2017年11月29日

株式会社NTTドコモ
モバイルクリエイト株式会社
株式会社 琉球バス交通
那覇バス株式会社
NTTテクノクロス株式会社
株式会社ドコモ・バイクシェア
株式会社テムザック

 株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、モバイルクリエイト株式会社(以下、モバイルクリエイト)、株式会社 琉球バス交通(以下、琉球バス交通)、那覇バス株式会社(以下、那覇バス)、NTTテクノクロス株式会社(以下、テクノクロス)、株式会社ドコモ・バイクシェア(以下、ドコモ・バイクシェア)、株式会社テムザック(以下、テムザック)は、内閣府沖縄総合事務局開発建設部道路管理課が公募した「平成29年度 観光客移動・防災支援情報提供サービス実験に関する取組み」に参画し、2017年11月30日(木)から12月10日(日)までの11日間、沖縄県豊見城市の道の駅「豊崎」においてIoTやNTTグループのAI技術「corevo®(コレボ)」を活用した最適な交通情報を提供するサービスの実証実験(以下、本実証実験)を共同で行います。

 沖縄県の観光事業振興における課題として、道路の交通渋滞、公共交通機関の時刻表や運行情報などの乗り継ぎ情報のわかりにくさのほか、近年増加している海外からの観光客に向け交通情報の外国語対応が十分ではないという現状があります。

 これらの課題に対し、各社の保有するデータ、技術、サービスなどを活用し、公共交通の利便性向上だけではなく、IoTを活用した二次交通サービスの導入や人の移動を予測するAI技術を活用した最適なバスの運行スケジュール作成のほか、2か国語(日本語・英語)に対応した交通情報や観光情報をスマートフォンやデジタルサイネージを通じて観光客へ提供するなどの実証実験を行います。観光客はスマートフォンなどを活用し、行きたい場所の経路の把握だけでなく、最適な交通手段の情報や人気のスポットまでの最適な交通情報などを得て利用することで、本交通情報サービスが有効であるかどうかの検証を行います。
 また、本実証実験では大規模災害時に観光客が円滑かつ安心・安全に移動できるように、スマートフォン、デジタルサイネージを通じ、公共交通の運行状況や避難情報などを提供することの検証も行います。

 本実証実験を踏まえ、各社は、観光客に最適な交通情報を提供することで、沖縄県の観光振興に向け便利で利用しやすく安全なインフラ整備の推進の支援に取り組んでまいります。

 

*「corevo」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。(http://www.ntt.co.jp/corevo/corevo

 

 

実証実験の概要

1.提供する交通情報のサービス内容

(1)観光情報

 目的地までの経路、バス乗り場、運行情報とあわせて、目的地やその周辺の観光情報を提供

(2)災害情報

 災害情報の一斉配信と災害時の現在地の安全性、避難場所の位置・経路の情報を提供

(3)支援ツールの提供

 観光案内所において、タブレットの多言語翻訳機能を活用して観光情報の提供を支援

(4)二次交通手段利用者への情報提供

 シェアサイクルなどの公共交通以外の二次交通手段利用者へ観光情報を提供

<サービス利用イメージ>
サービス利用イメージ

2.具体的な提供技術

(1)デジタルサイネージでPush型移動支援情報の提供

 沖縄を訪れる国内外の多様な観光客の通信環境や情報リテラシーに依存しにくいデジタルサイネージを利用し、既存のWebサイトなどの案内情報を活用した2か国語(日本語・英語)でのPush型移動支援情報を提供します。
 具体的には、道の駅「豊崎」周辺を運行する琉球バス交通・那覇バスのバス乗り場や路線・系統図案内やバス運行情報を、リアルタイムにデジタルサイネージで配信します。あわせて、モバイルクリエイトが提供する観光目的地までの行き方・乗り継ぎ情報を表示します。なお、デジタルサイネージの情報はスマートフォンと連携し、専用のWi-Fiに接続することで簡単に確認ができます。
 また、スマートフォン向けページに用意された「かざして案内™」機能を利用し、道の駅「豊崎」内の看板などへスマートフォンのカメラをかざすだけで、フロア案内や今いる場所からバス乗り場までの行き方案内をご覧いただけます。なお、本「かざして案内」機能は、日本電信電話株式会社が開発した「アングルフリー物体検索技術※1」「ユニバーサルオブジェクト認識技術※1」を活用しています。

(2)一斉配信による災害時移動支援情報の提供

 災害時には、テクノクロスが提供する「Web-basedサイネージ配信システム」と「デジタルサイネージ相互運用基盤」を活用し、Lアラートなどの災害情報や近隣の避難所への避難経路を各事業者のデジタルサイネージ配信システムへ一斉配信し、デジタルサイネージ画面に割り込み表示します。また、デジタルサイネージに接続したスマートフォンにも割り込み表示し、手元で経路を見ながら避難することが可能となります。これらの機能の実現には、日本電信電話株式会社が開発した「Web-basedサイネージ配信制御技術」※2を活用しています。
 ドコモの多言語対応の緊急速報「エリアメール」と併せ、多様な手段でより多くの観光客へ災害時の情報提供を図ります。

(3)「近未来人数予測™」による目的地や周辺地域における近未来の人数予測情報の提供

 ドコモが提供する現在および数時間先のあるエリアにおける人数を予測する「近未来人数予測」を使い、目的地の混雑状況をリアルタイムでデジタルサイネージやスマートフォンに表示します。タブレットの多言語翻訳機能などを活用した案内所でのコミュニケーション支援とあわせて、混雑していない観光地などを新たな立ち寄り地として経由するなどの検討を案内所スタッフなどが支援することで、周辺への回遊性の向上や移動時間と観光時間の比率改善をめざします。
 また、災害時に「近未来人数予測」を活用することで、発災後の避難者の動静や、指定避難所やそれ以外の避難場所などにおける人数分布把握が期待できることから、発災後の災害復旧に携わる機関の支援を図ります。

(4)二次交通手段利用者への情報提供

 バスなどの公共交通を補完する関係にあるドコモ・バイクシェアが提供するコミュニティサイクルや、テムザックが提供するライド・ロイド「RODEM™」の二次交通手段利用者に対しても、同様の観光客移動・防災支援情報提供サービスを連携して提供することで、交通結節点からの二次交通を含めたさらなる円滑な移動支援を図ります。
 また、今後はドコモが提供予定の「AI運行バスⓇ」などを含めた多様な二次交通手段との連携も検討します。

3.実施期間・場所

 <実施期間> 2017年11月30日(木) ~ 12月10日(日)

 <実施場所> 沖縄県豊見城市 道の駅「豊崎」内

4.各社の役割

社名役割
ドコモ
  • 本実証実験に関する企画および調整
  • 近未来人数予測による指定エリアの混雑情報の提供
  • 画像認識技術を活用した「かざして案内」システムの提供
モバイルクリエイト
  • 2か国語(日本語・英語)でのバス運行情報サービスの提供
琉球バス交通
  • 道の駅「豊崎」を運行系統とする実際のバス運行情報の提供
那覇バス
  • 道の駅「豊崎」を運行系統とする実際のバス運行情報の提供
テクノクロス
  • 一斉配信多言語サイネージシステム「Web-basedサイネージシステム」の提供
  • NTTドコモが実現する「かざして案内」システムの支援
ドコモ・バイクシェア
  • 那覇市で実証実験中のコミュニティサイクルシステムの提供
テムザック
  • 「ライド・ロイドRODEM」(シティモビリティ)の提供

※1
<アングルフリー物体検索技術>どのような方向から撮影しても、高精度に物体を認識・検索し、関連情報を提示できる技術です。従来は事前にデータベースに100枚程度の画像が必要でしたが、本技術では従来の1/10以下まで削減できます。
<ユニバーサルオブジェクト認識技術>様々な認識手段を統合管理する技術です。複数の認識手段を組み合せることで、利用者に認識手段を意識させることなく多種多様なアイテムの認識を可能とします。また共通的なAPIにより、様々なクライアントアプリ(ブラウザ含む)から利用可能です。
上記については、日本電信電話株式会社 リリース http://www.ntt.co.jp/news2017/1708/170808a.htmlを参照ください。

※2
インターネットで一般的に使われている標準的な通信などの仕組みだけでデジタルサイネージへの配信を可能にし、Webブラウザ搭載端末をデジタルサイネージ受信機として活用することなどを実現します。

*「かざして案内」は、日本電信電話株式会社の商標です。

*「近未来人数予測」「AI運行バス」は、株式会社NTTドコモの商標または登録商標です。

*「RODEM」は、株式会社テムザックの商標です。