データ通信量を抑えつつ高精細な360°パノラマ動画を実現
「パノラマ超エンジンSDK」バージョンアップ版の販売開始
2018年01月16日
NTTテクノクロス株式会社
NTTテクノクロス株式会社(以下、NTTテクノクロス 本社:東京都港区港南、代表取締役社長:串間和彦)は、360°パノラマ動画*1ストリーミング配信ソフトウェア開発キット「パノラマ超エンジンSDK Version 2.2」を2017年12月に販売開始しました。
パノラマ超エンジンは、データ通信量を抑えつつも高精細な360°パノラマ動画配信を実現するアプリケーションの開発者向けソフトウェア開発キットです。独自の配信技術により、スマートフォンであっても8K相当の高精細なVR*2映像視聴が可能になります。
背景
近年の動画配信ネットワークの広帯域化、360°パノラマ動画撮影および製作技術の高度化、そして360°パノラマ動画コンテンツの拡充に伴い、当該動画配信に対するニーズが非常に高まっています。一方、360°パノラマ動画は一般的な動画に比べて多くのデータ通信量を必要とするため、配信ネットワーク帯域が限られている環境では画質を落として配信しなければならず、高画質を求める視聴者を満足させることが難しいといった問題がありました。
この問題を解決するため、パノラマ超エンジンでは視聴者が今まさに見ている領域は高画質に、それ以外の非視聴領域は画質を落として配信することにより、配信ネットワーク帯域へ負荷をかけることなく高精細な360°パノラマ動画配信を実現します。
360°パノラマ動画の視聴者および配信事業者からの要望に応えるべく、本バージョンには2つの新機能を追加しました。
新機能
(1)3Dライブ配信対応
左目・右目それぞれに対応する映像を配信し、両眼視差*3を付けることで被写体を立体的に見せる3Dパノラマ動画のライブ配信に対応しました。従来の視差なし2Dパノラマ動画配信と比べて、視聴している世界に入り込んでいるかのような没入感の高いVR視聴体験を提供します。
(2)H.265/HEVCコーデック対応※
近年普及の進んでいる最新の動画像圧縮規格H.265/HEVCに対応しました。動画配信で標準的に使用されてきた従来規格H.264/AVCと比べて、360°パノラマ動画配信に必要となるネットワーク帯域を抑えつつ、より高画質なVR視聴体験を実現できます。
※パノラマ超エンジンは、H.265/HEVCエンコード/デコード処理機能を含みません。360°パノラマ動画再生にはハードウェアデコーダ搭載端末が必要となります。また動作環境としてAndroid 5.0またはiOS 11以降のOSバージョンが必要となります。
用語解説・注釈
*1:360°パノラマ動画
視線が固定されている一般的な動画と異なり、視聴者が上下左右など見たい方向を自由に視聴できる動画を意味する。
*2:VR
Virtual Realityの略。仮想現実とも呼ばれ、ユーザに対してあたかもその場にいるかのような感覚を人工的に創り出す技術とその体系を意味する。
*3:両眼視差
目が左右に位置することから生じる、奥行きの違いによる映像のズレを意味する。3Dパノラマ動画ではズレを持たせた2つの360°パノラマ動画を用いて視聴者に奥行きを感じさせる。
*「パノラマ超エンジン」はNTTテクノクロス株式会社の商標です。
* 記載されている商品名・会社名などの固有名詞は一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。
NTTテクノクロス株式会社概要
NTTテクノクロスは、NTT研究所の最先端技術を中核に、国内外の優れた商材を豊富な実績とノウハウで掛け合わせることで、お客様のビジネスシーンに最適なソリューションを創出します。時代に先駆けたソリューションにより、豊かな未来社会の実現に貢献し続けます。(https://www.ntt-tx.co.jp/)