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第1回:BIツールで分析を始めてみよう!~事前準備編~

「データの可視化」がどのようにできるのか、その活用例もあわせてご紹介します。

Yellowfin活用

こんにちは。NTTテクノクロスの浜 真吾(はま しんご)と申します。皆様はビジネスインテリジェンス(BI)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?BIという用語自体はあまり聞き慣れないかもしれませんが、実際には身近で使われています。例えばランキングのポスター、世論調査や選挙速報などです。最近ではコロナの感染者数の推移のグラフや、県ごとの感染者数を日本地図上で表示した画像をニュースで見る機会も多かったと思います。このように私たちの身近にはデータ集めて見やすく可視化するということが普段から活用されていることがおわかりいただけたと思います。

本ブログでは、BIツールを用いて、データを分析するとどんなことが見えるのか。分析を実践してみることはそんなに難しくない、簡単に出来るということをお伝えしていきます。

なお、本ブログはBIに関する読み物というより、YellowfinというBIツールを用いて分析する方法を中心に説明します。

ご興味があれば、ご自身の端末(要管理者権限)にインストールして実践する事も可能です。実践する際、インストーラとライセンスファイルが必要になりますので、こちらのページ(評価版お申込み)よりご連絡ください。

 インストールの手順は番外編(1):BIツールで分析を始めてみよう!~Yellowfinのインストール編~(/column/tec/bi_sol/taiken/b1/)としてまとめておりますので、参考にしながら実践頂ければ幸いです。

はじめに

BIの話をすると、「分析」という言葉が必ず登場します。分析と聞くと難しく捉えがちですが、「買い物したレシートを集めて今月どの位の金額を使ったのかを計算する」これも立派な分析です。世の中にはそういった計算を簡単に実現してくれるツールがたくさんあります。弊社でもMotionBoard、Dr.SumEA、Yellowfinと3種類のBIツールを中心にご提案をしておりますが、その中でも「Yellowfin」というツールを今回紹介させて頂きます。

 BIツールを使うのに必要な要素はいくつかありますが、上記の「買い物したレシートを集めて今月どの位の金額を使ったのかを計算する」を例にすると「買い物したレシート」が分析したいデータになり、「今月どの位の金額を使ったのかを計算する」はBIツールの役目となりますで、その他必要になるのは、分析したいデータを登録する場所(モノ)が必要になります。これは、CSVデータ、Excelファイル、Accessファイルなど様々の種類があるのですが、一般的にデータベースに蓄積することが多いので、本ブログでもデータベースを準備してそこにデータを蓄積して進めたいと思います。

 なお、データベースにもたくさんの種類がありますが、本ブログでは、無償で利用することができる「PostgreSQL」というデータベースをインストールして利用する方法で実践したいと思います。

YellowfinはJDBC/ODBC接続が出来れば大体どのデータベースでも繋がりますので、実際利用時には、ご自身の環境に合ったデータベースをご利用いただけます。

分析するデータ

本ブログで取り扱うデータは、売上情報と顧客、商品のマスタを使ったサンプルデータ(CSV)を利用したいと思います。商品名などは弁当や飲料の名称とし、項目もイメージしやすいように以下の様なシンプルな構成としてみました。

Yellowfin活用

Yellowfin活用

Yellowfin活用

Yellowfin活用

事前準備としてBIツールで分析を始める前にデータをPostgreSQLに登録する必要があります。こちらは番外編(2):BIツールで分析を始めてみよう!~PostgreSQLにデータ登録~(URLリンク)に載せている手順に従って作業を実施しております。

分析を始めよう

それでは、早速分析を始めたいと思います。

YellowfinはWebブラウザ上で全て操作ができるツールとなっており、使用するには、ブラウザを立ち上げてインストール先の環境にアクセスするだけです。

インストール時の完了画面に表示されていた指定のリンクを任意のブラウザで検索してください。

ログイン画面でユーザ名とパスワードを入力してログインします。

Yellowfin活用

デモ用のライセンスを使っているという注意が表示されますが、気にせず「Click Here To Continue」を選択します。

Yellowfin活用

まずは、初回のみPostgreSQLへの接続情報を登録します。画面左上のメニューを開いて管理→管理コンソールを選択します。

Yellowfin活用

データソースを開いて、追加を選択します

Yellowfin活用

「データソースを選択」の欄では、「データベース」を選択します。

Yellowfin活用

名前を入力し、「データベースタイプ」に「PostgreSQL」を選択します。

接続に必要な入力欄が表示されるので、それぞれ入力します。入力後、ビュー作成ボタンを押下します。

Yellowfin活用

「ビューのタイプを選択」から複数テーブルを選択し、ビューの編集を押下します。

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ビュー

Yellowfinは複数のテーブルを結合したものを「ビュー」と呼称しており、様々な分析レポートは「ビュー」に対して作成する仕組みを取っております。このビュービルダーの中でテーブル間の結合条件などを全て設定する

なおビューは一度作成すれば、レポート作成時にはビューを選択するのみで作成が可能です。

一般的に「ビュー作成はシステム管理者などが行い、利用者は作成したビューを選択してレポートを作成する。」という流れを取ります。

それでは、ビューを作成してみましょう。左側に表示されているのがデータベース上に登録されているテーブルです。ビューとして登録するために、中央のキャンパスに売上情報をドラック&ドロップすると、以下の様な形で売上情報の箱がキャンパスに登録されます。

同じ流れで商品マスタと顧客マスタも登録します。

登録が完了しましたら、次は結合条件を設定します。

今回の結合条件は、売上情報の顧客コードと顧客マスタの顧客コード、売上情報の商品コードと商品マスタの商品コードが一致するので、それぞれ設定します。

キャンパス内の売上情報の×ボタンの右側にある□が2つ重なったボタンを押下します。

すると以下の様な画面がポップアップで表示されます。この画面で結合条件を設定します。

結合先は、商品マスタを選択し、結合タイプはInner Join、要素数はn対1を選択します。

前述の通り、売上情報の商品コードと商品マスタの商品コードが結合条件となるので、「結合の詳細」欄で、どちらも商品コードを選択し条件は等しいを選択し、追加ボタンを押下します。

結合ロジックに追加されたことを確認し、保存して閉じるを選択します。

売上情報と商品マスタの間に結合されていることを示す表示が追加されます。

同様の手順で売上情報と顧客マスタを結合します。

無事に終わると、売上情報、商品マスタ、顧客マスタが結合された状態になります。

分析で使う項目を設定

続いて、分析で使う項目を設定します。

売上情報の中に表示されている歯車のマークをクリックすると画面右側のビューオプションの欄の表示が変更されるので、カラム(列)の欄を開いて分析に利用する項目にチェックを入れましょう。

こうすることで、データベースにある分析する対象の項目設定を事前に行うことが可能になります。

商品マスタと顧客マスタも同様に選択しますが、顧客コードと商品コードは売上情報側で既に分析対象として設定しているため、チェックを付ける必要がありません。

このように重複した項目を本設定で対象外にするような設定が行えます。

次に画面上部にある準備をクリックします。

すると先ほど選択した項目が左側に表示されます。

ここでは一般利用者に向けて項目の表記を変更したり、項目を分類分けすることが出来ます。

項目はフォルダーで分けられています。デフォルトで用意されているものでも良いですが、せっかくなので新規フォルダーを作成して追加したいと思います。左下にある「+」ボタンを押下し、「フォルダーを追加・編集」を選択します。

フィールドフォルダー画面が表示されるので、次にフィールドフォルダー追加を選択します

マスタと入力して追加ボタンを押下します。

同じ手順で売上情報も追加して追加されたことを確認後、送信・実行を選択します。

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元の画面に戻ると、有効なフィールドにマスタと売上情報が追加されます。

ドラック&ドロップで、ディメンション(次元)、メトリック(数値)、日付の中にある項目をマスタ、売上情報のカテゴリに移動します。CtrlキーやShiftキーを使うと複数の項目をまとめて移動することも可能です。有効になった項目は太字に変わります。

移動が完了したら、元あったカテゴリを削除しましょう。

※削除するカテゴリに項目が設定されていると削除されません。

Yellowfinは合計や平均などを計算する項目(主に数値)は青丸印(メトリック)で、分析で分類など要素項目になるもの(主に文字列項目)は、黄色四角印(ディメンション)で表現されます。売上日などの日付の項目は、黄色四角にカレンダーのような印で表現されます。

フィールドタイプを変更する手順ですが、有効なフィールド内の項目の右側の3つの点をクリックします。すると画面に編集メニューが表示されるのでフィールドタイプの項目でディメンションを選択するだけです。

※今回は特に変更せずに進んでください。

このメニューでは表示名なども変更が出来る為、一般利用者へ分かりやすい項目名(日本語から英語など)へ変更できます。

ビューの保存

次に、ここまで作成してきたビューを保存します。

ビュー編集画面右上にある「公開」をクリックします。

ビュー名と説明、保存先を選択してから「保存して公開」をクリックします。

今回の保存先はTutorial、Trainingを選択します。

これでデータベースとの接続設定と分析用のビュー作成が完了しました。

日付の書式設定

最後に日付の書式設定を変更します。

管理コンソールの画面内のシステム構成を選択します。

地域ボタンを押下し、日付と時刻の設定メニューから日付の書式を「年/月/日」にチェックを入れます。必要であれば、会計年度の開始日も変更しましょう。日本では一般的には4月始まりが多いと思うので、4月を選択後、右上の保存を押下します。

以上で、事前準備は完了となります。

次回以降は、作成したビューを使って、レポートを作成したいと思います。

著者プロフィール
浜 真吾(はま しんご)
浜 真吾(はま しんご)

NTTテクノクロス株式会社
カスタマーエクスペリエンス事業部