工作機械の総合メーカーとして、世界のものづくりの原点を支えているDMG森精機株式会社(以下、DMG森精機)。テクニウム株式会社(以下、テクニウム)は、会員制オンラインポータルサイト「my DMG MORI」を通じて、DMG森精機が提供する工作機械のデジタルトランスフォーメーション支援や、人材育成サービスを提供する企業である。テクニウムは、「my DMG MORI」と外部のサービスを連携するシングルサインオン機能(以下、SSO)にNTTテクノクロスの「TrustBind」を採用した。

テクニウム株式会社

製造現場の課題を解決するコミュニケーションプラットフォーム「my DMG MORI」とは

グローバルで15万社に30万台の工作機械を提供しているDMG森精機では、稼働状況を監視するセンサやアプリケーションを導入し、オンラインで管理する仕組みを整えている。

テクニウム株式会社 執行役員副社長 辻 直志 氏

テクニウムは、2018年1月にDMG森精機と株式会社野村総合研究所(以下、野村総研)の共同出資により設立された会社であり、会員制オンラインポータルサイト「my DMG MORI」を通じて、DMG森精機の顧客が利用している機械の技術情報提供や、稼働状況の分析によるメンテナンスのアドバイスなどの機械導入後のサポートを行っている。「国内出荷10万台のうち、すでに8万台は『my DMG MORI』で管理されている」と語るのは、以前は野村総研でコンサルタントに従事していたという辻副社長である。

また、「my DMG MORI」では、工作機械を扱うための知識を身につける教育サービスも提供している。このような先進的なサービスを導入した背景には、製造現場の課題があったという。多くの熟練技術者が活躍し、工作機械の分野では世界でもドイツと並びトップクラスの競争力を誇る日本だが、一方で、機械のデジタル化が進み、高性能になっていったことで「技術伝承が上手くいかなくなった」という顧客の声が寄せられるようになったという。

「加工の技術はあるがITに慣れていない熟練技術者と、機械には慣れていないがITを使いこなすことができる若年層の技術者のギャップを埋めてあげる必要があった」と語るのはeラーニングサービス「デジタルアカデミー」を立ち上げた教育サービス部の千葉氏である。

そのように、さまざまな場面で顧客との接点となる「my DMG MORI」が目標とするのは「すべての仕事がそこで完結する世界」だと語るのはTrustBindの導入を推進したデジタルプラットフォーム事業部の大和氏である。

シームレスなサービス間連携を目指してたどり着いた「SAML」と「TrustBind」

テクニウム株式会社
デジタルプラットフォーム事業部
副参事 大和 史明 氏

「朝新聞を読んで情報を収集するというところから、機械の稼働状況を確認したり、教育を受けたりというすべての業務がそこで完結するのが理想」と語る大和氏だが、すべてのサービスを自社で提供するのではなく、「my DMG MORI」を起点として外部のサービスも活用することによってサービス範囲を拡大していく方針であるという。そのようなサービス間連携のための方法として注目したSSO技術がSAMLであり、たどり着いたのはNTTテクノクロスのTrustBindであった。

シームレスなサービス提供を実現するためのSSO製品の選定を進める中で、TrustBindが採用された決め手となったのは、「my DMG MORI」を起点としたサービス連携を短期間かつ低コストに実現可能な提案があったことだという。認証基盤をSSO製品に置き換えるような提案が多い中で、「SSO部分だけを外付けできるTrustBindによる提案は当社にとって理想だった」と大和氏は語る。

また、CPUライセンスというライセンス形態についても、「ユーザ数による従量課金の場合、これからユーザを増やしていこうとするとコストが見えないというのは問題だったので、コストが見えるという点はよかった」と大和氏は評価している。

認証連携のプロフェッショナルとして、お客様のシステム構築プロジェクトをサポート

テクニウム株式会社
デジタルプラットフォーム事業部
副参事 千葉 佑介 氏

採用決定後の動きについても、NTTテクノクロスの技術支援は心強かったという。今回、連携先のサービスにとっても初めてのSAMLによる連携であったが、「我々には技術的な知見はないので、連携先サービスとの調整も含め、要件定義から開発・テストまで一気通貫で支援いただいた」と大和氏は振り返る。「少ない社員でサービスを提供していかなければならないので、技術的にしっかり支援していただけるのは非常にありがたい」とは辻氏の評価である。

現在、「my DMG MORI」の新たな連携先サービスとしてeラーニングサービスである「DMG森精機デジタルアカデミー」との連携を進めている千葉氏も、「当初想定していた方式での対応が困難であるとわかったときも、現行方式を活用できる代替案を提案、解決していただいた」と振り返る。

また、my DMG MORIのIDであるメールアドレスなどの個人情報を受け渡さずにSSOを実現するなど、NTTテクノクロスが得意とするセキュリティ要件への対応力についても「安心感を得られた」と評価している。実際に対応したNTTテクノクロスの技術者からは、「コロナ禍でのリモート対応に当初は不安もあったが、大和様、千葉様のご支援によりオンラインでもスムーズにプロジェクトを進めることができた」とのコメントが寄せられ、良い信頼関係を築くことができている様子が伺えた。

今後の展望について

今後のサービス展開について三者に伺ってみると、「本社の販促サイトとの連携」「社内、および北米・アジアへの教育サービスの展開」「稼働状況の予実管理サービスとの連携」「ECサイトとの連携」 「ロボットと工作機械の連携」などさまざまなアイデアが浮かび上がった。

テクニウムでは、今後もサービスを立ち上げるにあたり、外部のサービスを積極的に活用していく方針とのことだが、「今のような柔軟な形であれば非常に展開しやすいと考えている。今後もご協力をお願いしたい」というコメントから、TrustBindとNTTテクノクロスに対する信頼と期待を改めて確認することができた。

システム構成イメージ

システム構成イメージ

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 2018年1月9日
事業概要 工作機械に関連するソフトウェア販売、人材教育サービス、エンジニアリングサービス 等

概要