概要

4月1日より、AIU保険会社の日本支店から日本法人に移行し営業を開始したAIU損害保険株式会社。

日本のお客様ニーズに合う質の高い保険商品とサービスを提供し続けるAIUにおいて、今や欠かせない基盤といえるのがNTTソフトウェアのソリューション『BankingGate(バンキングゲート)』。他社に先駆け導入した、このリアルタイム送金ソリューションは、従来の送金業務を一変、万が一の事故の際にも適切な保険金支払いを最短で実行することが可能となった。

送金先のさまざまな銀行口座に対し、確実かつスピーディに着金させること、これが保険金支払部門としてお客様に対応する損害サービスセンターの業務コストを減らし、かつ顧客からの信頼と安心を勝ち獲る結果につながっている。

課題

顧客サービス向上への取り組み待ち望まれる送金業務の改善

「もともと、お客様に安心をお届けできるサービスをと常に業務改善に向けた取り組みを心がけている当社なので、とくにシステムには力を入れており、他社のどこよりも早くIT によるオペレーションモデルの構築を進めておりました」とオペレーション管理課の課長、江藤俊輔氏は語る。

順調に社内のIT化は進み、保険金の送金業務の改善に着手する。既にシステム化はされてはいたがお客様へより早く送金をするためには、支払先の銀行口座との突合処理がブレーキになっていた。

通常であれば、保険金請求から実際にお客様に保険金が入金されるまで、4日、5日程度時間を要する。しかも、口座誤りで支払いの組み戻しが発生した場合、時間も経費もさらに浪費する。銀行管理口座と申請口座との突合。社内ではどうにもならないその問題を解決に導いたのが『BankingGate』。お客様へのスピーディな送金を可能とするソリューションは、真にAIUの顧客サービスとして待ち望まれていたものだった。

解決へのアプローチ

送金エラーをリアルタイムで確認。最も選ばれている資金移動ソリューション

「以前は、前述の通りお客様への送金までにどうしても4、5日掛かり、また保険金の支払いには、銀行に届けている口座情報と申請されたお客様口座情報が一致していることが条件でした。条件が満たされなかった場合にはエラーになりますが、その情報を銀行で確認できるのが、エラー発生からさらに4、5日後。さらにその銀行からエラー報告が届かないため、サービスセンターの所長自ら日課業務として、状況確認をしていたのです。そのため、支払い予定日にお客様から入金されていないとのお電話をいただき、そこではじめてエラーが発覚することが多々ありました。」

送金エラーがすぐに確認できないという状況では、お客様も不信が募るというもの。当然、この未着処理のロス解消となるサービスを求める声が社内から多数あがっていた。そんな折、口座誤りによる組み戻し防止を相談していた銀行から『BankingGate』の導入を強く薦められることに。送金エラーをリアルタイムで確認できるという最大の利点と、他業種とくに銀行からの推奨という安心感から、お客様への利便性を向上させる新たな取り組みとして採用を決定した。

「高い信頼性が求められる送金という金融取引システムだけに、導入にあたっては、他社への導入実績が参考になりました。特に、資金移動業務系のソリューションの中において最も選ばれているシステムであったという点、また、自社開発のソリューションという点、この安心感はことさら評価が高かったと思います」と江藤(俊)氏は振り返る。

★KEYWORD:「送金エラー」「組み戻し」について

お客様の銀行口座名義と保険支払先の口座名義は一致していて当然と思われるが、実は異なるケースが少なからずある。例えば、単純な英字のスペルミス、仮名・英字表記の取り違いなど。名義の不完全な場合は「送金エラー」、誤入金成立の場合は資金返却の手続き=「組み戻し」が発生する。いずれも着金遅延の原因になる。

ソリューションとその成果

「早いね」とお褒めの声、多数。確かな手応えが生まれたお客様応対

「『BankingGate』の導入後、実際に着金されたお客様から、他に比べ、かなり早いねとお褒めの言葉をいただくことが増えました」とマネージャーの江藤政治氏は、遠慮がちに笑う。

実際に現場では何が評価されているかを問うと「後手にならざるを得なかった送金エラーの確認が、送金時にリアルタイムで行えるようになったこと、そして何より最短数十秒で振込依頼が掛けられることが大きい。翌日には着金しますよと自信を持ってお客様にお伝えできる」と答えてくれた。

「もう少し導入メリットを言うなら、振込状況の確認や正しい口座情報の確認、再振込処理など、今まで時間がかかっていた様々な手間からの解放と、従来かかっていた組み戻し手数料の削減というコスト面での利点が上げられます。また当社では、損害サービスセンターがお客様に応対しご案内させていただいていますが、お客様へのサービスの向上ができたことで社員にも安心感が生まれ、多様なお客様のニーズにも迅速かつスムーズに対処できるようになりました」と、実質的利益に加えて社員のメンタル的な部分での効果も江藤(政)氏は指摘する。

システム構成例(口座情報サービス使用時)

今後の展開

世界品質に応えたソリューション。今後も顧客本位のサービスを追求する

入金を急がれるお客様に対し、明日にはお支払しますという確約で返答できることは何よりの強みであり、いつ発生するかわからない不慮の事故対応が求められる損保業界において、他社に対するアドバンテージとなったに違いない。

「翌日着金が可能になるという利便性は、お客様からの強い信頼獲得につながります」と江藤(政)氏がつづける。1日でも早く送金したい、要求には柔軟に対応して欲しいという声に応えたNTT ソフトウェアのソリューションは、さらなる利便性を求めるお客様に耳を傾けながら、これからも支持される質の高いサービスを展開していく。

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1946年AIU コーポレーション日本支社として開設
2013年米国法人の日本支社から株式会社へ営業形態を変更
事業概要 「私たちは、お客さまにかかわるリスクに対し、コンサルティングを通じて、常に最適な解決策を提供いたします」の経営理念のもと「世界品質の安心」を提供し続ける損害保険会社。
URL http://www.aiu.co.jp

※2013年10月末現在

※ ここに書かれた情報は、2017年3月時点の情報です。
  NTTソフトウェア株式会社は、2017年4月1日よりNTTテクノクロス株式会社に社名を変更しました。

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