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コラム
「最適解へ最短で到達」。
Elastic認定資格3冠達成者が語るお客様への提供メリット
「NTTテクノクロス、Elastic(エラスティック)認定エンジニアの山下です。
この度、Elastic社が認定する3種類の資格試験に合格し、3冠を達成しました。
そのご報告を兼ねて、このコラムではElastic認定資格の概要と、私が3冠を達成するまでのストーリーを紹介します。
製品の販売だけでなく、Elasticに関するコンサルティングから構築、サポート、保守に至るトータルソリューションで、お客様のビジネスに貢献しています。
実技試験に基づき認定される3種類のElastic認定資格
Elastic認定資格とは、Elastic社が管理するプロダクトに関するベンダ資格です。どのようなシーンで利用するかというユースケース別に、以下の3種類の資格試験があります。
1) Elastic Certified Engineer(Elastic認定エンジニア):検索・運用知識を問うもの
2) Elastic Certified Analyst:データ可視化や機械学習ジョブの実行によるデータ分析力を問うもの
3) Elastic Certified Observability Engineer:メトリクス(CPU使用率などの数値データ)/トレース(システムやアプリケーションの一連の動作や処理の流れを詳細に追跡した情報)/ログ(システムやアプリケーションがどう動いたかの記録)の3軸によるシステム・アプリケーションの監視知識を問うもの
実技試験のため、普段から各プロダクトについて手を動かして触っている人でないと、難しいかもしれませんが、逆に日頃からElastic に触れて、現実に起こるさまざまな課題に向き合っている方なら、挑戦する価値があります。特定のユースケースに閉じるとはいえ、資格取得にはElasticに関する幅広い知識と応用力が必要とされるため、Elastic認定資格はElasticの専門家である確かな証となります。
日本国内の3冠達成者はわずか5名
Elastic認定資格3冠(以下、3冠)とは、Elastic社のベンダ資格3種類をすべて取得していることを指します。
それぞれのユースケースに対するプロダクトの運用、開発、その他広範囲にわたる知識とスキルだけでなく、それらを適切に組み合わせて最適解を導く能力が求められます。3種類の資格試験には関連性がなく、それぞれ全く異なるユースケースの実技課題を扱うため、合格するには幅広い領域の知識と経験が必要です。
現在、日本国内のElastic認定資格3冠達成者(以下、3冠達成者)は、更新予定者を含めて5人(2024/2現在)。そのうちのひとりが私です。
自身が得意とするユースケースやプロダクトに限定した認定資格のみ取得している1冠、2冠の認定エンジニアは多いものの、3冠を達成することは稀なようです。
セルフブランディングでElasticのスペシャリストを目指す
私は、社内における新規プロダクト開発チームとの伴走や、技術研修講師などの業務を担当しています。
2016年の後半に、業務で初めてElasticに触れ、その面白さに魅了されました。プログラミングしなくてもグラフが作れるなど、ダッシュボードを自分自身で簡単に作れる楽しさに触れ、プロダクトに強く興味をひかれたのです。
2018年に現在の部署に異動しましたが、この部署には、専門職として技術的に詳しいメンバーが大変多く在籍しています。
その中でセルフブランディングを考えたとき、好きなプロダクトであるElasticについて、社内で最も詳しい人間になろうと思いました。そして、Elasticの社内勉強会を立ち上げたり、外部の勉強会に参加したりしているうちにどんどん興味が喚起され、知識が深まりできることが増えるとさらに楽しくなるという好循環が生まれました。また、Elasticに関する社内技術支援業務を通じて、さまざまな環境における実務的な経験や知見も積み上げてきました。
2021年初頭、「Elasticをここまで使いこなしているなら、ベンダ資格にチャレンジしたらどうか」という上司の言葉をきっかけに、実務経験を通じて得た自分自身のElasticの知識が、Elastic社の定める基準に達しているか確認してみたいと思うようになりました。このような経緯で、数年前から3冠達成に向けての挑戦が始まりました。
自宅に環境を構築して、公式サイトの情報を頼りに試験対策
国内における3冠達成者はわずか5人と少なく、難易度が高そうな資格ですが、私自身は自分の力試しをしたかったこともあり、準備や勉強を含めて楽しみながら挑戦できました。
そもそも私にとって、Elasticはとても面白く興味のあるプロダクトです。世界各国のElastic関連記事をクリッピングしてブログで発信するなど、Elastic好きが高じて行っていた日々のコミュニティ活動の延長線上に、今回のチャレンジがありました。
受験勉強としては、公式サイトで試験の形式を解説している動画が配信されているので、まずはその動画を視聴しました。その後は、公式サイトに細かく記載されている出題範囲を確認し、記載されている操作方法を一つずつ試していきました。
https://www.elastic.co/jp/training/elastic-certified-engineer-exam
特定のユースケースが対象になる資格試験用の勉強は、プライベートの時間も多少使いながら、公式ドキュメントや過去の経験を参考に、出題範囲に書かれている操作方法を一つひとつ確認していきました。
ユースケース別に必要な知識や、最新バージョンでの機能を再確認できる
認定資格試験を受験することにより、私は次のようなメリットがあると思いました。
① ユースケース別の標準知識の習得
ユースケース別に資格が分かれているため、そのユースケースでElasticを使う際に必要とされる一般的な知識を、体系的に習得できる。
② バージョンアップ情報の確認
比較的新しいバージョンで試験が実施されるため、古くからのユーザにとっては、バージョンアップで変わった点を確認できる。
③ 公式ドキュメント活用法の習得
試験の本番でも閲覧できる公式ドキュメントについて、勉強の過程でどこに何が書いてあるかを知ったり、効率のよい検索方法を覚えたりすることで、実務での業務効率向上におおいに役立つ。
試験を振り返ると、何が出題されるかはあらかじめかなり細かく提示されるので、公開されている出題項目に添ってしっかり勉強しておけば、ある程度難易度を下げられると感じました。ただし、実技試験である以上、表面的な理解ではなかなか手ごわいと思います。
Elastic についてあまりよく分かっていない状態からだと、かなり多くの学習時間が必要かもしれません。理解しなければならない独自の概念も多く、業務である程度触れているなど実技経験が欲しいところです。
私には普段から業務でダッシュボードを作るなど、Elasticに関する実技に基づいた理解がありました。
また、まっさらな環境や自分のテリトリー以外の環境での作業に慣れているかどうかも、ポイントです。
私は業務上、初めて与えられた環境でのセットアップやトラブルシューティングを日頃から行っていたため、いつも通りの業務を進めるような感覚で課題に取り組めました。
そして、日本人のエンジニアにとってはこれが最大のハードルかもしれませんが、試験前後の説明や試験に登場する文章はすべて英語です。
私は普段から英語で情報収集したり、プライベートでも海外のゲームを遊んだりしているので、ほとんど苦になりませんでしたが、苦手な方にはつらいかもしれません。
個人的には、「まっさらな環境下で、特定の条件を満たすように環境を整える」という試験方式は、まるでゲーム感覚であり、非常に楽しめました!
3冠達成での知識を活かし、新たなソリューションを提案
業務上、データ可視化案件に触れることが多かったので、Elastic Certified Analystの合格には自信がありました。しかし、他の2つの資格は個人的に難易度が高く、合格の知らせを聞いたときはとてもうれしくて思わずガッツポーズが出ました。
3冠を達成したことで、各ユースケースに対してElastic社が考える一定ライン以上の知識を有していることが保証され、自信がつきました。このことは社内広報でもリリースされ、社内でも「Elasticに詳しい人」という印象が高まったと感じます。
私自身の仕事への向き合い方は、変わりません。従来同様、課題解決の方法としてElasticを活用し続けるとともに、これを活かしたアプリケーション開発にも積極的に取り組んでいきたいです。知識を持っていながらそれを活かさないのは、もったいないですからね。
Elasticは、さまざまなユースケースに瞬時に対応できる機能が豊富にあります。Elasticをソリューションとして使うだけではなく、今後はElasticをベースに、課題に対してElasticだけでは難しい部分をオリジナルのアプリで解決していくスタイルも確立していきたいです。生成AIとの連携も考えています。
「最適解へ最短で到達」。
自社にもお客様にもメリットをもたらす3冠達成者の存在
3冠達成者の存在は、社内的にもお客様に対しても、大きなメリットがあると考えています。
社内的なメリットは、エンジニアの技術力向上に寄与できることです。
NTTテクノクロスの場合、私がElasticに関する社内研修を実施しています。3冠達成者である私が技術講習を行うことで、社内の技術者はElastic社が認定する国内トップエンジニアの知識を体系的に得られます。
また、何らかの課題が生じた際に3冠達成者に相談できる環境があれば、社内全体としても知見をどんどん高められます。
3冠達成者に相談できる環境があることは、お客様にとってもメリットがあります。
いざというときに、専門家である認定エンジニアに相談できるかどうか、説得力のある提案がなされるかどうかは、ベンダ選択の際に重要だと思います。私自身は、お客様に直接接する立場ではありませんが、現場の技術者を通じてサポートできます。
幅広い知識や経験に裏付けられた3冠達成者のレクチャ・助言により、現場の技術者は課題に対しての最適解を最短で得られます。
3冠達成者が在籍するNTTテクノクロスにご相談ください
NTTテクノクロスは、2016年からパートナーとしてElastic製品の販売、導入を手掛け、セキュリティ監視やリソース監視といったユースケースに豊富なノウハウがあります。特にトラブルの影響が大きい、大規模システムへの導入も得意としています。
3冠達成者の私から見ても、Elasticの経験や知見が豊富な社員が多く在籍しており、お客様のシステム運用におけるよりよいご提案や、持続可能なDXのご提供が可能です。NTTテクノクロスに、どうぞお気軽にご相談ください。