概要

 NTTは20204月、グループ各社にタレントマネジメントサービスを一斉導入した。手がけたのはNTT ExCパートナー。一斉導入を行うことで、グループ全体の人材の高度化を推進する狙いがあった。一方で、かねてよりグループ各社から、同サービスの利便性や操作性の面でUI(ユーザーインターフェース)改善の要望があった。そこで導入したのがNTTテクノクロスの業務システム改善ツール「BizFront/SmartUI」だ。今回、NTT ExCパートナーの澤井孝文氏、斎藤浩樹氏、樋口実沙氏に「BizFront/SmartUI」導入の経緯と成果について聞いた。

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課題

【課題】一斉導入したタレントマネジメントサービス。UIを改善し、十分に活用できる環境を整えたい

 「NTTグループがタレントマネジメントサービスを一斉導入したのは、グループ横断で人材情報を活用することにより『多面的な情報分析に基づいた人材の発掘』や『スピーディーな人材育成による市場変化に対応』するためです」。こう話すのは、HRソリューション事業部の澤井孝文氏

 NTTグループでは20234月より一般社員の人事制度を見直したことを受け、NTT ExCパートナーが提供する同サービスの重要性が、導入当初よりも高まっていたという。「社員一人ひとりの専門性向上や自律的なキャリア形成の実現がいっそう求められるようになり、社員が自らタレントマネジメントサービスで管理される専門分野などの情報を十分に活用できる環境を整えたいと考えました」

 NTT ExCパートナーがタレントマネジメントサービスを提供するために使うシステムは、数多くのグローバル企業が人事基幹システムに選ぶSAP社の人事クラウド「SAP® SuccessFactors®」をベースにしている。ただ市販製品であるため、システムに業務を合わせる場面が生じるなど、利便性操作性の面で課題があった。

 HRソリューション事業部の斎藤浩樹氏は、「1,000ページ超のマニュアルを読み込む必要があり、導入当初よりさまざまなUI改善要望がありました」と話す。「改善方法として、システム自体を改修する方法もありますが、市販製品としての限界がありますし、コストも跳ね上がり、時間も要します。そこでNTTテクノクロスからスピーディーな導入と柔軟な運用が可能な業務システム改善ツールの提案を受け、2023年度より「BizFront/SmartUI」を導入する運びとなりました」

HRソリューション事業部 業務・システムコンサルティング部門 タレントマネジメントサービス担当 担当課長 澤井孝文氏

解決へのアプローチ

【導入】UI改善機能を柔軟に実現でき、ROIが高い「BizFront/SmartUI」を採用

 BizFront/SmartUI」は、基幹システムを改修することなく、UIを改善・拡張することで、ユーザーの操作を適切にナビゲートする。「かゆいところに手が届く」がゆえに、システムが本来的に備えている機能を100%発揮し、パフォーマンスの最大化に貢献。具体的には、ガイド表示や入力補助・入力チェックなど、ユーザーの利用を補助する多彩な機能を、元からシステムにあった機能のように追加できる。

 こうしたデジタルアダプションツールには、複数の製品があるが、NTT ExCパートナーが「BizFront/SmartUI」を採用したのはなぜか。斎藤氏は、ROI(投資対効果)の高さを主な理由に挙げる。「比較検討したところ、他の製品と機能面はおおむね同等でありながら、コスト面で優れていました。しかも機能がプリセットではなく、後から自由に追加でき、実施したかったUI改善機能を柔軟に実現できるのも魅力でした」

 澤井氏は、NTTテクノクロスの“伴走体制”についても高く評価する。NTTテクノクロスは「カスタマーサクセス」を実現する体制を整えNTT ExCパートナーと一体となって、ツールの機能開発や課題解決に取り組んだ。NTTグループ各社から寄せられるさまざまなUI改善の要望に対して、常に『より良いサービスを提供するためにどうすればいいのか』と、ユーザー目線を持ってくれていました。当社の開発メンバーと共に知恵を絞り、リリースまでサポートし続けてくれ、運用中もこまやかなフォローをしてくれたのは心強い限りでした」

HRソリューション事業部 業務・システムコンサルティング部門 タレントマネジメントサービス担当 主査 斎藤浩樹氏

ソリューションとその成果

【成果】社員アンケートが示すUX向上。パフォーマンスの最大化へ

 2023年4月、「BizFront/SmartUI」で機能をブラッシュアップした新たなタレントマネジメントサービスがリリースされた。ユーザーの入力負荷を減らし、より適切な内容を記入できるように、各種機能への「ショートカットメニュー」、入力内容例やポイントを示す「ガイド」、入力箇所へ自動で誘導する「ナビゲーション」などの機能が加わった。

 評価も上々だ。HRソリューション事業部の樋口実沙氏は、「先日の人事イベント(中間ミーティング)の際にアンケートを実施したところ、約7割のユーザーがUI改善効果を認めていたのです。『画面遷移や入力補助などにより、操作で迷わなくなった』というポジティブな声が多数届き、社員が業務に集中できる環境を整備できつつあることを実感しました」と話す。


HRソリューション事業部 業務・システムコンサルティング部門 タレントマネジメントサービス担当 樋口実沙氏

今後の展開

【今後の展開】経営効果も期待。さらなる利用促進と機能拡充へ

 今後は経営効果も期待できそうだ。斎藤氏は、「これまで人事イベントの時期には、グループ各社の人事担当が社員からの問い合わせに多くの時間と労力を割く必要がありましたが、こうした対応は減ることでしょう」と話す。

 澤井氏も新たなタレントマネジメントサービスがNTTグループの人事DX推進の一助となることにも期待を寄せる。「年間の人事イベントを通じた各社からの要望踏まえた改善をタイムリーに実施することで、時を重ねるごとに社員人事育成担当が利用しやすいサービスに進化していきます。そうしたUI改善・UX向上により、結果的にタレントマネジメントサービスに集約される人材データが精緻化されれば、データドリブンの人材活用につながると期待しています」

 NTTグループの人事制度は、時代の要請に応じてこれからも進化する。それに合わせて、機能柔軟カスタマイズできるBizFront/SmartUI」も、その本領を発揮し続けるだろう。樋口氏は今後の展開について次のように話す。「BizFront/SmartUIを存分に用いることで、利用各社からの要望に応え、継続的な機能拡充を進めていく予定です。また、タレントマネジメントサービス利用する各社への『BizFront/SmartUI』の導入も促進していきます」。

 最後に澤井氏は、未来を見据えて言葉に力を込める。「当社のタレントマネジメントサービスの機能拡充にゴールはありません。これからもさまざまな意見や改善要望にお応えし、NTTテクノクロスと二人三脚で、より良いサービスへと育ててまいります」

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
事業概要 株式会社NTT ExCパートナーは、経理・財務、人事・給与、福利厚生分野におけるアウトソーシングを含めたBPRコンサルティングサービスを提供。人事・給与・厚生分野の制度設計・システム構築・運用を強みとするNTTビジネスアソシエと、教育研修・教育ICTに関する多様なサービスを提供するNTTラーニングシステムズが、2023年7月1日に経営統合して発足。
URL https://www.nttexc.co.jp/(NTT ExCパートナーのウェブサイト)

※2023年11月現在

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