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持続可能な鉄道運営を支える、現場起点のDX推進 ──ワンマン運転時の車内放送を自動化する「CoToComm Voice」の可能性

車内放送の自動化を実現する「CoToComm Voice」を例に、現場に根づく鉄道DXの取り組みをご紹介します。

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1. 人手不足の時代、鉄道運営はどう進化するのか

鉄道業界では近年、人手不足を背景に、運行やサービスのあり方を見直す動きが広がっています。人員の確保が難しくなる中でも、列車を安全に運行し、利用者に必要なサービスを届け続けることは、社会インフラを担う鉄道事業者の重要な使命です。そのため、「人が担うべき業務」と「仕組みで支えられる業務」を見極め、最適化していくことが求められています。

とはいえ、鉄道に求められるのは効率化だけではありません。安全性や定時性という基本価値を守りながら、現場に無理なく根づく形で業務改善を進めていくことが重要です。

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だからこそ、鉄道業界におけるDX(以下、鉄道DX)には、個別業務の自動化を超え、限られた人員でも安全性やサービス品質を維持・向上できる運営基盤を実現することが求められます。DXの目的は人を置き換えることではなく、人が本来注力すべき業務に集中できる環境をつくることにあるのです。

2. 鉄道DXを読み解く、3つの視点

鉄道DXは、対象となる業務や解決すべき課題の違いから、大きく3つの領域に分けて捉えることができます。

・運行・設備の高度化:運行管理や保守・点検、車両・設備管理の効率化・高度化を通じて、安全性や効率性を高める領域

・顧客体験の高度化:乗客接点や情報提供、決済・チケットサービスなどの利便性を高め、利用者から「選ばれる交通」を目指す領域

・ビジネスモデル変革(事業DX):データ活用や外部企業との連携を通じて、新たな収益源や価値を生み出す領域

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もっとも、これら3つの領域は独立して存在するものではなく、実際の現場では相互に関係しながら進化しています。

たとえば、「運行・設備の高度化」の一環として進むワンマン運転では、運転士の負荷を軽減するため、車内放送の自動化が進められています。車内放送は、列車の運行状況や乗換案内など、乗客が移動中に必要とする情報を適切なタイミングで届け、安心で快適な移動を支える重要な役割を担います。つまり車内放送は、運行効率化と顧客体験向上の双方に関わる、鉄道DXにおいて重要なテーマの1つといえます。

3.現場負荷を抑え、案内品質を守るためのアプローチ

こうした背景のもと誕生したのが、車内放送の自動化を実現する「CoToComm Voice(コトコムボイス)別ウィンドウで開きます」です。

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CoToComm Voice」のビジネスオーナーである千葉誠一は、その特長について次のように説明します。

「位置情報に基づく車内放送の自動化に加え、多言語にも対応しています。クラウドサービスのため短期間で導入でき、放送内容も指令室のPCから容易に変更・更新できます。また、既存設備と併用できるため、現場への負担や導入コストを抑えながら導入できる点も特長です」

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NTTテクノクロス デジタルトランスフォーメーション事業部
第二ビジネスユニット マネージャー 千葉 誠一

到着案内などの車内放送の自動化そのものは、すでに多くの鉄道事業者で導入が進んでいます。しかし従来のシステムでは、放送内容の変更や追加のたびに手間やコストがかかり、運行形態やサービス内容の変化へ柔軟に対応しにくいという課題がありました。

こうした課題に対して「CoToComm Voice」は、単に車内放送を自動化するだけでなく、運用負荷の軽減と継続的な活用を見据えて開発されました。

4. 現場に根づくDXを実現する、NTTテクノクロスの実装力

NTTテクノクロスは、20年以上にわたり鉄道分野のシステム開発に携わる中で、鉄道事業者特有の課題や運用ノウハウの理解を深めてきました。新しい技術を提案する際も、既存の業務や設備との整合性を重視し、運用に定着することを見据えた設計を行っています。

特に鉄道分野では、長期間稼働してきたシステムや設備を生かしながら、新たな技術を段階的に組み合わせていく視点が欠かせません。また、システム導入の設計だけでなく、関係者との認識合わせや検証、運用開始後の改善までを含めて考える必要があります。NTTテクノクロスは、鉄道事業者ごとに異なる運用や慣習を理解し、現場との対話や小さな検証を重ねながら最適な形を探ることで、実際に使われる仕組みづくりを支援してきました。このように、現場と認識を合わせながら継続的に改善を進める伴走型のアプローチは、NTTテクノクロスが鉄道分野で培ってきた強みの1つです。

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NTTテクノクロス デジタルトランスフォーメーション事業部
第二ビジネスユニット マネージャー 千葉 淳一

長年、鉄道業界を担当している千葉淳一は、現場理解を前提にした設計の重要性について、次のように語ります。

「鉄道の現場では、毎日の運行を支える業務が緻密に組み立てられています。だからこそ、新しいシステムを取り入れる際も、実際の運用をきちんと理解し、既存業務に無理なくなじむ形で設計することが大切です。そうした視点があってこそ、安心して使い続けてもらえるシステムになると考えています」

鉄道DXの成否を分けるのは、「導入できるか」ではなく、「日々の業務に定着し、継続的に価値を生み出せるか」です。鉄道事業者への深い理解と、既存環境との共存を見据えた設計力、そして検証と改善の積み重ねを通じて、実際の運用で価値を発揮する解決策へと導いていく。この実装力を強みに、NTTテクノクロスは鉄道DXの推進を支えています。

5. 鉄道DXを支えるパートナーとして

鉄道DXの対象は、先述した3つの領域に示されるように多岐にわたり、それぞれが独立して存在するのではなく、現場業務・利用者体験・データ活用などが相互に関係しながら成り立っています。

NTTテクノクロスは、個別の課題に対して、こうした鉄道事業の全体を俯瞰しながら最適な技術やシステムを組み合わせ、実運用に即した形で解決策を具体化していきます。特定の機能や製品の提供にとどまらず、現場で継続的に価値を発揮できる仕組みとして定着させることを重視しています。

重要なのは、これらの取り組みを単発の施策で終わらせないことです。個々の業務改善を起点としながら、利用者体験の向上や新たな価値創出へと発展させていく――その連続性を設計し、鉄道業界全体の変革へとつなげていくことが、鉄道DXの実効性を高める鍵となります。

鉄道DXとは、技術を導入することではなく、安全で持続可能な鉄道運営を未来へつなぐための変革です。NTTテクノクロスは、鉄道事業者とともにその変革を支えるパートナーとして、これからも現場に根づくDXを推進していきます。


* 所属・役職及び本記事の内容は執筆時点のものです。

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