海外生成AIアプリ開発ワークショップ(TechFest 2.0)実施報告
海外生成AIアプリ開発ワークショップ実施の様子をご紹介します。
神原健一の技術で広がる世界
- 2026年08月07日公開
はじめに
NTTテクノクロス株式会社で技術エバンジェリストとして活動している神原 健一です。普段は主にモバイル/ウェアラブル/IoT/生成AI関連の開発や技術支援、DX推進、国内外の講演・執筆、ソフト道場研修講師、サステナビリティ活動(学生向けIT/キャリア教育)などを行なっています。また、会社の文化醸成の一環として、技術や英語などのコミュニティを主催しています。
今回は、先日、登壇させていただいた国際イベント TechFest 2.0(マレーシア) の様子をご紹介します。
TechFest 2.0の概要と登壇経緯
TechFest 2.0 は、マレーシアの技術コミュニティ「Google Developer Groups on Campus (GDGoC USM)」が主催するテクノロジーイベントです。GDGoC USMは、Googleのテクノロジーにフォーカスを当てており、その中でも特に、機械学習・生成AI・クラウド・サイバーセキュリティ・フルスタック開発の5つのテーマを中心に活動されているそうです。イベントは講演と展示で構成されていました。
今回の登壇は、本コミュニティのオーガナイザーである Chong Siang さんからのオファーがきっかけでした。実は2025年に、DevFest SG(シンガポール)で生成AI&アプリ開発に関するワークショップを実施したのですが、その際にChongさんが私のセッションに参加してくれていて、光栄なことにその内容を大変気に入ってくれていたそうです。それが縁で、自身が主催するイベントで再演してほしいとのご連絡をいただき、実現に至りました。
他のスケジュールの都合もあり、今回は現地ではなく リモートでの登壇 となりました。
担当ワークショップの様子
イベントの中で、私は "Hands-On: Building Flutter Apps with Generative AI"(生成AIを活用したFlutterアプリ開発)" というハンズオンセッションを実施しました。
今回は持ち時間が60分だったため、DevFest SGで実施した80分セッションをベースに、内容を凝縮しました。また、AIの世界は進化が非常に激しいため、最新のトピックやトレンドも盛り込み、今回は以下の流れで進行しました。

アプリ開発への生成AI活用のアプローチについては、チャット型AIとエージェント型AIの2つの選択肢がありました。今回は、主催者との事前ディスカッションを踏まえ、 あえてチャット型AIを選択 しました。
セッション冒頭で、モバイルアプリ開発、および生成AIのアプリ開発への活用経験を参加者に聞いたところ、事前に聞いていた情報から想定していたとおり、ほとんどの方が未経験でした。そこで、まずモバイルアプリ開発と生成AIについて凝縮して説明し、演習パートでは、生成AIと対話しながら少しずつアプリを完成させる流れとすることで、手を動かしながらアプリ開発の流れを理解してもらうことに力点を置きました。


ハンズオンを終えた後は、最近のAIを取り巻く変化(パラダイムシフトやエージェント技術の進化)についても講演、デモを実施しました。
最後に、参加者の皆さんが作ってくれたアプリの様子はこちらです。

ほとんどの方がゼロからのスタートという状況の中、1時間のワークショップでここまで作り上げられたことに、参加者の皆さんのスキルと「完成させたい」という熱い思いを感じるとともに、ますます進化する生成AIの強力なパワーを改めて実感しました。
リモート開催における工夫
本ワークショップはマレーシアと日本を繋いだリモート開催となったため、イベント運営側と私でいくつかの工夫を行いました。
コミュニケーション面
- ・参加者側は会場全体が映る広角カメラ、講師側はWebカメラを使用
- ・参加者側・講師側ともに常時マイクをONにすることで、双方向のやり取りをスムーズに
ソフトウェア面
- ・画面キャプチャなどをリアルタイムに共有できる環境を用意
- ・参加者からの質問をリアルタイムに共有できる仕組みを整備
その他の工夫
- ・リモートゆえに演習で困っている参加者へのサポートは難易度が高いことが想定されたため、事前に現地ボランティアの方に内容を共有し、サポートいただけるよう調整
- ・現地の演習の進捗状況の把握が困難になることが想定されたため、序盤のアイスブレイクで話しやすい関係性を作りつつ、演習のマイルストンごとに音声で呼びかけることでカバー
- ・回線切断・遅延のリスクに備え、演習パート資料の事前共有、予備回線の準備(障害時にすぐに切り替えられるように)、画面解像度を落とした画面共有などで対策
最終的に、演習のマイルストン毎に、画面越しにリモートから現地に呼びかけると、気持ちよく大きな声で反応が返してくれ、現地開催に近い一体感のあるセッションを作れることを実感しました。ただ、体験を改善できる余地は無限にあるので、少しずつ新たなトライを入れていこうと考えています。

現地から寄せられた声
ワークショップ後、参加者の皆さんから以下のような感想をいただきました。
- ・手を動かしながら、想像していた以上にアプリを効率的に開発することができた。
- ・実現したいアイデアをどう形にしているかの有益なヒントになった。
- ・分かりやすく伝える力を感じ、イベントが忘れられないものになった。
リモートという制約がある中でも、こうした嬉しい言葉をいただけたことは大変励みになりました。
おわりに
今回は、海外生成AIアプリ開発ワークショップ(TechFest 2.0)の実施について、ご紹介しました。
次回の記事テーマは確定していませんが、何らかの技術に関する旬の動向やトピックをお伝えする予定です。楽しみにしていただけるとうれしいです。それでは。

新技術開発を好み、Androidは正式版が出る前から試用するなど、公私にわたってモバイルの世界に没頭。 プライベートで開発した「セカイフォン」で、 Multi-Screen UX Competition優秀賞受賞。MWC(バルセロナ)/IFA(ベルリン)/CES(ラスベガス)へのプロダクト出展、 国内外(デブサミやDroidconなど)のセミナー講演や書籍執筆(単著・共著含め5冊)などの活動も行っている。NTTテクノクロスきってのモバイル技術者。 プライベートでは旅行が好きで、現地の外国人にセカイフォンをデモすることが密かな楽しみ。

