2014年03月25日

NTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフトウェア 本社:東京都港区港南、代表取締役社長:山田伸一)は、クラウドストレージサービスに安全にデータを保存することで、企業のストレージコストの削減や利便性を向上する「TrustBind/Hybrid Storage(トラストバインド・ハイブリッドストレージ)」を2014年4月1日から販売します。なお、本製品ソリューションは、NTTセキュアプラットフォーム研究所(*1)の技術を応用しています。

背景

e-文書法(電子文書法)などの整備により、企業が保存する電子データの容量は増加の一途をたどっています。現在、企業内のデータは、主に社内ストレージ(社内ネットワーク上にあるデータ保存用サーバ)で保存していますが、増え続けるデータに対して、ディスク増設などコストがかかり続けることが課題となっています。そのため、新しい保存方法として、比較的低コストであるクラウドストレージの活用が検討されています。
しかし、情報漏えいのリスクや、特定の事業者に依存したデータ保全のリスクを避けるためには、保存するデータの暗号化、複数のクラウドストレージ事業者を組み合わせた利用、事業者ごとのファイルインターフェースに合わせたファイル管理の構築など、新たな仕組み作りが必要となり、積極的な利用が進んでいないのが実情です。

TrustBind/Hybrid Storageの特長

社内ストレージと変わらない使い勝手でクラウドストレージへのファイル保存を安全に行えるソリューションです。クラウドストレージ利用時の課題をトータルに解決することで低コストのクラウドストレージを容易に活用できるようになります。

(1)データを安全に保存、情報漏えいを防ぐ

データをクラウドストレージに安全に保存できます。単独では意味のない断片データに分割する「秘密分散技術(*2)」を採用しているため、第三者がストレージのデータを閲覧しても情報漏えいすることがありません。また、インターネットを利用したデータ転送時も、特別な暗号化を行う必要がなく、さらに、暗号鍵を用いない方式のため手間のかかる鍵の管理を行う必要もありません。「秘密分散技術」は、NTTセキュアプラットフォーム研究所の技術を応用しています。

(2)複数事業者のクラウドストレージサービス(*3)を組み合わせ可能

リスク分散の観点から、特定の事業者に依存せず、複数事業者のクラウドストレージを選択して分散保存できます。さらに、社内ストレージも分散保存先の一つとして利用できるため、利用企業は、任意の構成でファイルストレージシステムを構築できます。また、定期的なデータチェックを行っており、各ロケーションでのデータの改ざん・消失の疑いがあった際は、自動でデータ復旧することもできます。

(3)複数ロケーションへのデータ保存で広域災害にも対応

データ保存先を複数ロケーションに分散することで災害やデータ消失が起こっても、残りのロケーション(二箇所以上)のデータから元データを復元することができます。そのため、BCP対策の一つとしても有効です。

(4)クラウドストレージ固有のインターフェースを意識することなく利用可能

本ソリューションのゲートウェイであるHybrid Storage ゲートウェイが、データの秘匿や、複数事業者・複数ロケーションへのデータの分散保存など、指定した条件に沿ったデータの自動保存を可能にするだけでなく、利用者側には、クラウドストレージ固有のインターフェースを隠蔽し、LinuxやWindowsなどのファイルシステムとして取り扱えるようにします。社内の業務アプリケーションは、ファイルインターフェースを修正することなく、社内ストレージを利用するのと同様に、クラウドストレージへのファイル保存や操作が可能となります。これにより、クラウドストレージ利用の際にも専用ソフトウェアをパソコンにインストールする必要がありません。

利用イメージ図

データを3分割し、3クラウド事業者に分散保存した場合

3クラウド事業者に分散保存した場合

参考価格

一年間で10TBのデータを3分割し、3事業者に分散保存した場合
年間360万円(パッケージ費用、ハードウェア費用、クラウドストレージ費用)
*一括導入プランも選択可能です。

目標

今後三年間で5億円の売上げを見込んでいます。

TrustBind/Hybrid Storageについて

【製品ホームページ】
「TrustBind/Hybrid Storage」の製品詳細のご案内、資料請求はこちらを参照願います。

「TrustBind」シリーズについて

「TrustBind」は、企業が社内システムと同様にクラウドサービスを安全利用するための、セキュリティ・ソリューションシリーズです。「TrustBind/Hybrid Storage」のほか、以下の製品があります。


【用語解説】

*1:NTTセキュアプラットフォーム研究所
NTTセキュアプラットフォーム研究所では、安心・安全な社会実現に貢献するための暗号・セキュリティ技術に関する研究開発を行っています。

*2:秘密分散技術
データの機密性と可用性とを高めるために、データを単独では意味のない複数の断片ファイルに分割する技術。導入により、以下のようなメリットがあります。

  • いずれかの断片ファイルが盗まれたとしても、そこからだけでは意味のある情報は得られない
  • 一定数以上の断片ファイルが集まらない限り情報の漏えいが起きない
  • いずれかの断片ファイルが消失しても、一定数以上の断片ファイルがあればそれらを用いて元のデータを復元することができる

NTTセキュアプラットフォーム研究所では、危殆化対策が不要な情報理論型の秘密分散エンジン、分割後の合計データサイズを理論上の最小値にした計算量型の秘密分散エンジンの2つの秘密分散エンジンの研究開発を行い、秘密分散技術の課題であった分散処理速度を高速化しています。

*3:複数のクラウドストレージサービス
AmazonS3、Cloudnを標準サポートしています。今後、Microsoft Windows Azure、Google Driveも対応予定です。

NTTソフトウェア株式会社|会社概要

NTTソフトウェアは、高度なネットワークテクノロジーとシステム構築力を基盤にICT経営戦略コンサルティングからシステム構築、保守・運用に至るまでをトータルに提供するソリューションサービスプロバイダです。 ※「TrustBind」はNTTソフトウェア株式会社の登録商標です。

※その他の会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。