AI活用の壁は"アクション"で乗り越える【イベントレポート後編】
AIの本格活用に向けて、「NTTテクノクロスフェア2018」のパネルでは、ディープラーニングやIoTの活用法を議論。トライが重要という指摘が相次いだ。展示ブースでは、AI、CX(カスタマーエクスペリエンス)、働き方改革などのソリューションが紹介された。
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- 2019年02月13日公開
AIを本格活用するために何が重要なのでしょうか。2018年10月30日に開催された「NTTテクノクロスフェア2018」では、早稲田大学 尾形哲也教授と働きごこち研究所 藤野貴教氏の2人のスピーカーに加えて、NTTテクノクロスで戦略ビジネス特区長を務める小師隆が「AI活用の成功のカギ」について語り合いました。モデレーターは、IT専門メディアのインプレスで編集主幹を務める田口潤氏です。
ビジネスでのAI活用はまだ初期段階
AI活用のカギはとにかくアクション
AI活用が目立つのはCXとコンタクトセンター
情熱的な講演が続く中、セミナー会場の隣には、「AIで変わるみらい」「DXで変わる企業活動」「CXで変わるおもてなし」の3ゾーンに分けられた展示会場が設けられていました。
会場に並んだ数多くの製品/サービスのうち、AIを最も活用しているのはカスタマーエクスペリエンス(CX)とコンタクトセンターの2つのソリューションでした。
「CXで変わるおもてなし」ゾーンでは、日・英・中・韓の4カ国語での対応が可能なマルチリンガル案内ロボット「AMARYLLIS(アマリリス)」を展示。「SpeakerBeam」(NTT研究所出展)は、AIによって、特定の話者の音声だけを抽出できるという画期的なソリューションです。デモには多くの来場者が集まっていました。
「AIで変わるみらい」ゾーンでは、AIを搭載した製品の組み合わせで実現するAIコンタクトセンターソリューションが展示されていました。AIが自動応答するチャットボットとオペレーターの応答を組み合わせたハイブリッドチャット「Remote Attend」。問い合わせに24時間365日対応することができ、顧客満足度の向上に大きな効果がありそうです。また、電話での問い合わせ内容の自動分析にAI音声認識を採用しているのが、「CTBASE/AgentProSMART」、「CTBASE/OmniChannel(仮称)」、「高度IVR」(参考展示)の3点を組み合わせた次世代コンタクトセンターソリューション。通話内容から、電話を商品担当オペレーターに自動的に振り分けたり、顧客応対システムの画面に製品名などを自動入力したりできるため、顧客満足度向上にもオペレーターの働き方改革にも役立つことでしょう。
このほか、コールセンター管理や顧客の声(VOC)分析などを可能にするビッグデータ解析ソリューションとして、音声認識技術を活用した「ForeSight Voice Mining」も注目の存在でした。
体験ブースは熱気であふれる
さらに、AIは企業のバックオフィス業務の効率化にも貢献します。例えば、契約書などをAIで分析してリスク箇所や問題点を洗い出し、画面上に見やすく表示してくれる「AI法務部門」(参考展示)。稟議・各種申請・決裁に関わるチェック作業をわずか3ステップの学習で自動化できる「AIワークフロー」(参考展示)も魅力的なサービスです。
AIと並んで、日本の企業が高い関心を持っている"働き方改革"のためのソリューションは、「DXで変わる企業活動」のゾーンに展示されていました。例えば、新登場のタスク管理アプリ「FlatTask」は、把握、整理、実行の3ステップでタスクの効率化を図る仕組みです。全タスクを書き出して頭の中を整理するGTD(Getting Things Done)メソッドを実践するのに最適なツールとなりそうです。
また、家庭や社外コワーキングスペースでもオフィスと同等の能率で仕事をできるようにするためのソリューションとしては、「MagicConnect」(リモートアクセス)、「MeetingPlaza」(Web会議)、「ProgOffice Enterprise」(ビジネスコミュニケーション)のそれぞれを展示。育児や介護といった従業員ごとの事情に合わせた柔軟な働き方を実現するうえでの切り札になるという印象を受けました。もちろん、客先訪問や出張が多い営業担当者にもぴったりの働き方改革ツールです。
来場者の行列ができていたのは、「体験できます」のサインが表示されたブースです。SpeakerBeamのほか、8K高精細VR配信の「パノラマ超プレイヤ」「筋電位センサーのスポーツ活用」「VR危険体感サービス」などの最先端テクノロジーには迫力があり、最先端テクノロジーを使ってみたいという来場者の熱意であふれていました。
講演やパネルディスカッションで指摘されていたように、テクノロジーは使ってみることが導入の入り口になると実感できた展示内容でした。
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