概要

エネルギー小売自由化に向けたBtoBtoCビジネスに 「MarketingAuthority」を採用し、マルチドメインによるリテンション・マーケティング機能で会員管理を実現している。

課題

Phase 1 会員の囲い込みを狙ったWebサイトの統合基盤を求めて新システムを模索

 2000年にマンション向けのインターネット接続サービスを提供する事業者としてスタートした株式会社ファミリーネット・ジャパンは、その後マンション向けにIP電話サービスや防犯カメラサービス、HEMSといった各種IT活用サービスを展開。現在は29万世帯にISPサービスを提供しつつ、快適かつ先進的なマンション生活を提供するマンションライフサービスプロバイダーとして活躍している。そうしたビジネスを展開する中で必要としていたのが、さまざまなサービスを展開する上で利用できるWebシステムの基盤だった。

 「ユーザへ見える化を実現するためにさまざまなWebサイトを構築してきました。今後も多彩なサービスを提供していく為にも、他社サービスとも差異化がしやすく、Webサイトを汎用的に構築でき、既存サイトも統合できるような統合基盤が欲しいと考えていました」と語るのは、取締役 常務執行役員 ビジネスソリューション部長の石坂慎悟氏だ。

 さらに、同社が新たなマンション向けサービスとして乗り出しているのが、エネルギー小売自由化を受けてのビジネスだ。そこで改めて必要とされたのは、セグメント管理による会員管理機能とお客様を囲い込む為のリテンション・マーケティング機能だったという。「Webで申込を受け付けた会員を他社サービスに移られないように囲い込む必要があり、さまざまなパッケージの採用や、スクラッチ開発での構築なども考えました
が、より短期間で構築でき、求める機能を満たしトータルコストが抑えられるものを探していました」と語るのは、市場開発部 Eサービス事業部長の久保谷文智氏だ。

解決へのアプローチ

Phase 2 BtoBtoCでリテンション・マーケティングによる会員サービスを実現

 この要求に応えられるものとして採用されたのが、NTTテクノクロスの「MarketingAuthority」だった。「リテンション・マーケティングに必要な機能が揃っている上にポイント管理機能まで用意されているため短期にシステム構築ができること、スクラッチ開発での構築とは比べものにならないほどコストも抑えられることなどを魅力に感じました」と久保谷氏。

 コストや構築期間という基本的な要求に加えて、ファミリーネット・ジャパンが非常に重視した点として、マルチドメインでの利用があった。これは電力小売を自社直販だけでなくデベロッパーのブランドでも行うBtoBtoCのビジネス展開において必須の機能だったという。

 「様々なデベロッパーのサービス形態に合わせた仕掛けとしてマルチドメインで利用できることが必須の要件でした。その要件にも対応できるというのが、一番の採用理由です」と石坂氏は語る。デベロッパーごとにロゴの掲載やデザインの変更などを行い、エンドユーザには自社サービスであると認識させたいというデベロッパーの要望にNTTテクノクロスはMarketingAuthorityで応えた。

 「マルチドメイン環境を実現できたことで、サービスサイトは各デベロッパーの専用サイトになります。また、会員にメール送付を行う時にも自社ドメインでの送信ができます。そのあたりは、デベロッパーの皆様にも好評です」と、市場開発部Eサービス事業部 課長代理 兼 ビジネスソリューション部 開発運営センターの荒平将貴氏は語った。

ソリューションとその成果

Phase 3 迅速かつ柔軟な対応で理想のシステムとして導入成功

 NTTテクノクロスは、自社開発製品の強みとMarketingAuthorityの特徴の1つであるノンカスタマイズで顧客個別に任意の管理項目追加ができる柔軟性・拡張性により、短期間で独自の要件にも応えることができた。

 「専任の熟練エンジニアがついてくれた他、毎週、対面やテレビ会議での打ち合わせを行いました。こちらの要望をよく理解してくれたので、話が早いという印象がありましたね。いろいろな要求にも迅速に対応してくれたので助かりました。現在は運用を開始して保守を主にしてもらっていますが、その保守メニューに関しても要望を受け入れてもらえました」と久保谷氏。柔軟な対応が行えたことが、非常に高く評価されている。

 MarketingAuthorityは現在、会員申し込みの窓口として機能し、契約に必要な個人情報およびクレジットカード情報の収集・管理に利用されている。そして申込後に利用される会員専用サイトでは、会員毎に契約内容など属性に応じて、バナーやコンテンツの出し分けができる、訴求力の高い会員専用サイトの構築にも利用されている。

 「今は会員囲い込みの為のリテンション・マーケティングに必要な、ポイント管理機能やメール配信機能、アンケート機能などは、まだ利用されていませんが、今後デベロッパーが利用したいと考えればすぐに使えるようになっています。非常にしっかりと作り込まれた多機能なシステムで、現在のスタート段階のサービスでは、一部機能を使うに留まっていますが、MarketingAuthorityの可能性の大きさを実感しています。稼働後は大きなトラブルもなく、小さな問題には迅速に対応してもらえるなど、快適に利用しています」と荒平氏は語った。

今後の展開

Phase 4 今後のビジネス拡大にも対応力を実感

 今後の電力小売事業の拡大時にも十分耐えうるシステムであると実感しており、MarketingAuthorityを利用して新ビジネスを迅速に展開したいという要望もある。

 「今後もお客様の満足度向上につながる新商材を販売する機会は増やしたいと考えています。新たな商材を扱う時、MarketingAuthorityを利用して、迅速にWebシステムの構築をするのはもちろんのこと、リテンション・マーケティング機能の活用もしていきたいですね」と石坂氏は語る。

 今後は既存サービスサイトもリニューアルの機会などがあれば、順次MarketingAuthorityを活用したものに切り替えたいとも語られた。統一基盤を活用して低コストに迅速なWebサービス提供が行える環境を構築したいという当初の目的は十分に達成されたと言えそうだ。

 マルチドメイン環境とリテンション・マーケティング機能、ポイント管理機能を用意したことで、今後エネルギー小売ビジネスを展開する上で、中間サービスを行いたいデベロッパーにも魅力を提供できた。

 「柔軟な対応をしてもらえて非常にありがたく思っています。これからも活用の場を拡げていきたいですね」と久保谷氏は力強く語った。

お客様プロフィール

 お客様プロフィール
会社名 株式会社ファミリーネット・ジャパン
設立 平成12年10月6日
資本金 2億7千万円
主な事業内容 マンションライフサービスプロバイダとして、マンションデベロッパー・管理会社・通信事業者のノウハウを融合し、高付加価値のインターネットサービス「サイバーホーム」を提供。
URL http://www.fnj.co.jp/

※2016年3月31日現在

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