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もはや常識?スマートデバイスを企業コミュニケーションに活用するポイント

企業でスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスを導入する動きが進んでいます。その目的は業務効率化そしてコミュニケーションツールとしての活用です。本コラムでは、企業におけるスマートデバイスの活用状況とその注意点を解説します。


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もはや常識?スマートデバイスを企業コミュニケーションに活用するポイント!


近年、社内業務にスマートフォンやタブレットといった、携帯性に優れ高速モバイルインターネット回線が利用できるスマートデバイスを導入する企業が増えています。
主な用途として、業務のスケジュール管理や紙の資料を電子化して持ち運んだりするなどがありますが、スマートデバイスはさらなる業務の効率化に力を発揮します。一日に何件もの取引先を訪問する業務に携わっている人にとっては、外出先から通話、メール、チャットを駆使して、社内にいる同僚や上司に結果報告をするといった迅速かつ円滑なコミュニケーションを図るのにも役立つのです。

日常の業務には欠かすことのできないコミュニケーションツールともいえるスマートデバイス。企業で導入の際は活用面ばかりに目を向けるのではなく、紛失・盗難対策も忘れてはなりません。 もしも紛失すれば、業務に関連する重要な情報の流出を招くからです。

加速を始めた企業のスマートデバイス導入

スマートフォンやタブレットに代表されるスマートデバイスを個人的に利用している人は多いでしょう。
企業でも、これらスマートデバイスの導入が進みつつあります。

IT市場を専門に調査とコンサルティングを手がける企業は2015年に、従業員数100名以上の企業や法人組織を対象に「法人ユーザーにおける携帯電話/スマートデバイスの導入配布状況・ニーズに関する調査」を実施しました。これによると、総従業員に占める携帯電話、PHS、スマートフォンの配布台数の割合を示す従業員配布率は年々増加傾向にあり、3年後にはスマートフォンの配布率は全体の約半分近くを占める見通しを示しています。また、タブレットの従業員配布率も同様に増加していて、3年後の配布率は現在の約2倍になると見込んでいます。

業務効率化だけではない導入目的

企業がスマートデバイスを導入する狙いは、業務の効率化とコミュニケーションの活性化です。
インターネットメディア事業を営む企業が実施した調査によると、企業がスマートデバイスを導入する目的として「顧客への迅速な対応」や「社内コミュニケーション・情報共有の向上」が上位に入っています。この結果からも企業は、コミュニケーションを主体としたツールとしてスマートデバイスを導入したいという意向をもっていることがうかがえます。

スマートフォンは、従来の携帯電話に備わっている音声通話やメールのほかに、アプリを使った連絡手段も利用できます。そのひとつがチャット用のアプリです。たまたま電話で連絡が取れない相手には、通知機能のあるチャットアプリを使ってメッセージを送れば、メールよりも迅速に用件を伝えることができます。

タブレットは、これまで紙媒体で用意していた資料を電子化して、取引先との打ち合わせ中に必要な情報を即座に見せられる利点があります。
最近は、ボールペンの使い勝手に近い高精細な描画のできるタッチペンも発売されるようになりました。これを使うと、ディスプレイに資料を表示して、図や文字を書き加えながら相手に説明をすることもできます。
また、打ち合わせに同席していない担当者と話をしたくなったときには、タブレットからビデオチャットアプリを起動してその担当者とモバイルインターネット回線を通じて簡易テレビ会議のような三者会談をするといったコミュニケーションの活用も可能です。


スマートフォンは連絡手段としてのコミュニケーション、タブレットは相手と緊密なやり取りとしてのコミュニケーションに高い潜在能力を秘めています。それぞれのコミュニケーションの持ち味を生かせば、業務の効率化に大きな役割を果たせるでしょう。

クラウドサービスと連携でさらに進化

一方、アドレス帳、スケジュール管理、オンラインストレージといったクラウドサービスを企業で活用していく動きも年々浸透しています。
平成27年版情報通信白書によると、平成26年末時点でクラウドサービスを利用している企業の割合は、平成25年末の33.1%から38.7%に増加しています。資本金が大きい企業ほどクラウドサービスを利用している割合が多く、資本金50億円以上の企業では7割を超えています。
ちなみに、産業別では「金融・保険業」の6割近くがクラウドサービスを利用しているとのことです。
背景には、ITコスト削減による経営の効率化があるようです。

クラウドサービスは、スマートデバイスとの連携性が優れています。そこで、業務でのコミュニケーションをさらに踏み込んで活用するには、スマートデバイスとクラウドサービスを組み合わせての利用が有効です。
たとえば、外出中にスマートフォンに登録されていない相手と連絡をしたいとき、クラウドサービスのアドレス帳から社内で共有している個人情報リストを参照することで相手に電話をかけたりメールを送ったりすることができるでしょう。
また、パソコンで作成中の資料を、クラウド型のオンラインストレージに保存しておけば、取引先でその資料をタブレットで見せることもでき、相手と円滑なコミュニケーションを図れます。

スマートデバイスを社内業務に生かすときは、単体でのコミュニケーションツールとしてはもちろんのこと、クラウドサービスの併用でさらなる応用が期待できます。

導入する際には忘れてはならない注意点

企業のイメージ

企業でスマートデバイスを導入する際には忘れてはならない注意点があります。それは、スマートデバイスの紛失や盗難で生じる情報流出です。

スマートデバイスの紛失や盗難は、決して珍しい出来事ではありません。
モバイル関係のセキュリティ企業が2014年に実施したスマートフォン紛失に関する調査によると、日本人就業者のおよそ4人に1人にあたる24%がスマートフォンの紛失を経験していると回答しているのです。

企業で配布したスマートデバイスを従業員が紛失してしまうと、機器内に保存している重要な情報が流出する恐れがあります。拾った人が操作をすれば、内部に保存してあるアドレス帳のデータやメールの内容を見られてしまう可能性があるからです。さらに、社内システムやクラウドサービスを利用するためのアプリを起動したときにIDとパスワードの入力を省略して接続できる設定にしてあると、システムに保存してある情報を参照できてしまうでしょう。もし、拾った人に悪意があれば、機器やクラウドサービスに保存してある情報を外部へ転送して流出させるかもしれません。

こうした紛失事故に対する有効策が、スマートデバイス内に情報を保存させないようにして情報流出を防ぐシステムの導入です。
機器本体を失う損失は生じるものの、情報流出の被害を最小限に抑えられます。情報を優先した対策が重要である点はふまえておきたいところです。

コミュニケーションを意識した企業の業務効率化に、今やスマートフォンやタブレットは必須のツールと言っても過言ではありません。
機器の紛失や盗難があったときの対策を社内で整え、クラウドサービスと合わせて活用をしていけば、業務の向上にさらなる可能性が見えてくるでしょう。

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参考文献


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