特集
[コンタクトセンターのウェルビーイング]

CXの仕組みでEXも向上
一石二鳥のコンタクトセンターはAIアシストで実現

顧客ニーズが多様化する中、コンタクトセンターではAIを活用した「CX(顧客体験)」向上の取り組みが広がっています。さらにCXに影響する要因に、「EX(従業員体験)」も重要な要素となります。つまりオペレーターや従業員のEXが向上すれば、CX向上にもつながると言えます。そして、顧客体験を高めるCX向上の仕組みは、コンタクトセンター内のオペレーターにも良い影響を及ぼします。AIを活用したCX向上の取り組みが、EXの向上策としても有効です。CXもEXも向上させる一石二鳥の取り組みの重要性、AIアシストによるEX向上の具体的な施策、ウェルビーイング経営への貢献についてご紹介します。

顧客をつなぎとめ収益拡大に貢献するCX

CXとは、顧客が製品・サービスを「知り、購入し、利用し、再び購入する」という一連のカスタマージャーニー全体での体験(経験)を指します。製品・サービス購入までの過程や購入後のアフターサービスなど、企業が顧客とのあらゆる接点で「より良い体験」を提供できれば、今後も末永く愛用してくれる「ファン」、すなわちロイヤルティの高い顧客(ロイヤルカスタマー)の獲得につながります。ロイヤルカスタマーを獲得するためには、顧客との接点となるコンタクトセンターにおけるCX向上がとりわけ重要です。

EXがサービスレベルを左右する

昨今、CXに加えて「EX(従業員体験)」にも着目するコンタクトセンターが増えてきました。顧客と直接やり取りするオペレーターのEXが向上すれば、顧客へのサービスレベルが大きく向上するからです。

さらに、近年、心身ともに良好で意欲に溢れた状態を表す「ウェルビーイング」の考え方が注目を集めており、ウェルビーイング経営を標ぼうする企業も出てきています。従業員のEXが向上すれば、安心して意欲を持って働けるようになります。離職率低下にもつながるでしょう。経営トレンドでもある、このウェルビーイング経営にも貢献します。

EXとは、従業員が働くことを通じて得るさまざまな体験をいいます。例えば、オペレーターが業務で困ったときのサポート体制が不十分だったり、オペレーターが業務を通じて得られる喜びが少なければ、EXは低下します。逆に、手厚いサポートがあり、業務を通じて前向きになれる体験を積み重ねられたら、オペレーターのモチベーションは高まり、顧客へのより良い応対が引き出されるでしょう。

EXの低いオペレーターと高いオペレーターで対応を比べてみましょう。製品について何かしらの不満を持つクレーム顧客がコンタクトセンターに問い合わせたとします。クレーム処理がいつもうまくいかず、EXが低いオペレーターが対応した場合、同じようにクレーム処理に失敗する可能性があります。しかし、クレーム処理の成功体験がある、EXが高いオペレーターの場合、自信をもって対応できます。クレーム処理に成功する可能性も高いのです。

オペレーターの離職を防ぐという観点でも、EX向上は重要です。EXが向上し、オペレーターの職場や企業に対する愛着心(エンゲージメント)が高まれば、定着率も高まり、ウェルビーイング経営の良いサイクルが回り始めます。その結果、コンタクトセンターが顧客に提供するサービス全体の質が長期的に向上していくでしょう。

AIアシストはEX向上にも有効

コンタクトセンターにおけるEXを向上させるにはどうしたらよいでしょうか。ポイントはCX向上の仕組みをEX向上に読み替えることです。

コンタクトセンターのCX向上のための有力な施策の一つとして、AIを活用した業務のアシスト(AIアシスト)があります。AIアシストは、自動化すべき領域はAIに任せ、収益向上につながる領域はオペレーターとAIを組み合わせます。この仕組みは顧客のCX向上目的で導入されますが、上手に活用すれば、そのままオペレーターのEX向上にも役立ちます。

例えば、AIアシストには、顧客の発した質問に対する適切な回答をリアルタイムにレコメンドする機能があります。顧客から「結婚したので住所を変えたい」との言葉が発せられると、そのための具体的な手続き(ナレッジ)がオペレーターの端末画面に自動で表示され、さらに「結婚した方におすすめのサービスプラン」といったレコメンドを表示してくれます。
これにより、経験の浅い新人オペレーターでも自信を持って応対でき、顧客の状況に応じたプラスαの提案が可能になります。プロフェッショナルとしての成長につながる成功体験を無理なく積み重ねられるでしょう。

EX向上につながる、オペレーターへのレコメンド
EX向上につながる、オペレーターへのレコメンド

対応に困っているオペレーターをリアルタイムで検知し、スーパーバイザーに直ちに通知する機能もEX向上に有効です。

トラブル続きではオペレーターのモチベーションも下がってしまいます。当然、EXは低下します。スーパーバイザーがオペレーターに対してすぐにチャットでサポートすれば、トラブルやクレームを早期に解消することができ、解約阻止にもつながります。オペレーターは安心感を持って業務に当たることができるでしょう。

さらに、AIアシストでは通話内容のすべてを高精度にテキスト化して記録するので、オペレーター各人の強みや弱み、応対の品質を定量的に評価できます。これにより、オペレーターは的確で納得感のあるコーチングを受けることができますし、スーパーバイザーもオペレーターの応対評価の時間や手間を短縮でき、オペレーター・スーパーバイザー双方のEXが向上します。

迅速なサポートによりオペレーターのEXを向上
迅速なサポートによりオペレーターのEXを向上

AIアシストがEX向上に深く関係することがおわかりいただけたのではないでしょうか。

NTTテクノクロスでは、コンタクトセンターのAIソリューション「ForeSight Voice Mining」などの製品を活用して、お客様のCX向上を支援しています。この仕組みはEX向上にもつながり、ひいてはウェルビーイング経営にも貢献します。CXとEX、ウェルビーイングは連動していると言っても過言ではありません。CXを向上させるNTTテクノクロスのコンタクトセンターソリューションを、ぜひEX向上とウェルビーイング経営にお役立てください。

AIを活用した音声ビッグデータソリューション
ForeSight Voice Mining(フォーサイトボイスマイニング)

文中に記載した会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。
当ソリューション・製品に関するお問い合わせリンクは、NTTテクノクロスのお問い合わせ専用ページ(社外サイト:MARKETINGPLATFORM)に遷移します
(MARKETINGPLATFORMは、株式会社シャノンが提供しているクラウドアプリケーションです)。