概要

 日立金属グループで高機能材料の販売事業を手掛けている日立金属商事株式会社(以下、日立金属商事)は、注文・発注作業の効率化と入力ミス削減のため新人派遣社員の習熟度向上が課題となっていた。この課題を解決したのが、既存システムの改修なしでシステム画面上に付箋型のメッセージ「アノテーション」を自動表示できる、NTTテクノクロス入力アシスタントツール「BizFront/アノテーション」だ。

    • 日立金属商事株式会社 様
    • (左から)
      管理本部 業務管理部 業務管理課 主任 長谷川 麻衣氏
      管理本部 業務管理部 業務管理課    笹沼 由実氏
      管理本部 業務管理部 業務管理課    槌矢 美里氏



 



課題

注文数の増加や翌日納品。発注処理の業務効率化が重要課題に。

 「高機能材で社会に貢献」を企業コンセプトに、日立金属グループにおける高機能材料の販売事業を手掛けている日立金属商事。市場と技術をつなぐ架け橋として、業界でもトップクラスの成長を遂げてきた。同社が取り扱う製品は、受注した翌日の午前には指定場所へ納品するという期限への対応要求が高い。加えて、2020年の東京五輪に向けて注文が増加していた。そのため、発注処理などの事務作業をこれまで以上に効率的に行うことが課題となっていた。

 日立金属商事 管理本部 業務管理部 業務管理課 主任の長谷川麻衣氏は「当部門でサポートしている販売管理システムは、入力項目が多く、入力内容も輸送手段や納品時間など入力内容の大半を指定されたコード番号で入力する必要があったりと、入力ミスが発生しやすいものでした。入力ミスが発生すると、発注に時間がかかるだけでなく、原因解明や対策検討にも手間と時間をかける必要があり、入力ミスを発生させない対策が必要でした」と語る。システムが自社製品でないため、入力項目改善などの改修を行うことができなかったそうだ。

 同部署で取り扱っているのは、業界内ではスタンダードとなっている製品ながら、一般的な生活で触れる機会がないために覚えづらく、なおかつ1文字違いでまったく異なる製品になってしまうのも入力担当者を悩ませていた。また、営業事務従事者の2割程度を占める派遣社員の習熟度を効率良く上げる必要があるが、「新しい派遣社員の教育だけでなく、教える立場の社員に対しても、“教えるための教育”が新たに必要となっていました」(長谷川氏)

 入力業務の業務効率化のため、同社では近年注目を浴びているRPA(Robotic Process Automation)やOCR(光学文字認識)も活用している。ただ、今回課題となっているシステムは、定型作業を得意とするRPAでは対応できない複雑な業務であり、OCR技術でも認識率が100%ではないため、目視での確認と手入力が必須となっていた。

 個人単位で作成していたメモを、共有の手順マニュアルとして整備する取り組みも行われたが、今度はそのマニュアル自体が複雑化。しかもマニュアルを見ながらの作業では、どうしても効率が上がりづらいのも課題だった。

解決へのアプローチ

「画面上にマニュアル表示」を実現する 理想的なツールとの出合い

 こうした課題を抱える中、2017年10月19日・20日に行われたNTT主催のアクセスネットワーク関連技術の総合シンポジウム「つくばフォーラム2017」で目にしたのが、「BizFront/アノテーション」に採用されている要素技術だった。

 「BizFront/アノテーション」は、既存システムの改修を行うことなく、利用者が操作するパソコンの画面上に付箋型のメッセージ「アノテーション」を自動表示できるツールだ。日頃から「画面上にマニュアルが表示されていれば……」と考えていた日立金属商事では、さっそく社内で検討を開始。2018年6月より「BizFront/アノテーション」の試験導入を、東京、大阪の事業所でスタートした。

 当時の様子について、日立金属商事 管理本部 業務管理部 業務管理課の笹沼由実氏は「最初はアノテーションを想定した位置になかなかうまく表示させることができませんでした。そこで、NTTテクノクロスが提供する操作トレーニングを受けたところ、アノテーションを表示させる認識基準について、具体的な設定方法やコツを学ぶことができました。画面上にアノテーションを表示する利便性はもちろん、プログラミングの知識なしで作り込みができるという点でも、まさに弊社が求める理想的なツールだと感じました」と語る。

ソリューションとその成果

20分の入力作業がわずか7分に短縮。共有ファイルをすぐに見られる工夫も

 こうして同社では、2018年7月より「BizFront/アノテーション」の本格導入をスタート。最初に導入したのは、仕入先から業務移管を受けている営業事務だった。日立金属商事 管理本部 業務管理部 業務管理課 槌矢美里氏は、「入力担当者とミーティングを繰り返しながら、ミスが発生しやすい部分に適宜アノテーションを設定していきました。たとえば、間違いやすい製品名は、製品名一覧を記載したExcelファイルをファイルサーバに格納し、そのファイルパスをアノテーションに表示させています。パスをクリックするとそのファイルにアクセスできるため、必要な情報を効果的に提示でき、担当者が迷うことなく作業できます」と語る。

 実際に入力作業を行っている派遣社員からは、これまで1件あたり20分かかっていた入力作業がわずか7分にまで短縮されるなど、「業務が非常に効率化された」という声が多数上がっているそうだ。

「『BizFront/アノテーション』のおかげで、自分の知りたい情報をすぐに見られる環境が整いました。まだ作業に不慣れな新人派遣社員がベテランの領域へ早く近づけるだけでなく、教える側でも感覚に頼らず正確な情報が伝えられるという点で、大きなメリットがあります。入力ミス減少に加え、新人派遣社員からの質問自体もかなり減っています」(槌矢氏)

今後の展開

総務関連の業務にも採用を提案。企業全体の業務効率化を目指す

 このように、「BizFront/アノテーション」の導入によって営業事務の大幅な業務効率化を実現した日立金属商事。現在、他の事業所においても導入を検討している。

 さらに今後は、旅費精算システムや勤怠管理システムなど、総務関連の業務にも採用を提案しているという。この点について長谷川氏は、「弊社内のシステムではなく、日立グループで共通して使っているようなシステムの場合、改修が難しいケースがあります。こうした中、たとえばマニュアルを細かく読んでいないスタッフが独自の判断でシステムに入力し、総務担当者によるチェックで差し戻しが発生する、といったこともよく見られるのです。総務のチェックにも相応の手間や時間がかかりますから、この課題を『BizFront/アノテーション』で改善できればと考えています」と笑顔を見せる。
 
 営業事務だけでなく、「BizFront/アノテーション」の利用拡大によって企業全体の業務効率化を目指す日立金属商事。こうした期待に応
えるべく、NTTテクノクロスでもさらなる活用をサポートしていく。


お客様プロフィール

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
設立 1950年9月1日
事業概要 「高機能材で社会に貢献」を企業コンセプトにエレクトロニクス関連製品や産業インフラ関連製品の販売を通じて、日立金属グループのリソースを最大限かつ効率的に活用した広範囲で専門性の高いサービスを提供。
資本金 3億円5千万円
従業員数 489名(2018年6月末時点)
URL http://www.tr.hitachi-metals.com
※ ページに記載した会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。