第4回:BIツールで分析を始めてみよう!~レポート作成編 Part3~
「データの可視化」がどのようにできるのか、その活用例もあわせてご紹介します。
BI(ビジネスインテリジェンス)活用コラム
- 2022年09月12日公開
売上ランキングのレポートを作成してみよう
はじめに
第3回目(/column/tec/bi_sol/taiken/03/)でクロス集計レポート作成を紹介しました。これで基本的なレポート作成イメージは掴めたと思いますので、第4回目の今回は、分析の定番であるランキングを出力する内容をお伝えします。
なお、作成したレポートをまとめて1つの画面で閲覧するダッシュボード機能の紹介も併せて紹介します。
3rdPartyAdapterの紹介
さて、今回もレポート作成を始める前に便利な機能をご紹介します。
Yellowfinには、3rdPartyAdapterと呼ばれる機能があり、Googleスプレッドシート、Google Analyticsなどのクラウドサービスのデータを取得して、サンプルレポートも合わせて生成される機能が付いています。
今回は、Webサイトのアクセスログ解析では使っている方も多いGoogleAnalyticsのイメージを紹介したいと思います。
3rdParyAdapterはYellowfinの中ではプラグインとして登録する方式となっております。
GoogleAnalytics用のプラグインが製品ベンダより提供されておりますので、それを上記の様に登録します。
登録後、第1回目で紹介した「ビューの準備」のデータソースへの接続方法と同じようにGoogleAnalyticsへの接続情報を設定します。登録の際Googleアナリティクス認証(データ参照許可)を取得する必要がありますので、閲覧以上の権限を持ったGoogleアカウントを用いた認証が必要となります。
認証が完了すると、下記のような分析レポートが提供されます。
GoogleAnalytics側のレポートでも分かるセッション数(アクセス数)なども分析が可能です。また、どんな時間帯にアクセスしている人が多いかをヒートグリッドグラフ(サーモセンサーのように表示するグラフ)で表現できるのは、Yellowfinならではの分析かと思います。
このように、Yellowfinは、自社で利用しているクラウドサービスなどのデータも取込ながら分析に役立てられる機能も持ち合わせています。
ランキングレポートの作成
では、本題に戻って、ランキングレポートを作成してみたいと思います。
レポート作成の画面に遷移します。
今回作るランキングレポートは、売上個数ランキングのレポートです。
作成の流れは、通常のレポートと変わりません。レポート作成画面へ移動して、商品名、売上金額をカラム(列)に設定します。
今回欲しいのは商品の売上個数となるので、売上金額の▼→集計→個数を選択します。
これで商品毎の売上個数が集計できました。表記も書式設定から「売上個数」に、フィルターに売上日を登録して指定した期間の売上個数が出せるようにします。
この状態で売上個数の降順(多い順)に並び変えて終了。というのはさすがに寂しすぎるのでYellowfinでランク付けする関数が用意されているので使ってみたいと思います。
まず、売上個数をもう1つ追加します。
追加した売上金額(Count 売上金額)→▼をクリック→高度な関数を選択します。
Yellowfinには今回のランキングを自動計算して出力する関数も含め、分析に必要な様々な関数が準備されているため、選択するだけで出力することが可能です。
今回はランキングなので、「最上位から10位」を使いたいと思います。なお、「最上位からN位」を選択すると、任意の順位にすることも可能ですし、「最上位からN位(同順位を含む)」を選択すると、同率順位の場合の次点順位が変化します(同率1位があった場合次点を3位表示とする)
設定して頂くと、アイコンの色が緑色となり、出力内容が順位を示す数字になります。
書式から名称を変更し、順番を先頭に変更、データの並び順を昇順(小さい順)すれば完成です。
もちろん、指定条件に従って、ランキングを振り直すので結果によって、ランキングも自動的に変わります。例えば、以下の様なフィルター条件を設定した場合、指定した期間の売上個数ランキングが出力されます。
このように高度な関数を利用する事でランキングに関して簡単に出力することができます。
最後に、作成したレポートは忘れずに保存しましょう。
ダッシュボード作成
さて、冒頭でも紹介しましたが、「ダッシュボード」という機能を使って
これまで作成してきたレポートをまとめて1つの画面で参照できるようにします。
これまでのビューやレポートと同じように作成ボタン→ダッシュボードを選択します。
新規ダッシュボード作成画面が出てきますので、上段中央のレイアウトを選択し、作成ボタンを選択してください。
点線の枠がいくつか表示されたダッシュボード作成画面に遷移します。
「ここにコンテンツをドラッグ」と書いてある箇所に、同一画面で見たいレポートをドラッグ&ドロップで登録します。
点線枠の領域がレポート表示枠となっており、レポート表示枠のレイアウトを変更したい場合は、左上のサブタブを選択し、新規タブの・・・をクリックしてから、設定を選ぶとレイアウトを6種類から選択することができます。
タブの追加やコピーもサブタブの項目で可能なため覚えておきましょう。
それでは、早速ドラッグ&ドロップでレポートを挿入してみます。左側のレポートボタンを選択すると検索ボックスが表示されるので、登録したいレポートを検索します。第2回で作成した「商品別総売上」のレポートを検索しましょう。
検索結果に当該レポートが表示されたらドラッグ&ドロップで任意の領域に配置します。
指定された横幅でレポートがローディングされます。なお、縦幅はドラッグして自由に大きさを変更可能です。
同じ方法で第3回に作成した「店舗別売上推移」と今回作成した「売上個数ランキング」もダッシュボードに加えます。
ダッシュボード特有の機能として、特定のレポートのフィルターの値を同一のダッシュボード内の他のフィルターの値へ連動させる機能があります。右側にあるダッシュボードのプロパティのフィルターのプロパティ内の左フィルターの項目にチェックします。
左側にフィルターのマークが出現するのでそれを選択し、フィルターを選択します。
使用可能なレポート画面に、各レポートで設定されているフィルタが表示されます。
売上日のフィルターが出るので・・・を選択し、リンクをクリックします。
フィルターリンク画面が出力されるので、それぞれの項目で売上日を選択します。
フィルターがすべてのレポートに適用されるようになります。
設定が完了したら公開ボタンからダッシュボードに名前を付けて保存(有効化)します。
保存が完了すると下の様に1画面で3レポートを同時に閲覧することができます。
ダッシュボードのフィルターを設定する場合は、画面左側からフィルターボタンでメニューを出し値を設定します。
例えば、下の図のように10月に範囲を設定して実行すると
売上日のフィルターの値が全レポートに引き継がれて、売上日が10月のデータが出力される状態となります。
このように、様々な分析レポートを作成し、ダッシュボードでまとめて表示することで、一度で多角的な分析が可能となります。
このダッシュボードは作成して複数のユーザで共有して利用する事も可能です。また、個人が必要なレポートを集めて、個人用のダッシュボードを作成することも可能です。
今回の第1回から第4回までのビューやレポートを閲覧ページで確認してみましょう。
Yellowfinの閲覧をクリックすると以下のような画面が出力されます。
レポートを選択するとレポート全てが一覧として表示されます。今回はすべて表示を選択しましょう。
レポートやダッシュボードなどが、一覧表示されます。
初期状態の場合、先頭付近に、今回作成したレポートが表示されていない場合があるため、画面左上の並べかえを「最近の」、レイアウトを「一覧」に変更します。
このような画面に変わりました。
並べかえで「最近の」を設定した場合は、最終変更の降順で表示されます。レイアウトを「一覧」に設定した場合、レポート名、説明、最終変更などが表示されます。
閲覧画面には他にも、キーワード検索やフォルダー別に表示する機能などもあり、レポートやビューが増加した際の検索、表示に便利な機能もございます。
おわりに
これまで4回に渡ってBIツールを使った分析の方法をご紹介してまいりましたが、いかがだったでしょうか。普段Excel等を使って同様の事を実施されている方もおられるかと思いますがBIツールを利用した場合のイメージをつかんでいただけたでしょうか。
つたない文章で分かりにくい点も多々あったかと思いますが、BIツールの魅力や必要性が伝わったのであれば嬉しく思います。
本ブログは一旦ここで一区切りとなりますが、本ツールで皆様の会社内にあるデータを利用して実施してみたい、現在業務でBIツールが必要な状況になっているなど、弊社でお手伝いできることがあれば、お問い合わせよりご連絡いただければ幸いです。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
NTTテクノクロス株式会社
カスタマーエクスペリエンス事業部