つだ歯科様

　つだ歯科（本院）は、総勢60人のスタッフを擁し、3階建てのビルと別棟を構える、地域でも指折りの大規模歯科医院だ。診療科目は一般歯科・小児歯科・矯正歯科と幅広く、近隣の施設・病院への訪問診療も手がける。

　同医院では1階と2階に診察台が24台あり、診察台ごとに患者の予約を割り振っている。ただ、実際の治療時間が常に予約枠通りに収まるわけではなく、枠をオーバーしたり、早まったりする場合もある。効率的に稼働するには、次の患者を早めに案内したり、別台に変更したりするなどの調整が必要で、受付と現場の緊密な連携が求められる。

　受付医療事務部門長の田中葉留香さんは、「待合室の『密』を避けるため、空いた診察台で待っていただくこともあります。当院は広いので、こうした差配にはインカムによる現場とのやり取りが欠かせません」と、コミュニケーションツールの必要性を語る。

　同医院では、以前に特定小電力トランシーバーを使用していたこともあったが、電波が届かなかったり、ノイズを拾いやすかったりするのが悩みだった。歯科衛生士で外来衛生士部門長の塩村晴香さんは、「近くの工事現場のトランシーバーと混線することもあり、会話がストレスでした」と、当時を振り返る。

（左）受付医療事務部門長　田中葉留香さん

（右）外来衛生士部門長（歯科衛生士）　塩村 晴香さん

　こうした状況を改善するため、同医院ではリプレイスのタイミングで新たな無線システムの導入を決断。数社の製品・サービスを試して最終的に選んだのが、NTTテクノクロスの「Wi-Fiインカムシステム」だった。

　選定メンバーの田中さんは、「もともと当院はWi-Fi環境が整っており、Wi-Fiエリアであれば院内のどこでも利用できた点が決め手です」と、リアルタイムに双方向で会話ができ、音質もクリアでストレスなくコミュニケーションを取れたことが、Wi-Fi インカムシステムを選んだ理由だと語る。

　利用できる端末の数も、選ぶ上で重要なポイントだった。Wi-Fiインカムシステムは最大120台のインカムを接続可能だ。同医院では稼働する最大人数に合わせて50台を導入した。

　「こだわったのは『スタッフ全員がインカムを着けられる』ということ。おかげで現場全体の状況把握がしやすくなりました」（田中さん）。

　スタッフ全員がインカムで結ばれたことで、現場の業務効率化にもつながった。

　塩村さんは、「歯科衛生士による歯科予防処置の後など、医師のチェックが必要なときにコールすればすぐに駆けつけてもらえるので、患者さんをお待たせしなくて済みます」と、そのメリットを語る。

　Wi-Fiインカムに対する現場の声としてはこのほかに、軽量・スリムで胸ポケットに入る携帯のしやすい点や、フル充電で10時間利用できる点などが好評だ。電子機器が苦手な人でもすぐに使える、シンプルな操作性も魅力だという。「現場スタッフは目の前の患者さんの施術に集中するため、マイク横のボタンを押すだけの簡単操作で通話できるのは助かります」（塩村さん）。

　もう一つ、Wi-Fiインカムシステム導入による重要な効果として塩村さんが強調するのが、新人スタッフの指導に生かせる点だ。「患者さんを不安にさせることなく、ベテランスタッフがインカムを通じて『こうした方がいい』とアドバイスできるのは便利ですね」（塩村さん）。新人スタッフがトラブルなどの対応に困った際にいつでもベテランスタッフの指示を仰ぐこともできる。「結果としてサービスの質の向上につながります」と、組織全体の底上げ効果を語る塩村さん。

　「現場のスタッフ全員がインカムを持つことにこだわったのも、チームとしてのパフォーマンスの向上が期待できるからです」と、田中さんも口を揃える。

　さらなる業容拡大を視野に入れる同医院は、Wi-Fiインカムの追加導入にも必要性を感じている。「地域医療に貢献する」という同医院の想いの実現をこれからもWi-Fiインカムシステムがサポートしていくことだろう。