2025.07.01

オンプレPBXとは?クラウドPBXとの違いを分かりやすく解説!

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外線/内線通話による音声コミュニケーションを実現する、ビジネスフォンやPBXなどの電話システム。貴社が最後に更新したのは何年前になりますか。実際、社外業務が多い営業部門に業務用スマートフォンを導入したりしているけれど、固定電話(電話機)は昔のまま…という企業は少なくありません。そこで本コラムでは、電話システム刷新に向けた“自社に最適なPBX選び”をテーマに、オンプレPBXとクラウドPBXを徹底比較します。

目次

かつてオンプレミス一択だったPBX(構内電話交換機)

PBX(構内交換機)は専用の電話機とともに企業の電話システムを構成し、複数の電話回線を収容して代表番号で外線発信でき、複数着信の同時処理や通話料が発生しない形の内線通話などを実現します。ビジネスフォンの主装置と一緒に語られることが多いPBXですが、数千台に達する大規模な電話システムにも対応でき、大企業の本社やコールセンター、総合病院やホテルなどでは欠かせない設備となっています。

かつてPBXは構内(オフィス内)に置かれ、専用の電話機とケーブル接続して利用していましたが、通話のIP化が進み、PBXの機能をクラウド型で提供するSaaS製品(クラウドPBX)が登場。現時点では、オンブレPBXとクラウドPBXの2択になっています。

オンプレPBXとクラウドPBXは何が違う?

オンプレPBXとクラウドPBXの大きな違いは、PBXを自社で保有し電話回線を収容して運用するか、インターネット経由でクラウド上のPBX(機能)をサービスとして利用するかという保有・運用形態です。さらに、PBXが置かれる場所と関連して、通話時にインターネットに出る必要があるかどうかも、メリット・デメリットを考える上でポイントとなります。

オンプレPBXが電話回線に閉じた形で(インターネットに出ることなく)音声コミュニケーションを実現するのに対し、クラウドPBXはクラウド上にあるPBXにインターネットを介してアクセスする必要があります。こうした違いを考慮して自社に最適なPBXを選定する必要があります。

オンプレPBXとクラウドPBXの構成イメージ

図版

IP網の整備が進みIP-PBXの時代に

アナログ電話回線からIP網への移行完了(2024年1月)に伴い、電話システムのIP化が急ピッチで進んでいます。ISDNの通話モードも2028年末の終了が予告されており、オンプレミスのアナログPBXは今後、オンプレミスのままIP-PBXへ更新するか、クラウドPBXに移行するかの選択を迫られることになります。

クラウドPBXのメリット(オンプレPBXのデメリット)

クラウドPBXのメリット

クラウドPBXに限らずクラウドサービスの最大のメリットと言えるのが、初期コストを最小化し短期間で導入できることです。社内に物理スペースを用意する必要がなく、停電や故障によるサービス停止の心配もありません。インフラの陳腐化を懸念することなく、月額利用料金だけで最適な環境を利用し続けることができます。インターネットアクセス環境があれば、場所や端末を気にせずに利用でき、テレワークとの親和性が高いのも魅力です。

オンプレPBXのデメリット

上記クラウドPBXのメリットはそのままPBXのデメリットと言えます。導入に際しては最低でも数十万円、規模によっては数百万円の初期投資が必要で、機種選定や調達、環境構築や設定などに少なからず時間と手間を要します。停電対策や経年劣化による故障を回避するための定期的な更新も必要で、支店など全国に拠点を構えそれぞれにオンプレPBXを導入する企業では、コストが肥大化し情シス部門の負担も格段に大きくなります。クラウドPBXに比べテレワークとの親和性が低い点もデメリットと言えます。

オンプレPBX/クラウドPBXの比較①

オンプレPBX クラウドPBX
PBXの場所 構内(オフィス内) クラウド上
特長 初期コスト
ランニングコスト
導入スピード
可能性

オンプレPBXのメリット(クラウドPBXのデメリット)

オンプレPBXのメリット

前段で挙げたメリットが評価され広範な領域でクラウド化が進んでいますが、PBXに関して言えばオンプレミスならではのメリットもあります。それは、電話回線による音声品質の高さやセキュリティリスクの少なさです。クラウドPBXの場合、外部からの攻撃を受けやすいインターネットを介してクラウド上のPBXにアクセスする必要がありますが、オンプレPBXの場合は、収容した電話回線を使用するため、インターネットに出ることなく音声コミュニケーションが可能です。

このため、クラウドPBXに比べ外部から攻撃を受けるリスクが圧倒的に低く、深刻化するインターネットの混雑によって音声品質が低下する事態も回避できます。また、インフラ共有型で提供されるクラウドPBXは機能追加などカスタマイズ対応が難しいのに対し、専用のPBXを利用するオンプレPBXは、カスタマイズ対応で独自機能の追加やCRMなど他システム連携も可能です。

クラウドPBXのデメリット

前段同様、オンプレPBXのメリットはクラウドPBXのデメリットであり、サイバー攻撃に対する脆弱性や混雑による帯域不足など、インターネット回線の特性がもたらすセキュリティや音声品質に関する不安であり、カスタマイズ性の低さということになります。VPNや帯域保証型回線を導入すれば、一定程度インターネットの弱点を補うことができますが、少なからずネットワークコストの上昇を招きます。

オンプレPBX/クラウドPBXの比較②

オンプレPBX クラウドPBX
通信経路 電話回線で完結
(インターネットに出ない)
クラウド上
特長 セキュリティ
音声品質・安定性
カスタマイズ性

ニーズ別PBXの選び方

“クラウドファースト”の時代に突入し、ICTのあらゆる領域でクラウド化が加速していますが、クラウドにもデメリットがあることは上述の通りです。無条件にクラウドPBXを選択するのではなく、まずは下記のようなポイントで、オンプレPBXにすべきか、クラウドPBXで大丈夫か、じっくり検討するとよいでしょう。

機能のこだわり

クラウドPBXにはない機能を求めるケースでは、カスタマイズの柔軟性が高いオンプレPBXがお勧めです。

セキュリティや音声品質のこだわり

セキュリティや音声品質がビジネスの成功を左右するような業種では、インターネットに出ることなく電話網に閉じた形で利用するオンプレPBXの方が優位です。

長期間のTCO

初期投資が少なく気軽に導入できるクラウドPBXですが、PBXはサーバなどに比べ更新期間が長く、ライフサイクル全体のTCOを考えるとオンプレPBXを上回ってしまう場合もあります。特に、セキュリティや音声品質を重視して高額なインターネット回線を導入するケースではその可能性が高まるため、10年単位で慎重にTCOを見極めることをお勧めします。

オンプレPBXに「Crossway」という選択肢

自社に最適なIP-PBXを検討した結果、クラウドPBXよりオンプレPBXの方が良さそう……という企業にお勧めなのが、NTTテクノクロスが提供するオンプレIP-PBX「Crossway」です。

NTT東日本・西日本の「ひかり電話(フレッツ 光ネクスト)」を直収し、「ひかり電話」の帯域確保型通信網による広帯域通信を利用でき、高い音声品質とセキュリティを安定して実現します。このほか、3人以上での簡易的な電話会議(グループ通話)や本格的な電話会議サービス、スマートフォンによるインターネット接続なしでの内線ビデオ通話、IVR機能を用いた自動音声案内などにも対応します。詳細はこちらをご覧下さい。

オンプレPBX/クラウドPBXの比較①

トリオフォン※1 フレックスフォンの
3者通話機能※2
PBXの電話会議
電話機 固定電話 ビジネスフォン(固定電話)、スマートフォン、携帯電話、PHS
接続回線 アナログ電話回線のみ ISDN回線(INSネット)のみ 主に光回線
同時通話可能数 3人 3人以上

※1 2024年1月サービス終了
※2 2028年末サービス終了予定

オンプレPBX/クラウドPBXの比較①

項目 グループ通話機能 電話会議機能
最大同時接続拠点 ひかり電話の同時通話数とCrosswayのライセンス上限の小さいほう ライセンス上限数まで可能
最大同時開催会議数 1 導入時にヒアリングして決定
会議室予約方法 ゲートウェイ管理者で実施 電話会議システムで管理されるユーザIDを使用して設定
繰り返し会議予約 不可能 可能
会議予約管理 なし 予約時間の自動解放、会議の自動延長等の機能あり
会議接続履歴 なし あり
設置 ゲートウェイ内蔵機能 お客様内線網の端末として設置
追加費用 なし あり

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