概要

課題

電話帳がコミュニケーションを加速する

 株式会社報知新聞社(以下、報知新聞)は、正確な報道で読者の信頼にこたえ、心に響くスポーツ・娯楽・文化情報を発信している。価値ある情報を迅速、正確に伝えるため業務の効率化にも取り組んでおり、スマートフォンによるユニファイドコミュニケーションを実現している。

 スマートなコミュニケーションを実現するためには、内線や外線をひとつのスマートフォンで行う必要があった。そこで、NTTテクノクロスが提供するクラウド型の電話帳管理システム「ProgOffice Enterprise」を導入。

 イントラネットのユーザー管理に使用しているActive Directoryや業務で使用するOffice365と連携させることで、社内電話帳、社外(個人)電話帳との連携が可能になり、スマートフォンによる迅速なコミュニケーションが可能になった。

解決へのアプローチ

Office365連携で負荷軽減

 報知新聞では、記者など外勤の社員がスマートフォンから内線通話が行えるように、株式会社NTTドコモの内線ソリューション「オフィスリンク」を導入していた。

 今回、スマートフォンの機種更新にあわせて貸与対象を内勤者にも広げることになった。前年にはメールシステムの更新でクラウド型のOffice365を採用。機種更新したスマートフォンには、Office365と連携できる新しい電話帳が必要になった。そこで導入されたのが、ProgOffice Enterprise(以下、ProgOffice)だ。NTTテクノクロスが提供するクラウド型の電話帳管理システムで、内線番号はもちろん、社員が共有できる外線番号、個人で管理する外線番号をクラウド上に保存できる。

 ProgOfficeが企業から選ばれる理由は、マイクロソフトのOffice365と連携する機能があることだ。ユーザーの属性情報に「電話番号」を登録すれば、Office365連携機能により、ProgOfficeの社内電話帳にも自動反映される。「部署」も連携対象であるため、電話番号が変らなければ人事異動でのメンテナンスは不要だ。

 「ProgOfficeを導入する前は、人事異動や組織改編があるたびに社内電話帳のデータを更新して、端末に配布しなければなりませんでした。それが今ではほとんどメンテナンスの必要がありません」と語るのは、増田 善功氏。新しい電話帳を選定する際、他のサービスとも比較検討したが、NTTドコモの「オフィスリンク」と連携して、自動的に外線発信から内線発信に切替える機能や、同業他社での稼働実績により、ProgOfficeに白羽の矢が立った。

 「ProgOfficeを導入する前は、社内と社外で2つの電話帳を使い分けなければならず、操作性にやや難点がありました。ProgOfficeなら社内も、社外も意識することなく、ひとつの電話帳を検索して通話できるので便利ですね」と操作感にも満足<している。

 企業が業務システムを導入する際、とくに気を遣うのはセキュリティだ。情報漏えいが起これば、社会的な信用も失墜してしまう。その点、ProgOfficeはスマートフォンを紛失しても、端末にデータが残らないクラウド型のサービスなので強力なセキュリティを実現できる。さらに同社では、端末認証も併用することでセキュリティを高めている。

 「ユーザ認証には、Office365の認証をそのままProgOfficeにも利用しています。シングルサインオンのフェデレーションサービス(ID連携)で、セキュリティを維持したまま、利便性を損なわずに利用が可能です。ユーザも新たにログインのIDとパスワードを設定する必要が無く、煩わしさがありません」と高く評価している。

ProgOffice構成図

ソリューションとその成果

写真がついて顔が見える組織に

 Office365連携の機能によって、ユーザー情報が同期され、ProgOfficeの社内電話帳として一覧表示される。部署名もグループ名として同期されるため、階層構造を付けることもできる。

 ProgOfficeを使うようになって感じたメリットは、電話帳にプロファイルの顔写真が表示されることだ。社員証の写真を使用しているが、写真つきの電話帳は親近感があり使いやすい。この機能は特に経営層から好評だという。

 「私たちは再雇用者を含めて約600名の企業ですが、それでも顔と名前が一致しないことがあります。経営層になれば、なおさらでしょう。これまでコンタクトがしにくかった経営層とマネージャー層や社員同士がつながれるという意味で、相手の顔が見えるProgOfficeは組織の活性化に役立っています」と増田氏は予想外の導入効果を指摘する。

 きめ細かな設定ができることも、ProgOfficeを導入してよかったと感じる点だという。例えばテスト運用の際に、Office365連携により、役員や休職中の社員の電話番号がProgOfficeに表示されることがあった。報知新聞として、この表示方法は運用に適していなかった。話を聞いたNTTテクノクロスは、ユーザからの要望で優先順位の強い内容と認識し、この設定変更を前倒しで対応した。NTTテクノクロスが迅速に対応をしたため、本格的なサービス開始までにOffice365に登録されているが表示フラグをOFFにすることで電話帳には表示されない機能が実現した。 

 個人で管理している電話番号は、Office365のOutlookから、ProgOfficeの社外(個人)連絡先に連携される。パソコン上でキーボードを使ってOutlookに入力できるため、連絡先の管理が効率的に行える。

今後の展開

電話帳ひとつで全部できるメリット

 東京本社の販売部門では、東日本の主な新聞販売店(約2,600店)を地域ごとに分類し、ProgOfficeの社外(共有)電話帳に登録している。新聞は毎日、工場から全国の新聞販売店まで間違いなく配送なければならない。新聞販売店は、地区変更や統廃合などにより電話番号が変ったり、販売店主の名前も変わることが多い。しかし、管理簿が更新されていれば、ProgOfficeの管理者が一括して登録できるため、常に最新の情報が保たれる。緊急連絡をするとき、その販売店の担当者がいなくても迅速に対応が可能だ。

 新聞社だからこそ重要な機能に着信履歴もある。ProgOfficeでは、Outlookの個人連絡先と連携して着信相手の情報を表示するので、重要な着信を見逃す可能性を低減できる。

 「例えば取材先からの着信に気がつかず、重大なニュースを報道できないとします。すると、新聞を買ってくださるお客さまの期待を裏切ることになるため、着信履歴はとても重要な機能です」と増田氏は強調する。

 NTTドコモの「オフィスリンク」と連携して、通話先によって外線通話から内線通話へ自動的に切り替えることにより、通信コストも大きく削減された。さまざまな導入効果をもたらしたProgOfficeの魅力をひと言でいうと何だろうか? 増田氏は「電話帳ひとつで全部できることです」と答えた。将来的には、チャットやSkypeとの連携も視野に入れ、ProgOfficeに大きな期待を寄せている。

Key Technology

報知新聞社

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1872年6月10日
事業概要 報知新聞(スポーツ報知)の発行・販売、「月刊ジャイアンツ」「報知高校野球」などの雑誌の刊行・販売、電子メディアニュースの配信を通し、創意工夫とチャレンジ精神で新たな価値を創造し、自由で活力ある社会づくりに貢献する。
従業員数 536名 ※2017年6月1日現在
URL http://www.hochi.co.jp/

※2017年8月時点現在

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