日本航空株式会社 様
JALグループ全社員の力を一つに。4,000ユーザの利用でも、『3秒ルール』で電話帳を素早く表示!
概要
「時間と場所に縛られないワークスタイル」。日本航空株式会社(以下、JAL)は間接部門の社員の働く場所の制約をなくすために、間接部門の固定電話を原則的に廃止し、内線の利用が可能なiPhoneの導入を進めた。
さらに、グループ内の4万5千件の電話帳データを管理するためにNTTテクノクロス株式会社が提供する「ProgOfficeEnterprise」(以下、ProgOffice)を株式会社NTTドコモの「ビジネスプラス」から導入した。ProgOfficeを導入することで、内線電話の検索などもでき、よりグループ内のコミュニケーションを活性化。「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」になることを目指す。
課題
「ダイバーシティの推進」は、経営目標達成の施策の一つ
JALは「挑戦、そして成長へ」をテーマとした新中期経営計画を2017年にスタートした。その施策の一つがダイバーシティの推進だ。グループの多様な人財が一人ひとりの個性や能力を存分に発揮し約3万2千人の総力を結集して、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」でありつづけることを目標にする。
「JALグループで働く社員の約半数が女性です。会社が成長を続けていくためには女性社員が長く働き続けられるように育児と仕事を両立できる環境を整備する必要があるというところから女性活躍を推進し、その土台としてワークスタイル変革が始まりました」と神谷 昌克氏は説明する。
解決へのアプローチ
テレワークの実現へ
JALは2015年にワークスタイル変革推進グループを新設し、グループの全社員がこれまで以上にやりがいをもって働き、活躍できるよう、社員の意識改革とインフラ整備を加速することを決定。神谷氏は、そのために5つの施策が必要だったという。
「社員一人一人の意識改革とともに、①ペーパーレス化、②フリーアドレスの導入、③勤務管理、④ITインフラ(ノートPC/iPhone/VDI(仮想デスクトップ環境))、⑤制度(フレックスタイム制/テレワーク)の5つの施策に取り組みました。これらの施策を行い、我々が目指す『時間と場所にとらわれない働き方』を実現しようと考えたのです。2014年に「在宅勤務制度」を導入しましたがITインフラを整備したことで2017年から勤務場所が自宅にとらわれない「テレワーク規程」に改定を行いました。そのために必要なコストは、生産性を向上させることで取り戻せると計算していました」
NTTドコモの内線電話ソリューション「オフィスリンク」を利用しているため、iPhoneを携帯していれば、日本全国どこにいても内線通話ができる。オフィス内でも、外出先でも、タイムリーなコミュニケーションで業務の効率化が可能だ。しかし、それを実現するには、検索性、応答性が優れた「電話帳管理システム」が必要だった。グループ全体で管理する内線番号は約4万5千件。固定電話からiPhoneに切り替える間接部門の社員は約4千人もいる。
「他のベンダーの製品も比較しましたが、ProgOfficeを採用したのは、当社のイントラネットで利用しているMicrosoftのActive Directoryと連携できたからです」と語るのは、城戸 克也氏だ。約4千人の間接部門の社員に対して、別の認証システムを導入することなど考えられなかった。
ソリューションとその成果
フリーワード検索で担当者にビンゴ!
ProgOfficeの社内電話帳には、フリーワード検索の機能がある。ここに、ProgOfficeの使い方の妙味があると神谷氏は強調する。
「例えば社員がワークスタイル変革について問い合わせをしたい場合『ワークスタイル』とキーワードを入れて検索すれば私たちの部署のメンバーが検索できダイレクトに電話をかけることができるのです」
ProgOfficeの社内電話帳には、社員が担当している業務内容も記録されている。フリーワード検索で表示された社員の業務内容を確認して、直接コンタクトを試みる。外れることもあるが、大抵は「ビンゴ!」だ。従来の部署単位の電話で担当者に取り次いでもらうのとはダイレクト感が全く違う。たとえ相手がテレワーク中でも、そのことを意識することなく、知りたい情報がすぐ得られる。また、電話の取り次ぎ自体がなくなることにもメリットがあった。
今後の展開
越えなければならなかった「3秒の壁」
約4万5千件の社員情報が記録された社内電話帳をフリーワード検索できるメリットは計り知れない。しかし、業務に取り入れるにはハードルがあったと神谷氏は話す。
「JALには1960年代から『3秒ルール』と呼ばれる概念があるのです。これは当時、電話で座席のお問い合わせをいただいた際に、お待たせするのは3秒が限界だと考えたことが元になっています。それで、地球の裏側のブラジルの支店から日本のホストコンピュータにアクセスしても、3秒以内に応答できるようにしました」と語る。
約4千人のユーザーが使用するクラウド型の電話帳管理システムであるProgOfficeでも、この3秒ルールが求められた。iPhoneからクラウド上にある約4万5千件以上の電話番号を検索して目的の情報が表示されるまで3秒以内。
神谷氏は「それ以上かかると誰も使わないだろうし、導入のタイミングで実現しないと『使えない電話帳』としてイメージが定着し導入する意味がなくなる」と危惧した。
しかし、NTTテクノクロスでは、約2.5ヵ月という短い期間内にシステムの調整を重ねて、画面表示を要求どおり3秒以内とした。
誰もが進んで使いたくなるツールでないと導入の意味がない
IT運営企画部としてProgOfficeの評価を行った城戸氏には「業務ツールは、リテラシーを問わず、誰もが進んで使いたくなるものでないと導入する意味がない」という信念がある。その点、ProgOfficeはほとんど社員教育が必要ないほど直感的に操作できるため、導入時もスムーズだったという。
ワークスタイル変革で、JALは時間と場所にとらわれない働き方を広げつつある。そのような環境で、多様な人財とダイレクトにコンタクトがとれるProgOfficeは必要不可欠だ。将来はチャットなどの機能も持たせていきたいと語る神谷氏。経営戦略としてのダイバーシティとワークスタイル変革の中で、ProgOfficeは今後も重要なプラットフォームとしてJALを支えるだろう。
お客様プロフィール
設立 | 1951年8月1日 |
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事業概要 | 国内、国際航空運送事業(旅客、貨物)を営んでおり、連結子会社5社および関連会社1社にて航空運送事業を行う。日本と世界を結ぶ利便性の高い路線ネットワークを拡充。国内でも「地方創生」の担い手として地域振興にも取り組んでいる。 |
従業員数 | 11,449名(連結32,753名) ※2017年7月1日現在 |
URL | https://www.jal.com/ |
※2017年8月現在
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