岐阜県　飛騨市様

ネットワーク分離環境の電子入札業務でUSBメモリを使用 業務効率と安全性に課題

　岐阜県の最北端に位置する、自然に恵まれた飛騨市。「世界一美味しい」と言われる米や、名産の飛騨牛を中心とした「食のまちづくり」、美しい森林を次世代につなぐ「広葉樹のまちづくり」を推進し、大ヒットした映画「君の名は。」に市内の飛騨古川駅や飛騨市図書館が登場したことから、「アニメファンの聖地」としても知られている。

　飛騨市役所は、三層分離のαモデルを採用。インターネット接続系システムと業務系システム間のファイル受け渡しには、USBメモリを使用している。総務部 管財課 課長の砂田健太郎氏は、従来の業務課題を次のように話す。「電子入札業務を担う管財課では、月に4回程度、1回につき10～20件ほど民間業者との間で内訳書や契約書などを受け渡す機会があります。USBメモリによる対応では、その都度パスワードを入力しなければならないため業務効率が悪く、メモリ自体も課で共有しているため紛失やデータの消し忘れなど、情報漏えいの懸念もありました。」

評価機による試行で効果を実感
提供形態や価格面、シンプルな操作性などを評価

　解決策を求めていた砂田氏は、情報システム部門の担当者からの紹介で「データブリッジ」を知り、Webサイトから資料をダウンロード。すぐにNTTテクノクロスの担当者から連絡があり、商品説明を受けたという。その時の印象を、砂田氏は次のように語る。「ネットワーク分離環境でのファイル受け渡しにはさまざまなサービスがありますが、クラウド型でランニングコストがかかるものがほとんどでした。その点、データブリッジはハードウェアを導入するだけですぐに利用できる、シンプルさが魅力でした。」

　その後、同市は評価機を借り受け、機能評価を実施。実務担当者からも「シンプルで使いやすく、業務効率も高まる。ぜひ導入して欲しい。」と好評だったことから、導入を決定した。砂田氏はデータブリッジを採用した決め手を、こう話す。「アイコンにドラッグ・アンド・ドロップするだけで誰でも簡単に使える操作性の高さは、担当者の異動が発生した際にも複雑な引継ぎが必要なく、安心して使い続けられると感じました。作業後に自動でデータが消える点も、情報漏えい防止の観点で有効です。課の備品購入予算内で収まる費用感も、複雑な予算申請を行わずに済み、助かりました。さらに、今回は利用していませんが無害化オプションが備わっていることも、将来の拡張性の観点で安心感がありました。」

年間数十時間の削減効果に加えて
担当者のストレス軽減効果も高い

　2021年11月、データブリッジの利用が開始された。砂田氏曰く、「弁当箱ほどのサイズの機器を設置して、PCとUSBケーブルで接続すれば、すぐに利用開始できました。」

　今回、同市はデータブリッジを1 台のみ導入。そのため、インターネット系システムと業務系システムでファイルを相互に受け入れ、受け渡しする際にはケーブルを差し替えて使用している。砂田氏は「2 台購入すればそうした作業も不要なのですが、これまでに比べれば手間ではありません。」

　導入効果として、1 件の処理につき数分、年間で十数時間の短縮につながった。砂田氏は「残業時間削減といった時間短縮はもちろんですが、USB メモリでの物理的な抜き差しやパスワード入力の手間と共に、安全面への懸念が精神的にも負担となっていた従来と比べ、よりシンプルに安全が保てるストレス軽減効果が高いと感じています。」と、その効果を評価する。

他部署業務への水平展開も検討
今後も導入しやすくユニークなソリューションに期待

　今回、管財課の入札業務に導入されたデータブリッジ。今後、他部署の業務への展開も検討していると砂田氏は次のように話す。「他部署の業務においても、外部とデータをやり取りする機会はかなりあります。特に現状メールを使用している業務は容量制限の兼ね合いもあり、データブリッジが活用できれば業務効率も、安全性も向上できると期待しています。この価格と操作性であれば、各部署の裁量で導入しやすいでしょう。」

　最後に砂田氏は、NTT テクノクロスへの期待を次のように結んだ。「近年、サブスクリプション型のクラウドサービスが増えていますが、自治体には機器の買い取りだけでランニングコストがかからない方が、導入しやすい業務もあります。NTT テクノクロスには、これからもそうした利用者側の視点を忘れずに、有益かつユニークなソリューションを提供し続けて欲しいと思います。また、我々のような地方のユーザーはIT ベンダーとの接点も限られていますので、自治体向け広報誌やインターネットなどを通じた積極的な情報発信にも、期待しています。」

飛騨市　データブリッジ利用イメージ