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SalesforceがMFAを義務化 ~スムーズな適用に必要なこと~

DXが進むいま、セキュリティーの観点からMFA(多要素認証)が不可欠になりつつあります。営業管理ツールとして導入している企業が多い「Salesforce」も、2022年2月からの「MFAの適用義務化」が開始されました。今後、同様の対応が多くのツールで求められていく可能性は高いと考えられます。 今回は、あらためてMFAの基礎を復習し、SalesforceのMFA適用義務化の内容と課題、スムーズな導入のポイントを解説します。

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MFA(多要素認証)が求められる理由とその種類

DX化が進むなかで、課題となるのがセキュリティーリスクです。そのリスクに対応する手段の一つが「MFA=多要素認証」です。

MFAとは、いわば「複数の鍵を使う」こと。家の鍵でも複数の鍵を使うことが推奨されていますが、デジタルツールを活用する際も「2つ以上の鍵」を使おう、それも「種類が異なる鍵」を使おうということです。複数の異なるセキュリティー対策が行われていると、それを破るには時間と手間が過剰にかかることになり、サイバー攻撃を受ける可能性が減少し、情報漏えいのリスクも減ることになります。

ここでいう「種類が異なる鍵」とは、次の3つを指します。

知識・記憶による認証(SYK)、所有物による認証(SYH)、本人の特長による認証(SYA)は、それぞれに長所と短所があります。しかし、これを組み合わせることで、短所を補い合うことができるのです。すでに個人でも金融機関のアプリを使用する際などでワンタイムパスワードと生体認証の複合など、MFAを活用している方も多いと思います。

なおSalesforceでは、次の4つを認証手段として適用していません。

SalesforceのMFA適用義務化の内容と課題

1) SalesforceのMFA適用義務化のスケジュール

「Salesforce Platform で構築された製品」のMFA適用義務化ロードマップは下記のようになっています。

2023年9月には「MFAがシステム上必須」になります。この段階で、Salesforceを使う際には、必ずMFAを適用しなければならなくなります。

それまでは準備期間だと捉えて、できるだけ早くMFA導入をしなければならないのです。

2) SalesforceのMFA適用義務化の影響範囲

下図のように、ほとんどのユーザがMFAの導入を求められることになります。

※詳しくは下記を参照してください。

https://help.salesforce.com/s/articleView?id=000352937&type=1

3) Salesforce社が求める検証方法と課題

Salesforce社が求めるMFAの具体的な検証方法としては、同社が提供する認証アプリをスマートフォンにインストールして使用する方法、サードパーティによる認証アプリを利用する方法、USBなどの端末を利用した「セキュリティキー」を使用する方法、Windowsなどに組み込まれているセキュリティー機能を活用する「Built-In Authenticators」を使用する方法の4つが示されています。これらと、従来のID/パスワードを合わせて活用していくことになります。

これらの導入には次のような課題も生じます。

こういった課題を解決する方法としては、SSO(シングルサインオン)の導入が現実的です。Salesforceが求める要件を満たしたSSOサービスを活用することで、上記のような運用上の課題を解決することが可能になります。

MFA導入を容易にする「運用支援スイート(MFA)」とは

今回のSalesforceのMFA適用義務化といったセキュリティーを高めることそのものは、自社のリスク管理としても必要なことです。

しかし、前述のように、MFA導入には課題も存在します。その課題解決の手段として、「運用支援スイート(MFA)」があります。その特徴は次の通りです。

  1. SSOサービス側で多要素認証を済ませておけば、新たな認証アプリなどを使わなくてもSalesforceを利用可能
  2. Salesforceへのアクセスについては、従来と全く変わらない(URLの変更などもなし)
  3. スマートフォンやUSBキーなどの物理デバイスの導入、管理も不要

また、既存のアカウントをそのまま移行できるため、導入時の負担が小さい。費用はアカウント数に応じて算出されるため、無駄な出費がない。Salesforceに特化したサービスであるため、以後の仕様変更、アップデート時の心配がない。などのメリットもあります。

実際の導入ステップは次の通りです。アカウントの提示とSSO(シングルサインオン)の設定などが必要ですが、これらは弊社SEがサポートします。

これを機会に、自社のセキュリティーを見直すと同時に、「運用支援スイート(MFA)」の導入で、SalesforceのMFA適用義務化への対応を進めてはいかがでしょうか。

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