2019年02月25日

NTTテクノクロス株式会社
タキイ種苗株式会社

NTTテクノクロス株式会社(以下、NTTテクノクロス 本社:東京都港区港南、代表取締役社長:串間和彦)とタキイ種苗株式会社(以下、タキイ種苗 本社:京都府京都市下京区、代表取締役社長:瀧井傳一)はIoT*1を活用したトマト農家への新しい栽培アドバイスの方法を開発するため共同実験を2019年3月1日より開始します。

背景

近年、農家は高齢化し、栽培ノウハウの継承や新規就農者の確保が難しくなりつつあります。天保6年(1835年)創業のタキイ種苗は、これまで培った農業ノウハウを基に農家に栽培アドバイスを行ってきましたが、更なる農業の普及に貢献するため、NTTテクノクロスとIoTを活用した新たな栽培アドバイスを目指します。

実験イメージ

実験概要

ビニールハウスなどトマトの施設内に複数の温度・湿度センサーを設置し、無線ネットワークを利用してデータを収集・蓄積します。また、データをスマートフォンでリアルタイムに確認できるアプリケーションを開発します。このアプリケーションをタキイ種苗の栽培アドバイスの担当者が利用しながら、農家にトマトのサイズや品質安定化のための適切な栽培アドバイス方法を検討します。

実施場所

Tファームいしい(徳島県石井町)

実施期間

2019年3月1日~2019年6月末(予定)

各社の役割

データ収集に必要な栽培ノウハウ提供、アプリケーションを活用した栽培アドバイスの効果検証
農業現場での無線ネットワーク環境構築、センサーを用いたデータ収集、アプリケーション開発

トマトの出荷品質について

近年、施設内の環境を測定する機器や制御機器が発展し、トマト栽培ではこれらの機器を用いた環境制御技術が開発され、収穫量の増加が可能となってきています。しかし、これらの環境制御技術だけでは施設園芸内の環境を均一化し果実サイズ・食味・機能性などの出荷基準に満たされた品質の果実を収穫することが難しいのが一般的な現状です。

今回の実験で得られるデータや開発されるアプリケーションをタキイ種苗が農家への栽培アドバイスに応用することで、出荷品質を満たした収量の1割向上を目指します。

今後の展開

今後NTTテクノクロスとタキイ種苗はIoTによって得られる農業データを活用し、環境制御や生産管理による収量アップ、栽培データ分析による高品質・ブランド化、作業工程の見える化・自動化などによる省力化に取り組みます。またAIなどの先端技術と栽培ノウハウを融合させた実験を実施し、更なる農業の発展に貢献します。

用語解説・注釈

*1:IoT
「Internet of Things」の略。これまでインターネットに接続されていなかったものが接続されることを意味する。

* 記載されている商品名・会社名などの固有名詞は一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。

会社概要

NTTテクノクロスは、NTT研究所の最先端技術を中核に、国内外の優れた商材を豊富な実績とノウハウで掛け合わせることで、お客様のビジネスシーンに最適なソリューションを創出します。時代に先駆けたソリューションにより、豊かな未来社会の実現に貢献し続けます。(https://www.ntt-tx.co.jp/)

タキイ種苗は、創業180年以上の歴史を持ち、高品質の野菜や草花の種子・苗を生産・供給しており、野菜種子の売上で国内トップシェアの種苗メーカーです。ベランダ菜園、家庭菜園など簡単に育てることができるタネから、農家(生産者)が使用するタネまで、幅広く展開しています。タキイ種苗が開発し、人気の高い品種としてトマト「桃太郎」、切花向けヒマワリ「サンリッチ」などが知られています。(http://www.takii.co.jp/