特集
[コンタクトセンターの最適解を探る]

CX向上のための「応対手法」
選択の秘訣
~AIが人をアシストする最強のコンタクトセンターの実現~

収益拡大のためには「CX(顧客体験)」の向上が欠かせません。そのカギを握るのがコンタクトセンターです。顧客が感動するほどの応対を実現できれば、新規顧客もクレーム顧客もファン化していくからです。ただ、これまでのコンタクトセンターでは高度なスキルを持つオペレーターを収益に貢献する応対に当てられず、CX向上の機会を逃すケースが多くありました。この課題に対する一つの解として、AI(人工知能)と有人応対を最適に組み合わせた仕組みづくりが注目されています。AIをどう活用すれば限られた人材リソースでCX向上を実現し、収益を最大化できるのか。AIを活用した顧客応対の可能性について紹介します。

ロイヤルカスタマーに
なるかどうかはCX次第

 CX向上において、コンタクトセンターでの応対が果たす役割はとても大きなものがあります。
 例えば、製品を購入すべきか悩んでいる新規顧客、もしくはクレーム顧客がコンタクトセンターに電話をしたとします。その際、顧客を待たせてしまったり不満足な回答に終始してしまえば、顧客の気持ちはたちまち離れてしまいます。しかし、顧客が必要とする情報がすぐに得られて、応対内容も感動を覚えるほどのものであれば、製品や企業に対するイメージはアップします。企業に継続的な収益をもたらす「ファン」――すなわちロイヤルティの高い顧客(ロイヤルカスタマー)になってくれることでしょう。
 つまり、コンタクトセンターでの応対次第でCX(顧客体験)が上下して顧客のロイヤルティが変わります。ひいては収益を大きく左右するのです。

応対レベル×スキルの
マトリックスで
AI活用範囲を決める

 CX向上を目指すコンタクトセンターの強い味方となるのが「AI」です。近年は音声を含む高度なデータ処理が可能になり、さまざまな業務に活用できるようになりました。CX向上のためには「AIのアシストによる有人応対の高度化」がポイントとなります。どういうことか説明しましょう。

 コンタクトセンターの応対レベルは、「単純で簡易な問い合わせへの応対(サポート的な応対)」「サポートと収益向上が組み合わさった中程度の応対」「より複雑・高度で収益に大きく貢献する応対(高度な応対)」の大きく3つに分けられます。
 例えば、本人確認や本人認証、パスワードの初期化、定型的な受注処理や受注内容の確認・追跡などは、「サポート的な応対」に当たります。クロスセル・アップセル営業、トラブル対応、解約抑止、煩雑な問い合わせや相談、ロイヤルカスタマー対応などは、「中程度の応対」「高度な応対」と言えるでしょう。

 3つの応対レベルのうち、収益に貢献するのは「中程度の応対」と「高度な応対」です。本来であれば、収益拡大のためにはこの2つの応対に高スキルのオペレーターを充てたいところです。しかし、新人からベテランまで、オペレーターのスキルのレベルはさまざまです。ロイヤルカスタマーを獲得できるような高度なスキルを持つ人材の数も限られます。とはいえ、CX向上のために、高スキル人材を一から育成したり、外部から新たに雇い入れたりするのは、時間とコストがかかります。特に昨今のコロナ禍では、高スキル人材を必要数そろえるのが困難です。

 つまり、応対レベルとオペレータースキルという2つの観点から、応対レベルの違いを踏まえて限られた人材リソースを最大限活用する必要があるわけです。そのための有効策が「AIのアシストによる有人応対の高度化」となります。

 まず「簡易な応対」については、すべて自動応答にする選択肢もあります。24時間対応にすれば、顧客がいつでもコンタクトセンターにアクセスできるようになり、CXも向上します。コンタクトセンター内では、中程度以上の応対に人材リソースを割けるメリットもあります。

 一方、「中程度の応対」には人とAIの組み合わせが適しています。幅広いレベルのオペレーターであっても、応対をリアルタイムでアシストするAIシステムを組み合わせれば、質の高い応対を実現できます。AIを活用したコンタクトセンター向けソリューションには、「顧客からの質問に対するFAQのレコメンド」「重要事項の自動チェック」「優良トークの共有」「事後処理の自動化」といったオペレーターの業務を支援するさまざまな機能が備わっています。たとえ新人でも中程度レベルの応対が可能になり、限られたリソースを最大限活用できます。ロイヤルカスタマー化できる可能性も高くなります。

 収益性の高い「高度な応対」については、高スキルを持つオペレーターで対応し、ロイヤルカスタマー化に集中しましょう。AI活用ソリューションをうまく使えば、高スキル人材が業務に集中できる仕組みが整い、より感動的な応対を生み出し、さらなるCX向上につなげられるでしょう。

応対レベル×スキルのマトリックスでAI活用範囲を決める

「自動応答」「有人対応」「有人対応+AIアシスト」の組み合わせでロイヤルカスタマー化を目指す

金融業界における
「人×AI」の
ベストミックス

 「AIのアシストによる有人応対の高度化」について、金融業界のコンタクトセンターを例にとって、具体的に見てみましょう。

 例えば、従業員のパスワードリセットやPCサポートを実施する「社内ITヘルプデスク」、ごく少額の短期ローンのような「小規模取引事業」にかかるものは、収益に直接つながらない、もしくは収益性が比較的低い「サポート的な応対」に当たるため、できるだけ自動化すべきでしょう。
 一方、長期ローン・融資のような「大口取引事業」や「保険事業」は、収益性の高い「中程度の応対」に当たります。有人応対にAI活用ソリューションを組み合わせて、丁寧に対応します。さらに、数億円規模の長期運用のような「大口資産運用」については、高度なスキルを持つ最高レベルの窓口担当者が手厚いサポートをして、ロイヤルカスタマーを囲い込みます。

金融業界における「人×AI」のベストミックス

金融業界のコンタクトセンターを例にした「有人応対×AIアシストが適した応対分野」

 NTTテクノクロスでは、CX向上を実現するコンタクトセンター向けのAI活用ソリューションを提供するほか、コンタクトセンターの仕組みづくりも支援しています。限られた人材リソースで応対レベルごとの「人×AI」のベストミックスを実現すれば、CX向上に最大限の効果を生み出せます。まずは応対レベルの整理に取り組んでみてはいかがでしょうか。

AIを活用した音声ビッグデータ
ソリューション
ForeSight Voice Mining
(フォーサイトボイスマイニング)

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