Crossway
個人スマホだけじゃない!オフィスの固定電話で3者通話カンタン電話会議のススメ
2者間での通話を基本とする電話での音声コミュニケーションですが、3人以上で同時に通話できるサービスがあるのをご存知でしょうか。キャリア各社が3者通話やグループ通話のサービスを一部のスマートフォンで開始したことで、現在、個人ユースのスマートフォンで主に利用されていますが、ビジネスフォン(固定電話)においても同様のサービスが存在します。代表的なものが、2024年1月にサービス提供を終了したNTTの「トリオホン」です。本コラムでは、ビジネスフォンでの3者通話の活用シナリオやメリットについて解説しつつ、「トリオホン」代替となるお勧めサービスについても紹介します。
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3者通話サービスとは?
3者通話は、文字通り3人で音声コミュニケーションできる電話の仕組みで、かつては電話網(電話回線)を使用していましたが、最近はインターネットを介したサービスが主流になっています。ビジネスフォンなど固定電話のオプションサービスとして提供されるもののほか、キャリア各社がスマートフォン向けサービスとして提供するものもあります。利用形態として、発信者(サービス契約者)が相手を切り替えながら1人ずつ会話するパターンと、3人同時に会話に参加するパターンがありますが、3名を超えて参加できる仕組みもあり、グループ通話として区別する場合もあります。今回は、電話回線を使用する3者通話サービスにフォーカスし、その代表的なサービスとして多くの企業に導入されていた「トリオホン」の概要・特長を簡単にまとめておきます。
トリオホンとは
「トリオホン」はNTTの固定電話(アナログ回線)の契約者を対象にしたサービスで、通話中に第3者を呼び出して3者間で通話ができます。利用できる電話機は固定電話のみで、月額料金は500円(税別、契約者回線ごと)です。通訳を加えた外国人相談者との3者通話で自治体が導入するなど実績がありましたが、アナログ電話回線の廃止にともない2024年1月にサービス提供が終了しました。
ちなみにNTTは、ISDN回線契約者を対象に提供する「フレックスホン」というサービスでも3者通話機能を提供しており、月額料金300円(税別、契約者回線ごと)で、こちらは呼び出す相手の端末はスマートフォンや携帯電話、PHSでもOKです。「フレックスホン」についても、2028年末のサービス終了が告知されており、NTTは「トリオホン」「フレックスホン」のEOS対策として電話会議サービスなどへの移行※を勧めています。
※別途、電話会議サービス提供事業者とのご契約が必要です
電話会議サービスとは?「トリオホン」「フレックスホン」との違いは?
一定規模以上の事業所で導入されるPBX(主装置)+ビジネスフォンの電話システムでは、電話会議サービス(機能)が標準提供されるものもあり、電話回線やインターネット回線を介して、3人以上(3人に限らずより多人数の参加が可能)で音声のみの電話会議が可能です。ビジネスフォン(固定電話)のほか、スマートフォンや携帯電話などで利用でき、参加者それぞれが通話料を負担するダイヤルイン方式と、主催者がすべての通話料を負担するダイヤルアウト方式を選んで会議を実施できます。電話回線を利用した電話会議は、インターネットのトラフィック増の影響を受けず、セキュリティや音声品質にすぐれるという特長があります。
トリオホン/フレックスホン/電話会議サービスの比較
| トリオフォン※1 | フレックスフォンの 3者通話機能※2 |
PBXの電話会議 | |
|---|---|---|---|
| 電話機 | 固定電話 | ビジネスフォン(固定電話)、スマートフォン、携帯電話、PHS | |
| 接続回線 | アナログ電話回線のみ | ISDN回線(INSネット)のみ | 主に光回線 |
| 同時通話可能数 | 3人 | 3人以上 | |
※1 2024年1月サービス終了
※2 2028年末サービス終了予定
ビジネスにおける3者通話の活用シナリオとメリット
では、ビジネスにおいて3者通話は実際にどのような場面で使われるのか、具体的な活用シナリオを紹介します。
営業担当Bさん(東京本社)が過去に受注に成功した提案書を参考に、お客様への提案書を作成中の営業担当Aさん(埼玉営業所)。確認したい点がいくつか出てきたので、Bさんの予定を押さえて電話で会話することに。当日2人で通話しながら確認を進めていくと、2人には分からない技術的な不明点が出てきました。そこでAさんは、Bさんとの通話を保留にしたまま開発部門(横浜支社)に電話をします。急遽エンジニアのCさんも通話に参加してもらうことができ、そのまま3者通話で技術的な不明点をクリアしたうえで、その日のうちに提案書をまとめ、翌日お客様に提案書を届けることができました。
上記シナリオでは、下記に挙げるようなビジネスメリットを達成しています。
①ビジネスをスピードアップ&効率化
最大のメリットはビジネスのスピードアップです。3者通話ができなければ、Aさんは技術的な不明点が出てきた時点でBさんとの通話を終了して、技術部門に電話をして不明点について確認をし、再びBさんに電話をして技術部門に確認した結果を共有する必要があります。最初の通話のあとBさんが出かけてしまえば、再度の通話は翌日以降になってしまう可能性もあります。その結果最終的に、お客様への提案が遅れることになりかねません。
②出張の手間とコストを削減
電話会議であれば、それぞれ異なる拠点にいる3名が出張することなくリモートでコミュニケーションできます。上記ケースは比較的近隣の拠点に3名が所属していますが、さらに遠方の場合は新幹線代など出張コストがかかるだけに、出張費削減効果も期待できます。
③通信コストゼロで多拠点コミュニケーション
各拠点にPBX(主装置)+ビジネスフォンの電話システムが導入されている場合、多拠点間の3者通話を内線で行うことができ、通信コストが0円で済みます。
④電話回線で完結でき安心&快適
電話回線を直収するPBX(主装置)を導入している場合、3者通話を高信頼の電話網で解決できます。外部から攻撃を受けたり、帯域不足で通話が途切れたりといったリスクが低く、お客様を交えた3者通話も安心&快適に実施できます。
Web会議にはないグループ通話や電話会議の魅力とは
ここまで読まれて「音声だけの3者通話やグループ通話なんて時代遅れで、顔が見えて資料を共有しながら打ち合わせできるWeb会議のほうが便利」と思われる方も多いと思います。ですが、Web会議の音声が聞き取りにくかったり、途中で途切れたりでは、そもそもコミュニケーション自体が成立しません。このためWeb会議においても、映像や資料共有はあくまで“あったら便利”というサブ的なものであり、圧倒的にメインで重要なのは音声品質とされています。実は、ここにグループ通話や電話会議の存在価値があります。
Web会議ではインターネット回線を介して通信を行いますが、ご存知の通り、昨今、電子メールに加えチャットやWeb会議などコミュニケーション手段が多様化。さらにテレワークやAI活用が急拡大したことで、インターネット回線の帯域不足に悩む企業が増えています。その結果として「Web会議の音声品質が低下して会議にならない!」という声もよく聞きます。
一方、グループ通話や電話会議は、オンプレミスのPBXや主装置に直周する電話回線を介して通信を行うため、インターネット回線がどれだけ混雑していても一切影響を受けず、常に高い音声品質で確実なコミュニケーションを実現します。また、外部からの攻撃が激しいインターネット回線と異なりセキュリティ面も優位です。こうした、確実性・安定性や高セキュリティが必須条件のシナリオにおいて、グループ通話や電話会議に対するニーズは根強いものがあります。
グループ通話や電話会議にも対応する「Crossway」
「トリオホン」や「フレックスホン」の後継サービスをお探しの企業にお勧めなのが、NTTテクノクロスが提供するオンプレIP-PBX「Crossway」です。NTT東日本・西日本の「ひかり電話(フレッツ ひかりネクスト)」を直収し、「ひかり電話」の帯域確保型通信網による広帯域通信で、高い音声品質とセキュリティを安定して実現します。ビジネスフォン(固定電話)のほかスマートフォンでも利用でき、インターネット接続なしでの内線ビデオ通話や、IVR機能を用いた自動音声案内などにも対応し、企業ニーズに合わせて「ひかり電話」の機能を拡張します。詳細はこちらをご覧下さい。