概要

 株式会社タツノ(以下、タツノ)は、2018年12月に全社的な携帯電話の機種変更を行った。バッテリーの持続時間や使い方を考慮して、新しい機種はスマートフォンではなく、二つ折タイプのドコモ ケータイを採用。セキュリティ対策と電話帳管理の容易さから、NTTテクノクロス株式会社がクラウドサービスとして提供している電話帳マネジメントシステム「ProgOffice Enterprise」もあわせて導入した。使い慣れたドコモ ケータイの良さを活かしながら、将来に向けたICT活用の基盤として、「ProgOffice Enterprise」に熱い期待を寄せている。

  • 株式会社タツノ 様
  • (左から)
    IT推進室 岡嶋 裕希氏
    IT推進室 福元 昇氏
    IT推進室 野々山 芳久氏
    IT推進室 沼田 昌勝氏

課題

1911年の創業以来 自動車インフラの普及に貢献

タツノは1919年、日本で初めてガソリン計量機の製作に成功した企業だ。以来、ガソリン計量機の製造販売を中心にモータリゼーションと共に歩んできた。機器の製造販売だけでなく、ガソリンサービスステーション(以下、SS)の設計から建設までを行い、SSをはじめとする貯油、給油施設の設計、施工にも実績を積み重ね、自動車インフラの普及に大きく貢献している。

 ガソリン計量機は事業開始から常に国内シェア60%以上を保持し、海外においても、東南アジアを中心に75カ国以上に輸出してグローバルに展開している。

 もちろんガソリンだけでなく、すべての自動車燃料に取り組み、LPGやCNG、LNG、水素の充填をおこなうディスペンサーも開発。エネルギーインフラ創造企業として、革新的な製品を生み続けている。

解決へのアプローチ

携帯電話は現場と工場をつなぐ欠かせないツール

 タツノの業務では、携帯電話が重要なツールとなる。その理由について、IT推進室の沼田 昌勝氏は、製品を販売した後の保守業務の重要性をあげる。

 「私たちは日々、ガソリン計量機をはじめとしたインフラの保守を行っています。製品にトラブルがあれば、サポートスタッフがSSに急行して解決します」

 現場に到着したスタッフは、コールセンターや工場などの拠点と携帯電話で連絡をとりながらトラブルを解決する。そのため、従来からNTTドコモの「オフィスリンク」を利用して、外出先からも内線通話ができるようにしていた。しかし、拠点が数十カ所あり、異なる拠点で内線通話を行うにはプレフィックス番号をつけて通話しなければならない。所属する拠点ごとにプレフィックス番号が異なるため、スタッフはついつい外線発信してしてしまうことも多かったという。

ドコモ ケータイでもショートカットキーで使いやすい「ProgOffice Enterprise」のインターフェイス
「ProgOffice Enterprise」のインターフェイス

ソリューションとその成果

「ProgOffice Enterprise」で自動的に内線通話に

 携帯電話に内蔵された電話帳には、外出先から拠点に内線通話する際のプレフィックス番号をつけて電話番号を保存するように指導していたが、実際には行われていないことも多かったと福元 昇氏は明かす。

 「電話帳の管理を個人で行うと、どうしても対応にばらつきが出てしまいます。たとえば、人事異動があると、イントラネットのポータルサイトからCSV形式で新しい電話番号のデータを携帯電話にインポートするようにお願いしました。それでも、古くなった電話帳のまま使い続ける社員もたくさんいたのです」

 電話帳の一括管理の必要性を感じたタツノでは、クラウドサービスである「ProgOffice Enterprise」に注目した。これなら、IT推進室で社内電話帳を一括管理できるうえ、社員による対応のばらつきもなく常に最新の電話帳を使うことができる。「ProgOffice Enterprise」の導入がスムーズだったことも印象的だったと福元氏は振り返る。

 「今まで管理していた電話帳のデータを『ProgOffice Enterprise』のフォーマットに変換して、簡単に移植することができました。データの作り方も、NTTテクノクロスの担当者が丁寧に教えてくれました」

 「ProgOffice Enterprise」を導入することで、外線番号をプレフィックス番号のついた内線番号に自動変換して、内線通話ができるようになった。これまでのように間違って外線通話で拠点にかけることもなくなった。

今後の展開

ショートカットキーでドコモ ケータイでも使いやすい

 実際に使い始めて、岡嶋 裕希氏はドコモ ケータイでも使いやすいインターフェイスが気に入った。

 「比較的小さな画面でも、1~5番のショートカットキーですばやく画面が切り替わります。たとえば部署を選択するときは1番を押すとか、ドコモ ケータイでも違和感なく使えました」

 あまりに簡単に使えるため、タツノでは「ProgOffice Enterprise」の導入にあたって、研修会は開かなかった。マニュアルをイントラのポータルサイトにあげて、それを読むだけで社員は使えるようになったという。

 クラウドサービスである「ProgOffice Enterprise」を電話帳に採用したことで、ドコモ ケータイに内蔵されている電話帳は使えないようにした。その理由について、クラウドサービスのメリットを全社員に説明することで理解を図っている。 

 「ProgOffice Enterprise」には、社内電話帳のほか、社外(共有)電話帳と社外(個人)電話帳がある。このうち、社外(共有)電話帳は、拠点をグループで分けて、それぞれが管理するようにしている。

 野々山 芳久氏は、社外(共有)電話帳は、CRMに役立つと指摘する。

 「たとえば支店とか、グループの中で共有できる電話帳になっています。うまく使えば、お客様へのサービス向上につながります。お客様に対して複数の営業担当者が二重、三重の体制でサポートできるようになるからです」

 タツノでは、パソコンやスマートフォンからSSの状況をひと眼でチェックできるシステムをお客様に提供している。日常の機器管理だけでなく、災害などの有事の際に施設状況が把握でき、適格な判断が可能になる。

 将来的に「ProgOffice Enterprise」の社外(共有)電話帳とそのシステムが連携できれば、複数の営業担当者がお客様の状況を瞬時に共有することもできる。

将来にむけたICT活用のプラットフォームとして期待

 現在はドコモ ケータイを使用しているタツノだが、スマートフォンの活用も視野に入れている。その際は「ProgOffice Enterprise」のスケジュールやプレゼンス機能も活用したいと福元氏は期待する。

 「今回、導入したことで社員はゼロから覚えるのではなく、新しく使える機能を追加して覚えるだけでいい。今後、ICTを有効活用するうえで、しっかりとした基盤になってくれると思います」

 お客様と営業担当者、サポートスタッフをつなぐツールとして、ドコモ ケータイを戦略的に使いこなしているタツノ。お客様の信頼に応えるために、「ProgOffice Enterprise」をどのように活用していくのか、これからも目が離せない。

お客様プロフィール

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1911年5月1日
事業概要 1919年、日本で初めてガソリン計量機の製作に成功。
現在は、ガソリン計量機の製造販売を中心に、環境保全を追求した最新のガソリンサービスステーション設備から、配送関連機器、石油プラント機器、さらに土壌汚染の調査・分析まで、危険物のトータルプランナーとして、時代のニーズに対応するエネルギーインフラを創造する。
従業員数 1,198名
URL https://tatsuno-corporation.com/

※2018年6月1日現在

※ ページに記載した会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。