株式会社 TMJ 様
コンタクトセンター業務のヒューマンエラーを削減。
"本来の業務に注力でき、生産性が向上しました"
概要
グローバルなBPO(Business Process Outsourcing)パートナーとして、コンタクトセンターの運営などを手掛ける株式会社TMJ。
全社を挙げて業務の改善活動に取り組み続けている同社では、コンタクトセンター業務に使用している顧客システムの改修が困難なことから、改善の手段を施行錯誤していた。この課題を解決し、ヒューマンエラーの削減と生産性のさらなる向上を実現したのが、NTTテクノクロスの入力アシスタントツール『BizFront/アノテーション』だ。
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(左から)
事業変革本部 変革推進部 改善推進室 シニアスタッフ 岩﨑 大輔氏
事業変革本部 変革推進部 改善推進室 室長 野上 真裕氏
事業変革本部 変革推進部 改善推進室 シニアスタッフ 毛呂 之恵氏
課題
“気付き”があっても“手段”がない。 システム改修が改善活動の障壁に
TMJは、エンドユーザーとの重要な接点となるコンタクトセンターの調査・設計、運営およびそれに付随する人材開発や派遣、教育・研修、さらにはバックオフィスの構築・運営などを手掛ける企業だ。日本国内に5箇所の事業所と13箇所のセンター、さらにはASEANエリアの中核拠点としてフィリピンにも2箇所のセンターを有しており、グローバルなBPOパートナーとして活躍している。そんな同社の強みは、長年にわたり培ってきた高度なコンタクトセンター管理技術に加え、継続的な“現場改善力”にある。情報という事実に向き合う“科学的アプローチ”と、そこから得た意味に基づき業務を改善する“工学的アプローチ”を組み合わせながら、全社を挙げて改善活動に取り組み続ける情熱が、新たな進化を生み出している。
こうした改善活動の一環として、同社では業務効率化と生産性のさらなる向上に向けた取り組みも積極的に実施している。2015年頃から業界に先駆けて、ロボットで業務自動化を行う「RPA(Robotic Process Automation)」にも注目し、2017年4月には、業務システム向けRPAツールを導入している。ある程度手順が決まっている定型作業はRPAで代替することで大きな効果を発揮するものの、人の判断を要求するような非定型業務は代替が難しく依然課題が残っていた。
そしてもうひとつ、コンタクトセンター業務においては顧客のシステムをそのまま使用するケースが増えているのも、改善活動が進めづらい要因になっていた。
事業変革本部 変革推進部 改善推進室 室長の野上真裕氏は、改善活動の課題をこのように語った。
「お客様のシステムを使用する場合、前提としてシステム改修は難しくなります。ミス削減や業務効率化のために、間違いやすい箇所や状況に応じた対応方法などをシステムに表示したいという改善案が浮かんでも、すぐに実現できないため現場は試行錯誤していました。“気付き”があっても“手段”が見つからない、といった状況だったのです」
それでも同社では、数年前から継続的に“手段”となるツールを探し続けていた。このツール選定でポイントとなったのは、まず顧客のシステムを改修することなく導入できるということ。そしてなおかつ、ツールの構成と使用感の両面で“シンプル”であることも重要だった。これは、作り込みの手間や時間を最小限に抑えるだけでなく、オペレーターを管理するスーパーバイザー(以下、SV)がすぐに使い方を習得できるという、実際にツールを使用する現場での利便性を考慮したものだ。さらに、顧客の厳しいセキュリティ要件をクリアできるかという点も、ツール選定で必要不可欠なファクターとなっていた。
野上氏は「数年前から継続的に改善策を探し続けていましたが、なかなか弊社のニーズに合ったツールが見つかりませんでした。そんな時に、Webサイト上でNTTテクノクロスの入力アシスタントツール『BizFront/アノテーション』を発見し、すぐにデモンストレーションを依頼したのです」と語る。
解決へのアプローチ
アノテーションの自動表示で入力ミスに対する注意喚起を徹底
『BizFront/アノテーション』は、既存システムの改修を行うことなく、利用者が操作するパソコンに表示されるシステム画面上に付箋型のメッセージ「アノテーション」を自動表示させることができるツールだ。事前に編集ツールで「ルールファイル」を作成しておき、それをクライアント側の表示ツールに読み込ませるだけで、対象画面が表示された際にアノテーションが自動的に表示される。システム画面に対応したアノテーションが表示されるため、入力ミスに対する注意喚起の徹底はもちろん、マニュアル運用のシンプル化、外国語対応などの課題をシステム改修することなく総合的に解決してくれる。
TMJではデモンストレーション後、約3ヶ月間の試用期間を経て、2018年4月に顧客各社へ『BizFront/アノテーション』の導入検討依頼を提出。翌月より、業務を請け負う2つの部署で正式稼働をスタートした。
事業変革本部 変革推進部 改善推進室 シニアスタッフの毛呂之恵氏は導入のポイントについて以下のように語った。
「アノテーションのルールファイルの管理は、オペレーター10名に対して1名程度の割合で着任しているSVが担当しています。事前に各現場が想定するミス率等から検討を行い、ルールファイルを作成しました。通常新ツール導入にあたっては、オペレーターの再教育にも多くの手間と時間が必要になります。シンプルな使い勝手はもちろん、業務の運用フローをまったく変える必要がないという点も、現場が受け入れやすかったポイントです。“ツールありき”ではなく“現場ありき”で導入を進めている弊社にとって、まさに最適なツールですね」
ソリューションとその成果
人的要因によるミス率が前年同期比で半分以下にまで減少
現在、TMJで『BizFront/アノテーション』を採用しているのが、総オペレーター数こそ少ないものの、非常にきめ細やかな対応が求められる新規部署Aだ。
こちらは、さまざまな業務を行った後の最終工程としてエンドユーザーにメールを送付するのだが、業務の過程によって宛先や内容などが細かく変わってくる。送付ルールを作成してはいるものの、オペレーターの記憶に頼った作業では、どうしてもミスが発生する可能性が高まってしまうことから、業務の立ち上げ時より『BizFront/アノテーション』を導入した。
導入した結果を毛呂氏はこう語った。
「立ち上げから4ヶ月が経過した現在まで、1件もミスが発生していないのには驚きました。万一ミスが発生してもカバーできるよう、SVを中心に厳重なチェック体制を構築しているのですが、全員が業務に不慣れな状況下で、まったくミスが発生していないという事実は、『BizFront/アノテーション』の有効性を示しています」
また、平常時と繁忙期の業務量に大幅な差がある部署Bでも、『BizFront/アノテーション』が大きな成果を上げている。
こちらは、平常時に約10名のベテランオペレーターで業務を進めているが、繁忙期になると約200名の新人オペレーターとSVが増員される。しかし人数が多いために、ベテランオペレーター、新人オペレーターと増員SVの間で、教育ルールの統一化を図るのが難しかった。
「こうした背景から『BizFront/アノテーション』を導入したところ、人的要因によるミス率が前年同期比で0.27%から0.13%にまで半減できました。この数値にはその他の改善効果も含まれていますが、効果のひとつとして確実に寄与してくれたと実感しています」(毛呂氏)
導入当初は、ミスが発生した後の対応策として利用していたが、最近では「ここにも注意喚起を表示して欲しい」という声が挙がるようになり、未然の対処が可能になったそうだ。
今後の展開
生産性のさらなる向上を実現。業務改善に向けて活用を拡大
このように『BizFront/アノテーション』の導入を通じて、ヒューマンエラーの削減による生産性のさらなる向上を実現したTMJ。
毛呂氏は笑顔を見せてこう語る。
「システム改修を行わずに済むことが、現場にとって予想以上に大きいものだったと改めて感じました。また、SVはミスのフォローに要する時間が減って本来の業務に注力でき、生産性が向上しました」
さらに、気付きと学びが必要な研修についても、アノテーションを表示させることで理解が深まり、質が向上したという。
今後の活用について、野上氏はこのように語ってくれた。
「現在は業務のタイミングなども考慮して2部署への導入に留まっていますが、お客様のシステムリプレイスや新業務などに対して適宜提案を行いつつ、業務改善の手段のひとつとして、既存業務にも反映していきたいですね」
お客様プロフィール
お客様プロフィール
設立 | 1992年4月1日 |
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事業概要 | ■コンタクトセンターの調査・設計、運営、および、コンタクトセンターの運営に関する人材開発、派遣、教育・研修、前後工程のBPO業務。 ■企業内の人事系、総務系、経理系業務など、バックオフィス業務の受託・運営。 ■FAQ・RPA・AI導入のコンサルティング。 |
資本金 | 1億円 |
従業員数 | 586名(2018年3月末現在) |
URL | http://www.tmj.jp/ |
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