株式会社NTTフィールドテクノ 様
"動くマニュアル"で新システムのUI改善・UX向上。早期習熟を達成し、社内DX基盤の形成にも貢献。

概要
NTTグループは2023年4月、グループ個社ごとに最適化されてきた業務システムを刷新し、グループ共通の業務ITシステムを一斉導入した。導入にあたり、NTTフィールドテクノは2022年6月から、プロジェクトチームを立ち上げて準備を進め、「新システムを社員が早期に習熟するためには、システムのUI改善・UX向上が必要」と判断。そこで導入したのがNTTテクノクロスの業 務システム改善ツール「BizFront/SmartUI」だ。今回、NTTフィールドテクノの森本倫代氏に、「BizFront/SmartUI」導入の経緯と成果について聞いた。
課題
【課題】グループ全体で刷新される業務システム。社員全員ができるだけ早く習熟できるよう、UI改善・UX向上を実現したい
NTTフィールドテクノは、NTT西日本グループの企業として、西日本を中心に約200のサービス拠点を設け、通信ネットワーク環境の構築から開通・運用サポート・修理まで、暮らしの快適・安心を地域密着で支えている。2022年6月、同社内にさまざまな部署から社員が集まり、「グループ共通IT導入推進プロジェクトチーム」が発足した。
NTTグループは、2018年よりバックオフィス業務のDX改革「グループ共通IT導入」を開始。グループ各社がそれぞれの業務に合わせて独自にカスタマイズしてきた業務システムのあり方を見直し、2023年4月からグループ共通の業務システムを一斉導入することを決めたのだ。もちろんNTTフィールドテクノも例外ではなく、プロジェクトチームは新システムへのスムーズな移行を実現することを目的に立ち上げられた。当時のメンバーだった森本倫代氏が、「BizFront/SmartUI」導入の狙いについて次のように語る。
「グループ共通ITの対象となったシステムは、財務・調達・請求・決裁という4つの業務領域でのシステムでした。スムーズな移行を実現するため、まずは対象となるシステムそれぞれの運用チーム内から、導入推進のキーとなる社員約2500名を選抜し、その社員から新システムの習熟環境に取り組んでもらうこととしました。併せて、システム移行後の利用者の操作定着のアシストについても何らかのツールで実現したいと考えました。検討の結果、新システムの早期習熟のためには、システムのUI改善・UX向上を行うことが効果的と判断し、そのためのツールを導入することが決定しました。また、習熟にはマニュアルの存在が必要不可欠ですが、この際に、紙のマニュアルを必要としないマニュアルの電子化の推進を目指したいという意図もありました」

サービスエンジニアリング部 サービスエンジニアリング戦略部門 DXリデザイン室 森本倫代 氏
解決へのアプローチ
【導入】操作性・DX展開への将来性の2つの面で 優位性の高い「BizFront/SmartUI」を導入
課題解決のための製品が数多ある中で、なぜNTTフィールドテクノは「BizFront/SmartUI」を選んだのか。森本氏は「過去の導入実績において習熟に大きな効果があったこと」を挙げる。「社内の別システムの更改に際し、『BizFront/SmartUI』の前身となるUI拡張ツールが導入され習熟効果が高かった、と上長から聞きました。今回、グループ共通ITの導入ということで、当社の親会社である日本電信電話株式会社のIT室にも、他社製品との性能比較に関する知見をいただきながら検討を重ね、実際に製品のトライアルも行った結果、『BizFront/SmartUI』を採用しました」
森本氏は「BizFront/SmartUI」の主な優位性を2つ挙げる。
1点目は「操作性」だ。
「“動くマニュアル”を体現する操作性は一番の魅力でした。今回のプロジェクトが、マニュアルを入れてシステムの早期習熟を促したい、という目的で発足したものだったため、システムに直接マニュアルを書き込むことができる操作性は、大きな魅力でした。また、『BizFront/SmartUI』はノーコードの編集ツールでシナリオ作成ができます。プログラミング知識のない人でも簡単に注意喚起機能やガイドといった新たなUIを追加できるという、作成の操作性も優位性の一つでした」
プログラミングの知識を問わず、実際に製品を使う担当者が現場の声を吸い上げてシナリオを作成し、システムを拡張できる操作性が評価された。
2点目は「DX展開への将来性」だ。
「システムに新たに機能を追加したい場合、システム自体を改修するとなると多くのコストがかかります。ですが『BizFront/SmartUI』であれば、システム改修なしで画面上にさまざまな機能を付け加えられます。また、多くの類似製品は1システムごとのライセンス契約ですが、『BizFront/SmartUI』は“1端末”ごとのライセンス契約です。これは将来的に、『BizFront/SmartUI』を社内の別システムにも導入し、DX展開していけるという点で可能性を感じました」
ソリューションとその成果
【成果】短期間でのシステム習熟を達成。シナリオ作成の しやすさが利用者の操作定着のアシストにおいても効果を発揮
実際に「BizFront/SmartUI」が導入された業務システムは3つだ。
SaaS型調達・購買システムである「SAP AribaⓇ」とERPシステム「SAP S/4HANAⓇ」の2つに重点的に導入され、決裁などで利用しているクラウド型ITサービスマネジメント「ServiceNowⓇ」にも一部機能が導入された。 具体的な機能としては、
①操作ガイド(選択/入力を間違えないようにガイドやナビゲーションを行う)
②アノテーション(注意書きや注釈項目を表示)
③「Q&A」など参考サイトへのショートカット
などが新システムに実装された。
また、移行直後のトラブル事例や操作に関する留意事項をポップアップ表示することにより誤操作の防止も促した。こうして“動くマニュアル”としての操作性が発揮されたことで、約2500名のシステム習熟は無事に完遂し、マニュアルの電子化も促進された。そして機能をブラッシュアップしながら2023年4月に正式バージョンが商用環境にローンチ。
森本氏は次のように語る。
「緊急のお知らせも、システム外のメール通知などではなく、システム画面上に直接書き込むことができるため、確実に利用者に伝えられるようになりました。また現在は、システム定着へのフェーズに移行しているため、システム主幹ではなく、現場の運用担当者が現場に本当に必要なUIを考えて、システムに直接シナリオを追加できることの優位性をかなり実感しています。作業が難しいところは、NTTテクノクロス様の丁寧なバックアップもあり、業務に寄り添った課題解決を目指せました」

今後の展開
【展望】アイデア次第で可能性あふれる 「拡張機能」を活用して、さらなるDX展開へ
今回の「BizFront/SmartUI」導入に対する経営サイドの評価も高い。
プロジェクトチームによる「BizFront/SmartUI」導入の本取り組みは社内で表彰され、西日本グループ全体の導入へと拡大されることになった。また作成したシナリオが、ベストプラクティスとして「グループ共通IT導入推進プロジェクト」に関わるNTTグループの複数社に共有され、各社での業務改善に役立っている。
最後に、NTTフィールドテクノとしての今後の展望を、森本氏は次のように語る。
「『グループ共通ITシステム』だけにかかわらず、別システム・ツールへ導入を横展開していけると考えています。利用者自身がシナリオを作成できるため、利用者目線で使いやすいシステムにどんどん現場最適化していけるという大きな利点があるため、『BizFront/SmartUI』を使うことのできる社員をさらに増やして効果を上げていきたいですね。そのために勉強会を積極的に実施したい。ハンズオン勉強会についてはNTTテクノクロスのサポートのもと、2年間で数回実施し、延べ160名程度が参加しました。また、『BizFront/SmartUI』はアイデア次第で多様に機能を拡張できるところにも、大きな可能性を見出しています。システムの画面項目をボタン一つで抽出し、他システムに貼り付けられる機能は、画面キャプチャを多く用いたマニュアルを必要とするような業務システムに活用できると考えます。また、バッチファイルやExcelファイルを起動し、得た引数を取り込んで画面に反映させられる機能は、スクリプト起動等の外部アプリケーションにも連携できそうです。このようにアイデア次第でさまざまにDX展開できると考えています。すでに当社では利用ログの記録にも使っていますが、こうした拡張機能を用いた外部アプリケーション連携も積極的に活用し、さらなるDX展開につなげたいです」
「BizFront/SmartUI」の可能性を感じていただけているようだ。更なる活用にこれからも目が離せない。
お客様プロフィール

事業概要 | 事業概要:株式会社NTTフィールドテクノは、NTT西日本グループ企業として、通信設備の設計・構築・保守や、オンサイトによるオフィス・家庭内におけるICT環境の構築・開通・点検・メンテナンスを実施。災害時などは、速やかに故障設備の復旧作業を実施し、通信インフラを支えている。 URL:https://www.ntt-ft.jp/ |
---|
※2025年4月現在
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。