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成功の第一歩はユーザー理解と十分なテスト~どのようにUXデザインを行うべきか~

当社こころを動かすICTデザイン室の大野健彦が、今回と次回で、どのようにUXデザインを行うべきかを述べる。

「金融経済新聞 2019年05月27日 2面 TECH×HUMAN(8)」より転載

 

前回は、UXデザインを考える上で知っておくべき心の仕組みを紹介した。

 

今回と次回で、どのようにUXデザインを行うべきかを述べる。

 

 

まず検討すべきは、「誰が」そのサービスを利用するかである。

 

具体的には、年齢層、性別、その人たちが類似のサービスをどの程度利用しているかを明らかにする必要がある。

 

主な利用者が30歳以下の若者か、60歳以上のシニアを対象とするかで、サービスをデザインする上で考慮すべき点は大きく異なる。

 

 

若者を対象としたサービスの場合、基本的にはその人にとって、やりたいことがぱっとできて、見た目も格好良いことが重視される。

 

若者は、自分が気に入らなければ、サービスをすぐに乗り換える可能性が高いので、いかに気に入ってもらえるかが重要である。

 

一方、気に入れば試行錯誤して使い方を覚えるので、多少複雑な操作でも、すぐに使いこなすだろう。

 

 

シニアの場合、使いやすさを第一に考える必要がある。

 

シニアは試行錯誤が苦手で、うまく使えないと「自分はこのサービスを使いこなす能力がない」と考えがちである。

 

実際には、サービスの出来が悪いのに、自分を責めてしまうのである。

 

そうならないためには、画面を一目見ただけで、何をやればよいかがわかるように、慎重に画面レイアウトやボタンのラベル名などを検討する必要がある。

 

 

UXデザインで難しいのは、若者からシニアまで広く利用するサービスである。

 

この場合、シニアが確実に使いこなせるように機能をシンプルに絞り込み、まずは使ってもらうことを目指すのがお薦めである。

 

 

サービスをデザインしたら、次に重要なことは実際のユーザによるテストである。

 

サービスを熟知した開発者は簡単に使えても、ユーザはうまく使えないということはよくある。

 

テストをすると「目の前にある大きなボタンを押せば、作業が完了するのに...」と思っても、ユーザは押してくれない、ということもよく起きる。

 

複雑な操作

 

そうなったら思い切って、ボタンの見栄えやラベル名、画面遷移方法などの再検討に取り組もう。

 

ユーザの理解と十分なテストが成功の第一歩である。

 

転載を快諾いただいた金融経済新聞様に感謝します。

 

 

 


 

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連載シリーズ
(366)日のUXデザイン
著者プロフィール
大野 健彦
大野 健彦

NTTテクノクロス株式会社
こころを動かすICTデザイン室
シニアUXエキスパート

1994年、NTT入社。以来、研究所で人々が使いたくなるサービスのあるべき姿に関する研究開発に従事。2014年よりNTTアイティ(現・NTTテクノクロス)において研究成果を活用したUXデザインコンサルティングを開始。