概要

企業間の様々なコミュニケーションサービスを企画・開発し、提供し続けている株式会社ネクスウェイ(以下、ネクスウェイ)。1988年に開始したFAX同報サービス「FNX」は、約8000法人への導入実績を誇っている。そして2011年10月、マルチメディアを活用し、効率的なコミュニケーションを実現する新たなクラウドサービス「NEXLINK(ネクスリンク)」の提供を開始した。そんなネクスウェイが、膨大な顧客データの分析を主な目的に、2011年7月に導入したのがNTTソフトウェアのクラウド型BI(Business Intelligence)ソリューション InfoCabina Cloud BIだ。

課題

膨大な顧客データを分析し、新商品の展開に活かす目的でBI導入の検討を開始

株式会社ネクスウェイ 保科 邦夫 氏 ネクスウェイの「NEXLINK」は、企業と顧客間の効率的なコミュニケーションを支援するサービスだ。膨大な顧客データをネクスウェイが一元管理し、顧客の属性やニーズに合わせ、メール、FAX、DM、Webサイトといったマルチメディアを使い分け、情報を発信することで、高い反応率を実現している。そんな同社が、BIを導入した理由や目的について、ネクスウェイのコミュニケーションデザイン事業部 事業推進グループの保科氏はこう語っている。


「BIで個人別売上や月次PLの集計といった営業支援業務を効率化することも目標の1つでした。しかし、最大の目標は顧客データの活用です。各種サービスを通じ、蓄積される顧客データを様々な角度で分析。サービス内容の更なる改善や取引先企業への新たな提案に活かすことをBIで実現しようと考えました。」

解決へのアプローチ

スピーディに導入でき、運用も容易なクラウドサービス型のBIが必須条件

同社は、今回のBI導入の約4年前にも同様の検討を行った経緯があった。いくつかのBI製品を操作性やダッシュボード、コストなどの観点で比較検討。この時の導入は見送られたが、保科氏が「これは使える」と感じた製品が、InfoCabina Cloud BIが搭載する多次元高速集計検索エンジンだったという。その後、サポートセンターへの「Selesforce CRM」の導入や「NEXLI NK」のサービスの開始に伴い、データ分析の必要性が高まった同社は、2011年、再びBI導入の検討を開始した。


この時点で保科氏は導入する製品の条件を1つ決めていたという。それは、クラウドサービスのBI であることだ。


「クラウドサービスのSelesforce CRMを利用していたこともあり、クラウドは即導入でき、運用が非常に楽であることを実感していました。」
と話す保科氏。クラウドサービスのInfoCabina Cloud BIは、非常に安価な初期導入コストと月額料金ですぐに利用を開始でき、手間がかかる運用もNTTソフトウェアが実施してくれる。


また、保科氏はこうも語ってくれた。
「BIはROIが見えにくいので、何らかの理由でサービスの利用をやめることになっても、初期投資が少ないので、いつでもやめられるといった思いも、少しはありました。」

自社に最適なBIと効果的な活用方法を一緒に作り上げてくれる姿勢を高く評価


最終的な候補は2つに絞り込まれた。しかし、1つはシステム構築コストが高額で、構築や運用において制約がいくつもあったという。その一方、InfoCabina Cloud BIに保科氏は多くの魅力を感じていた。

「まず、導入と月額コストをかなり抑えられること。以前の検討の際、私が“使える”と感じた機能をクラウドで利用できるという点が魅力でした。そして何よりも、自社に最適なBIの利用体制や効果的な活用方法を、私たちと一緒に作り上げていこうとする姿勢と熱意をNTTソフトウェアのスタッフ陣に感じたことが、InfoCabina Cloud BIを選択した最大の理由でした。」(保科氏)

「InfoCabina Cloud BI」を選んだポイント

ソリューションとその成果

2011年3月、同社の保科氏、直野氏、渡部氏をはじめとするプロジェクトメンバーとNTTソフトウェアの担当者によるInfoCabina Cloud BI評価プロジェクトがスタートした。まず、NTTソフトウェアの担当者が同社の業務内容やデータの詳細をヒアリング。そして、プロジェクトメンバーたちが見たい分析データや、可視化できれば新製品の提案に活かせるデータなどについて、繰り返しディスカッションを行った。ここで、NTTソフトウェアが重視したことが、“分析の軸は何?どのデータが必要?”といった細かなことから手を付けるのではなく、とにかくBIに触り、操作してみようということだった。

株式会社ネクスウェイ 直野 敦司氏 「一般的に、BIを使い始めるとデータの選定などの準備に捉われがちで、肝心の分析になかなか取りかかれないことが多いそうです。当初、私たちも“何を見たいのか。どんな分析データが欲しいのか”といったことが曖昧で、本当に使いこなせるのか、という思いも少しありました。でも、NTTソフトウェアの方がそれらを明確な形にしていってくれたことで、抵抗感や先入観を持たず、使い始めることができました。」と直野氏


評価プロジェクトでは、NTTソフトウェアが評価機を用意し、実践に即したトレーニングも行った。たとえば、プロジェクトメンバーそれぞれが見たいと思う情報のテーマを出し合い、実際のレポート作成にメンバーが取り組んだ。


「ちょうど、ゴールデンウィークの頃で、休み明けに各自10テーマを提出という“宿題”に取り組みました。自分のテーマ『見たい情報』をレポート化するため、データの収集から、分析・レポート作成といった作業を、NTTソフトウェアの担当者の指導のもとに行いました。」

「システム構成の概要」

今後の展開

次ステップに向け、更なる活用と業務への定着までのサポートをNTTソフトウェアに期待

評価プロジェクトを終え、2011年6月後半、InfoCabina Cloud BIの導入が稟議に挙げられた。その場で保科氏が強くアピールしたのは、顧客データを深堀し、新商品の展開が強力に支援できること。営業支援に関わる各種レポート業務の効率化が図れることであった。


稟議の結果、InfoCabina Cloud BIの導入が即日に決定。7月の初旬には利用が開始された。「この速さは、私が思っていたクラウドサービスだからこそのメリットでしたね。」(保科氏)

まず着手したのは、既存の業務プロセスへのInfoCabina Cloud BIの組み込みだ。導入以前は、Accessから必要なデータを抽出し、Excelで加工し、売上状況などのレポートを作成しており、1つのレポート完成に2時間もかかっていたという。

株式会社ネクスウェイ 渡部 友紀氏 「そんなレポートも、InfoCabina Cloud BIなら5分で作成完了。また、営業からレポート内容の変更要請があっても、短時間で対応できるようになりました。」(直野氏)

「定型レポート類の作成の手間と時間が大幅に軽減され、データの分析に専念できる環境が整いました。今後は、提案資料の充実や需要予測といった営業支援に使えるツール類の作成を進めていきます。」(渡部氏)


2011年7月のサービスの利用開始から1年たった今、第1ステップだった営業企画の業務効率化は計画通りに進行している。次に目指すべき第2ステップについて、保科氏はこう語っている。


「現在、InfoCabina Cloud BIで分析したデータを経営支援に活用することを目指しています。営業戦略の立案や需要予測、経営の適切な判断に役立つ情報や新たな商品展開に結びつく情報の提供など。やるべきことも、BIを活用できる領域も、まだまだ多く残されています。」
(保科氏)


同社では、今後の商品展開、そして業務内容や市場の変化に即応したBIの活用に向け、NTTソフトウェアの豊富なノウハウに基づく業務プロセスへの定着までのサポートを期待しており、「NTTソフトウェアとの協力関係を維持し続けたい」と保科氏は語っている。

株式会社ネクスウェイ (右)保科邦夫 氏、(中)渡部友紀 氏、(左)直野敦司 氏「BIを効果的に活用するためのポイント」

お客様プロフィール

Nexway会社ロゴ 株式会社ネクスウェイ 様

●●株式会社様 お客様プロフィール
設立 2004年10月1日 ※株式会社リクルートより分社独立
事業概要 コミュニケーションクラウドサービス『NEXLINK』の提供 (情報通信提供サービス事業)
主な商品・サービス NEXLINK、FNX一斉同報サービス、FNX販促Navigator、FNX e-帳票FAX サービス、店舗 matic、e-オンデマンド便サービス、販促Navigator for Salesforce、販促Navigator for Seminar
資本金 3億円
従業員数 218人(2012年8月31日現在)
URL http://www.nexway.co.jp/

※2012年8月現在