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第20回:ブログリニューアル&海外講演報告(droidcon San Francisco 2023)

今回は、神原健一の技術で広がる世界のブログリニューアル後の初回として、droidcon San Francisco 2023での講演報告を行います。

皆様、こんにちは。NTTテクノクロス株式会社でエバンジェリストとして活動している神原です。しばらくぶりの投稿となります。以前はAndroidに特化した記事を書いていましたが、本ブログは、神原健一の技術で広がる世界として、対象をもう少し広げ、技術に関する新たにリニューアルすることにしました。

改めて自己紹介します。普段は主にモバイル/ウェアラブル/IoT関連の開発や技術支援、国内外の講演、執筆、ソフト道場研修講師技術ブログサステナビリティ活動(学生向けIT/キャリア教育)などを行なっています。また、会社でより良い文化を作るべく、技術や英語などのコミュニティ主催にも取り組んでいます。本ブログではこれら活動に関連するトピックを不定期でご紹介します。

今回は、先日、登壇させていただいた、 Droidcon San Francisco 2023 の様子をご紹介します。

droidcon San Francisco 2023について

まずdroidconについて、紹介します。droidconは、Androidに関する世界最大級の開発者カンファレンスで、世界各国で開催されています。カンファレンスを通じて得られた収益は、教育やコミュニティ活動支援に役立てられていると紹介がありました。

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そして、 "droidcon San Francisco 2023" は、2023年6月8-9日に米国サンフランシスコにある Mission Bay Conference Center で開催されました。

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こちらがイベントの雰囲気の写真です。800名を超える参加者が世界各国から集まったそうです。

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受付で驚いたのが、以前、シンガポールで開催された別のイベントで知り合った開発者に再会したことです。今回は、イベント運営として参加されていたそうです。国が違っても、技術という共通のテーマで再会できたことに感動しつつ、お互いの近況を情報交換などしました。

また、展示ブースの様子について、紹介します。主にスマホアプリ開発に関連するプロダクトやサービスのブースが設置されていました。

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例えば、 課金機能の実装難易度を軽減するサービス(個人開発の方で既にお世話になっているプロダクトでした)や、AIを活用したテストの効率化ソリューション、展示ブースの会社が関わっているオープンソースについてなど 紹介されていました。デモを見せてもらいながら、細かな話は質問することでその場ですぐに回答をもらったりなど、技術トレンドをキャッチアップする機会としても有益でした。

イベントは、 GoogleのEngineering Director for Android Studioである「Tor Norbye」氏、Droidcon CEOである「Greg Fawson」氏によるKeynoteから始まりました。先に紹介したコミュニティの状況や、Android Studioをフル活用するためのショートカットや便利な機能がテンポよく紹介されました。

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本イベントでの担当セッションの様子

機会をいただきまして、 Wear OS (Androidベースのウェアラブルデバイス向けOS)向けにアプリを最適化する手法について、講演させていただきました。

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最初に、 Wear OSの特徴 について、簡単に紹介しました。と言うのも、Wear OSは、スマホ向けAndroidと同様の機能もあれば、異なる特徴もあるため、導入として紹介しました。

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今回は、開発するアプリの例として、 アドレス帳 を題材にどのような点に気を付けて、Wear OS向けに最適化していくかを紹介しました。

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ウェアラブルデバイス(時計)はスマホと比較して、画面が小さいという特性があります。そのため、画面上の要素を細かく操作させるのは望ましくありません。Wear OSでは、 Tile というスマホの世界でいうところの ウィジェット に相当するものが存在します。既存のアプリに対して、どのような用途でTileを適用し、実装するかを解説しました。

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セッション後半のQAや、終了後に参加者から追加で質問を受けるなど、参加者のWear OSなどウェアラブルデバイス向けアプリの開発への意気込みを感じることができました。

担当セッションで工夫したこと

講演機会をいただく際、できるだけ、タイムリーな情報を盛り込むようにしています。今回は、アメリカでの開催ということもあり、Android Studioの新機能で、(講演時点では)同国のみで先行公開されていた Studio Bot を本セッションのトピックとして追加しました。講演の前日に、この機能を実際に試したところ、ネタとして入れたら面白いと判断し、急遽、講演内容に含めることにしました。

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その他のセッションの様子

その他に、Jetpack Composeを始めとしたモバイルアプリ開発に関するセッションや、開発を効率化するサービスやソリューション、AIを用いたリッチな機能の開発方法などの紹介がありました。

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イベントのその他トピック

リアル開催のイベントで、個人的には最も大切だと考えているのがネットワーキングです。カンファレンスの前日に、スピーカー向けのMeetup、そして、カンファレンス当日は休憩時間やアフターパーティを通じて、各国の技術者と交流しました。

参加されている皆さんの国やアプリ、技術トレンドなどを意見交換しました。モバイルアプリ開発を取り巻く技術の深さを再認識しました。例えば、Composeなどネイティブでの開発手法、Flutterなどクロスプラットフォームでの開発手法を採用する考え方など、国は違えど、本質は同じだと感じました。

おわりに

今回は、海外カンファレンスの様子について、ご紹介しました。海外カンファレンスつながりで、次回は英語に関して、会社で取り組んでいる、英語スピーキングのコミュニティについて紹介できればと思います。次回も楽しみにしていただけたらうれしいです。

参考URL

著者プロフィール
神原 健一
神原 健一
新技術開発を好み、Androidは正式版が出る前から試用するなど、公私にわたってモバイルの世界に没頭。 プライベートで開発した「セカイフォン」で、 Multi-Screen UX Competition優秀賞受賞。MWC(バルセロナ)/IFA(ベルリン)/CES(ラスベガス)へのプロダクト出展、 国内外(デブサミやDroidconなど)のセミナー講演や書籍執筆(単著・共著含め5冊)などの活動も行っている。NTTテクノクロスきってのモバイル技術者。 プライベートでは旅行が好きで、現地の外国人にセカイフォンをデモすることが密かな楽しみ。