2023年11月08日

NTTテクノクロス株式会社

 NTTテクノクロス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡 敦子)は、コールセンターAIソリューション「ForeSight Voice Mining」(フォーサイト・ボイス・マイニング、以下「FSVM」)にNTT独自の大規模言語モデル「tsuzumi」を活用することで、コールセンター業務プロセスの品質向上と効率化を推進します。

概要


 FSVMは、音声認識機能と既存の生成AIを組み合わせ、通話内容の要約文の自動生成機能を提供しています(下図参照)。今回、「tsuzumi」を活用し、通話要約機能の更なる高度化を進めます。
 高度化の1つ目として、専門性への対応を推進します。「tsuzumi」は少ない追加学習量で、より専門性の高い言語モデルにチューニングできるため、保険や金融をはじめとする様々な業界や、企業の特定組織の特有の語彙や言い回しなど、専門性に対応した要約の自動生成ができます。これらにより通話記録の作成時間の短縮が可能となり、関連部署への情報共有といった業務プロセスの効率化も図れます。
 高度化の2つ目として、「tsuzumi」のパラメタサイズの軽量性を活かし、通話要約の言語モデルを企業のローカル環境で運用できるため、機微な情報を扱うコールセンターにおける情報セキュリティの確保を図ることも可能です。
現行の「ForeSight Voice Mining」の通話要約機能
(自動車保険に関する問い合わせのケース)

FSVM通話要約機能の特長

(1)目的や用途に応じた要約が可能

 要約文字数の指定や項目ごとの整理など複数の設定や選択ができるため、コールセンターへの様々な問い合わせに応じた通話記録の要約が可能です。

(2)顧客管理システム(CRM)と連携が可能

 生成された要約はCRMへ連携・反映することができ、履歴や経緯の確認が効率的に行えます。

(3)専門性の高い要約が可能

 さらに「tsuzumi」を活用し、業界や特定組織に特化したチューニングを行うことにより、特有の語彙や言い回しなどに対応した専門性の高い要約文を自動生成できるようになります。

今後の展開


 NTTテクノクロスは、「tsuzumi」を活用したFSVMによりコールセンター業務プロセスの更なる高度化を推進していきます。また、今後予定している「tsuzumi」のチューニング機能のさらなる充実やマルチモーダル機能を活用し、これまで以上の様々な業界への展開や新たな用途へ、FSVMを対応させていきます。

tsuzumi」とは


 「tsuzumi」は、NTTの研究所が独自に研究開発している大規模言語モデルで、日本語と英語に対応し、特に日本語の処理性能では世界トップレベルの性能を持っています。また、パラメタサイズが軽量なため特定業界や企業の特定組織に特化した柔軟なチューニングが可能です。

「ForeSight Voice Mining」(FSVM)とは


 FSVMは、NTTの研究所が独自に開発した音声認識技術や感情分析技術、日本語解析技術を活用したコールセンターAIソリューションです。通話内容をリアルタイムにテキスト化し、内容に応じたトークスクリプトやFAQの表示により、オペレーターの応対力向上を支援し、CX(顧客体験)向上を実現することで、企業の収益拡大に貢献します。
・導入実績 : 5万1千席(2023年10月末時点)
(https://www.ntt-tx.co.jp/products/foresight_vm/)別ウィンドウで開きます

用語解説・注釈


* 「tsuzumi」は日本電信電話株式会社の商標であり、商標登録出願中です。
* 「ForeSight Voice Mining」はNTTテクノクロス株式会社の登録商標です。
* 記載されている商品名・会社名などの固有名詞は一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。