはなかったメリットも生まれてきます。

このようにチャットツールを効果的に利用することで、コミュニケーションにかかる時間を節約し効率化〜生産性向上を実現するという考えを持つことも必要と言えるでしょう。

チャットツールを効果的に利用

2.働く場所が違う人同士のタスク管理の難しさ

タスク管理

同じ場所で働いていれば、日々の会話等で共通意識・課題・タスクを共有することはそれほど難しくないかもしれませんし、Excel等で作成した課題表(タスクリスト)を社内で共有することも出来るでしょう。しかし、テレワークや営業等により、オフィスに不在がちなメンバーが増えれば増えるほど、そのようなタスク管理は難しくなってきます。

どこからでも、どの端末からでも利用できる「クラウド型タスク管理ツール」を利用することでこの課題を解決している企業が増えています。

タスク管理

3.BYODを推進したいが、セキュリティが不安

BYODを推進

スマートフォンの普及が進む中、個人所有の端末を業務利用するBYODを推進する企業も増えてきています。企業側としては端末購入のコストや通信費の低減、従業員側のメリットとしては使い慣れた端末を利用できる事や2台持ちをしなくて済むなどのメリットがあります。

反面、電話帳などの顧客情報を個人所有の端末に保存する事になるため、情報漏えい等のセキュリティリスクもあり、導入に二の足を踏む企業の多いのも事実です。

このような課題を解決するソリューションとして、クラウド電話帳があります。
クラウド電話帳は、電話帳の情報を端末には保存せずクラウドで管理するため、仮に端末を紛失しても、電話帳の情報が流出することはありません。

また、企業内で管理されている共有の電話帳などを一元管理できるメリットもあります。
NTTテクノクロス社では「ProgOffice Enterprise」というサービスを提供しています。

ProgOffice Enterprise」は電話帳の機能だけではなく、Office 365やG Suite、Salesforce、Sansanなどのクラウドサービスと連携し、様々な情報を1つのアプリに集約してみる事が可能です。

BYODを推進

4.業務の自動化

RPA(Robotic Process Automation)

その他、最新の生産性向上のアプローチにはどんなものがあるのでしょうか?

一つがここ数年話題に上がることが多くなったRPA(Robotic Process Automation)を活用した生産性向上です。RPAの活用は主にデータ入力等の定型作業をソフトウェア型ロボットが行うことで自動化し、我々は「人にしか出来ない作業」に集中でき、結果、これまでと同じ人員で生産量を拡大できるというメリットをもたらします。

もちろん導入は現在の業務フローを整理し、自動化出来るタスクを見つけ出し、ロボットが理解できるシナリオを作成する、等々のプロセスは必要となりますが、その一時の手間をかけても、その後の効率化を考えるとトライする価値のあるものと言えます。

NTTテクノクロス社では「WinActor」というサービスを提供しています。

RPA(Robotic Process Automation)
EAI(Enterprise Application Integration)

次にEAI(Enterprise Application Integration)です。これまでは部門ごと業務ごと等々、一定の括りのなかで必要なシステムを導入することが多数でした。しかし、異なるシステムを利用する部門間のデータ連携をする際には「システム間のデータ連携をするためのシステム」を開発をしなければいけない等々、非常に手間がかかることが多く、連携のハードルは高いものになっていました。しかし、生産性向上へのニーズが上がるにつれ、この連携をもっと容易(低コスト・低稼働)にするために出てきたサービス(ソリューション)がEAIです。

昨今では企業の統合が多くなり、会社間のシステムを連携しなければいけない事態が増えていることもEAIへのニーズが上がっている要因とも言えます。

NTTテクノクロス社では「DataSpider Servista」「DataSpider Cloud」というサービスを提供しています。

EAI(Enterprise Application Integration)

ここまで3つの視点で働き方改革を考えてきました。
皆様の働き方改革への取り組みのご参考になれば幸いです。

NTTテクノクロスの働き方改革への取り組みについても、以下にまとめてありますので、合わせてご覧ください。

> NTTテクノクロスと働き方改革