概要

 企業と生活者を人でつなぐビジネスパートナー〟をコンセプトに、コンタクトセンター運営を手掛ける 株式会社 博報堂コネクト。コンタクトセンター売上の9割以上を占める通販ビジネスの成長にともない、席数が直近の5年で倍増している(2019年1月時点)。

 こうしたなか、さらなるビジネス拡大に向けて、コンタクトセンターの心臓部とも言えるPBXを刷新し、クライアント企業のニーズに対応できるコンタクトセンター機能を拡充するプロジェクトが動き出した。

課題

背景

クライアント企業の要望への対応速度に弱点。PBXを含めたインフラ老朽化も課題

 「コンタクトセンタービジネスでは、クライアント企業の要望に、スピーディに応えることがとても大切ですが、これまでの環境ではそれが叶いませんでした」と語るのは、同社DX推進室の西村氏だ。

 同社は、創業以来9年間、AVAYA製のPBXを採用し、オンプレミスシステムを運用していた。しかし、ビジネスが急激に拡大するなかで、次第にクライアント企業のニーズへの迅速かつ柔軟な対応が困難になってきたという。

「クライアント企業の要望に応えるためには、PBXシステムの柔軟な設定変更が必要です。サポート(運用管理)を社外のベンダに委託していた弊社では、設定変更に多くの時間と費用を必要としていました」(西村氏)。

 その結果、営業機会を損失することもあり、大きな課題となっていたわけだ。

 さらに、数年ごとのPBXバージョンアップも発生しコスト負担が大きく、旧バージョンでの利用を余儀なくされていた。インフラ全般の老朽化にともなう障害発生リスクなども、課題となっていた。

解決へのアプローチ

選定

提案力、技術力、ビジネスの理解度、コストパフォーマンスなどが秀逸

 これらの課題を解決するため、複数社へPBXのリプレイス提案依頼を行った同社。

「オンプレミスか?クラウドか?」についても検討を行ったところ、当時、クラウド型AVAYA製品の実績が十分に認知されていたことや、音声品質などの懸念も通信ネットワークの進化で解消されていたこともあり、社内にはクラウド移行に対する拒否反応はなかったという。

 最終的に同社は、ITインフラ資産に対する経営判断もあり、NTTテクノクロスのクラウド型PBX「CTBASE/Connect Cloud(以下、Connect Cloud)」を選定した。

 Connect CloudはPBXプラットフォームにAVAYA製を採用しており、既存PBXと同様の機能や操作性を維持しながら、PBX切替による業務影響を抑えることが可能だった。最大の選定ポイントは、課題に挙げられていた〝クライアント企業のニーズへの対応スピード〟に対する具体的な提案だった。

 「NTTテクノクロスさんは、日々の業務の中で発生しうるクライアント企業からの様々な要望を想定、考慮し、PBXの設定変更パターンを具体的に提示してくれ、納得感がありました」(西村氏)。

 提案力・対応スピード、コンタクトセンター運営のノウハウ、最先端のICTテクノロジーを活用したコンタクトセンターシステムの製品力、技術力、そして、同社ビジネス機会を損なわないコストなどを総合的に評価した結果であった。

ソリューションとその成果

効果

現場への移行負荷を最小化し、クライアント企業の要望への対応スピードを大幅迅速化

 選定後、3ヵ月という短期間で、システム構築・設定移行が進められた。「弊社としては、できるだけ業務を止めたくないと考えていましたが、それが、当たり前のことのように、短期間でノントラブル、極めてスムーズに移行することができました。

 最大のポイントは、システム移行時のバリエーション試験でした。多くのPBX構築や移行を経験しているNTTテクノクロスさんでは、このバリエーションの網羅性が高かったと考えています。思いかえすと、それが難しい移行を短期間でスムーズに実施できた成功要因ではないでしょうか。また、既存システムもAVAYA製だったので、エージェント(オペレータ)への教育なども必要ありませんでした。現場のエージェントは、移行をほとんど意識しないで済んだと思います」(西村氏)。

 AVAYA-PBXソフトウェアの機能をパブリッククラウドで提供する「Connect Cloud」は、オンプレミスPBXと違い、大きな初期投資が不要。かつ、エージェント1席当たりのコストも削減することができた。

 また、最大の課題であったクライアント企業のニーズへの対応スピードについても、期待を大きく上回る効果を手にしている。クライアント企業からの要望に応えるためのPBX設定のリードタイムが大幅に短縮され、「ずいぶん対応スピードが速くなった。クラウドに移行して良かった」という声が同社の社員から多く寄せられたという。

 さらに、「導入から4年以上、システム起因のトラブルが発生したことがなく、非常に優れた安定感があります。また、音声品質も良好で、不具合を意識することがないので、とても助かっています」と西村氏。

 加えて西村氏は、「NTTテクノクロスさんが用意してくれた『設定メニュー』のおかげで、期間・コスト感の目安が示され、クライアント企業へ迅速に費用提示ができるようになりました」というメリットも強調する。設定変更の可否を、現場と一緒に、納得感を持って判断することができるようになった。

 こうした目に見える効果・成果以外に、豊富なノウハウと確かな技術力に基づくNTTテクノクロス・チームのサポートについても高く評価している。

「選定時から同じ方々と継続的にコミュニケーションを重ね、何かあったらすぐに相談できる関係が構築できました。このことは、技術的な知識が少ない弊社にとってはとても心強く、大きなメリットです。また、常に新しい提案を持ち込んでいただけるので、我々も将来に向けてのアイディアが広がります」(西村氏)。

今後の展開

展望

システムベンダではなく、事業パートナーとしての役割に期待

 同社のコンタクトセンターを利用する通販会社は、健康食品や化粧品などのいわゆる〝リピート通販〟が主力。エンドユーザは、女性や高齢者の方の割合が高い。

 「これまでのエンドユーザの方々は、PCやスマホの操作が苦手で、電話やFAXなどでの購入申し込みが一般的でした。しかし時代が変わり、老若男女問わずに人々の生活にスマホやSNSが深く浸透した今では、こうした新しいコミュニケーション手段を採り入れることが必要不可欠。これからは〝オムニチャネルによる付加価値の高いコンタクトセンターサービス〟を目指していく必要があると思います」(西村氏)。

 クライアント企業のニーズに応えるためにサービスのレベルを向上させ、さらなる競争力強化を目指す 株式会社 博報堂コネクト。同社のビジネス拡大、事業拡大をより確かなものにするために、今後も、最先端のICTテクノロジーを活用したコンタクトセンターソリューションは欠かせない。



CTBASEが選ばれる理由

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 2005年12月8日
事業概要 博報堂DYグループの一員として、コンタクトセンター運営をメインに、コンタクトセンター構築、ダイレクトマーケティングビジネスの支援サービス、情報システム構築・運用、コンサルティングなど幅広い関連サービスをワンストップで提供。コンタクトセンターの「人間力」と、ダイレクトビジネスの経験に基づく様々な知見やシステムによる「技術力」を強みとする。
資本金 5,000万円
URL https://hakuhodo-connect.co.jp/