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『共創』の可能性~「ともに育むサービスラボ」の事例~

当社こころを動かすICTデザイン室が提供している主要サービスのひとつ、リビングラボ「ともに育むサービスラボ」を2回にわたってお伝えします。第2回は「『共創』の可能性~「ともに育むサービスラボ」の事例~」です。

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

 

HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト 井山貴弘です。

 

前回は、こころを動かずICTデザイン室の濱口菜々さんからいただいた情報をもとに、デザイン室が立ち上げたリビングラボ「ともに育むサービスラボ(はぐラボ)」の成り立ちと概要紹介をしました。 

今回も濱口さんからいただいた情報をもとに、はぐラボの事例紹介と、はぐラボから見えた『共創』の可能性を、以下2点を軸にお伝えしたいと思います。

 

  • 『共創』って、従来の方法と何が違うの?

  • 『共創』すると、どんな良いことがあるの?

 

 

『共創』の可能性~「ともに育むサービスラボ」の事例~

 

はぐラボは、2017年5月以来、月1回のペースで定期開催してきました。まずはこれまでに行った中で代表的な事例である、新サービス検討会を紹介します。これは数回にわたってアイデアを発想・具体化し、最後に企業を呼んで事業化を検討する取り組みになります。

 

新サービス検討会~日々の生活に対するニーズを探る~

 

第1回は、雑誌の写真を材料に理想的な過ごし方をイメージしてもらい、ニーズを探りました。

 

新サービス検討会

 

新サービス検討会~ステークホルダーを対象にした新事業検討会~

 

第1回で得たニーズやその後に生まれたママパパ発のアイデアについて、複数の企業、行政、NPO等、多様なメンバーが集まって事業化を検討しました。

 

新事業検討会

 

この新サービス検討会のようなイベントも含めて、約2年はぐラボで多くの共創プロジェクトに取り組んできて、これまでのコンサルにはない新たな可能性を感じています。

 

それは、自分たちだけでは思いつかない、新しい視点のビジネスが生まれる...予感。わくわく感です。

 

 

B2B2Xビジネスの現状?

 

現状のB2B2Xビジネスについて、既存顧客に課題を聞いて自社サービスをSIして提案・提供する例が多いのではないでしょうか?

 

B2B2X

 

これは前回紹介した提案型コンサルティングに似ており、開発元とエンドユーザとの距離が離れていること、つまりエンドユーザーの声が届いていないことが課題になります。

 

共創

 

はぐラボのような共創型、つまり顧客をパートナーとしてユーザーと共にサービスを共創する方法を採用することで、この課題を解消しB2B2Xビジネスにも新しい可能性が見えてくる!と考えています。

 

B2B2Xを共創に

 

はぐラボで新しい可能性を感じた場面

 

はぐラボで新しい可能性を感じた場面を2つ紹介します。

 

ケース1:子供の創造性を育てるメディアアートをデザインする

 

グループに分かれて以下の3つを10分ずつ体験してもらった後、子供が夢中で遊べるようにするにはどうすれば良いか、対話しました。

 

3つのメディアアート

 

技術者の目の前でユーザーに実物を体験してもらい、反応を肌で感じてもらいました。

 

実物を体験

 

すると...

 

技術者が、非常に短いスパンで改善とテストを繰り返してくれました!

 

改善とテスト

 

すると...

 

技術者だけでなく我々も、なんだかわくわくしました。

自分たちのやろうとしていることは意味があることだ!いいもの作ってやろう!と元気づけられました!

 

 

当日の動画もぜひ併せてご覧ください。わくわくが伝わるかと思います!

 

 

ケース2:A社が検討中のサービスアイデアをブラッシュアップ

 

A社よりいただいた機能ベースのアイデアリストを、はぐラボで評価できるよう、ユーザーの生活視点で捉え直してストーリーボードにし、A社に共有しました。

 

ストーリーボード

 

すると...

 

A社の技術者が自発的にストーリーを具体化(機能を詳細化)してきました!

 

 

 

はぐラボで、生活者と車座になって直接対話していただきました

 

対話

 

すると...

 

振り返り会で、ユーザーの意見をもとにサービスをブラッシュアップしようとする姿勢が見られました!

思ったことを一人ずつ発言!他の人の意見への同意やコメントも出てきました!

 

 

はぐラボで共創を行った顧客の中に、何が起こったのか?

 

  • プロジェクトを一緒に検討する過程で、顧客はこうした一連の「体験」をすることができる!

  • 自発的に検討したので、アウトプットにも責任を持つことができる!

 

はぐラボで共創

 

 

うまくいかないプロジェクトでは、何が起きているのか?

 

  • 顧客はアウトプットを待っているだけで、検討に参加していない

  • 共創を体験していないので、アウトプットに責任を持とうと思えない

 

うまくいかないプロジェクト

 

 

B2B2Xビジネスの創出でも、検討の過程を大事に

 

  • アウトプットに注目しがちだが、検討の過程を重視することが大事!

  • 顧客を巻き込んで、共創の体験をさせるようにしてみましょう!

 

検討の過程を大事に

 

 

B2B2Xビジネスの場で、顧客を巻き込んで一緒に検討する方法

 

顧客を巻き込んで一緒に検討する方法は、大きく分けて4つあると考えています。

これらの中から、顧客のやる気、予算、時間に応じて選択するといいと思います。

 

難易度施策解説
リビングラボを立ち上げる! 色んなスキルが必要。
時間とコストもかかるので、現実的ではない。
やや高 既存のリビングラボを活用する! ターゲットユーザーや目的に合致するラボが近所にあるなら、一番現実的。
やや低 顧客やユーザーを適宜検討の場に呼び、
一緒に検討する時間を設ける
議論や発想を促すツールやファシリテーションのスキルを活用してWSを実施。
一時的に盛り上がる。
ユーザー調査やユーザーテストの場を
顧客に見学してもらう
ハーフミラーごしに見学してもらう。
完全な共創ではないが、やらないよりは断然良い。

 

 

おわりに

 

顧客を巻き込んでサービスを共創するという、B2B2Xビジネス創出の挑戦を進めていきませんか?

アウトプットも大事ですが、検討の過程を重視してプロジェクトを進めてみましょう。まずはできるところから...!

 

 

ということで、2回に渡って当社リビングラボ「ともに育むサービスラボ」の紹介を行ってまいりました。

 

生活者発でサービスを検討したい企業のみなさまはもちろん、自分の想いからサービスをつくれるかも、という可能性を生活者のみなさまも感じていただけたら幸いです。

 

リビングラボ「ともに育むサービスラボ」に興味がある方、質問がある方、そして見学や参加したい方は、以下バナーの遷移先にあるお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

こころを動かすICTデザインラボバナー

 

はぐラボロゴ

 

※会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。

連載シリーズ
(366)日のUXデザイン
著者プロフィール
井山 貴弘
井山 貴弘
2001年入社時より、Webシステムを中心にユーザ向け画面のデザインを担当。 2015年秋よりUXデザイン推進担当として、社内外にUXデザインを広める役割を担う。 2017年、HCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト資格取得。 結婚披露宴のお色直しで新婦と共に「ふたりの愛ランド」を歌いながら登場するなど、面白く楽しませることが好き。