石黒博之のお手軽体験!ビジネスインテリジェンス【第三回】クロス集計でレポートを作成してみよう
YellowfinというBIツールを用いて、利用機会も多いクロス集計でレポート作成します。
BI(ビジネスインテリジェンス)活用コラム
- 2016年10月17日公開
第2回目で簡単なレポート作成としてカラム集計のレポートを作ってみました。そこでカラム集計イメージは掴めたと思いますので第3回目の今回は利用機会も多いクロス集計でレポート作成を行いたいと思います。
はじめに
レポート作成時の手順などに関しては、第2回目で詳細に説明しておりますので、操作方法が知りたいと言う方は、そちらを一読して頂ければと思います。
レポート作成を始める前に、少し便利な機能を紹介したいと思います。BIツールのYellowfinは全てHTML5で構成されているため、画面レイアウトの変更が簡単に行う事が出来ます。
変更前のログイン画面とログイン後の標準の画面イメージは以下のようなレイアウトになっています。
これらの画面のレイアウトを変更すると以下の様になりました。どこかが変わったか分かるでしょうか。
【変更(画像ファイル差し替え)箇所】
・ログイン画面 中央の画像、左上のロゴ
・ログイン後の画面 左上のロゴ
この3か所を変えるだけで、この分析の所有者を明らかにすることができ、法人利用では、その会社の関連サービスであるような印象を与えられます。
画像ファイルを差し替えるだけの変更だけでなく、オリジナルのCSSファイルを読み込ませることで、画面の配色をコーポレートカラーに統一したりするような事も出来ます。
このように柔軟に変更できるのは、YellowfinがHTML5で構成されているゆえの利点です。
クロス集計レポートの作成
データの設定
それでは、本題のクロス集計のレポート作成に進みたいと思います。
カラム集計レポートと同様にレポート作成用の画面に遷移します。
今回は、店舗毎の日別の売上推移のレポートのクロス集計レポートを作成してみます。
左側に表示されている「売上日」をカラム(列)へ、店舗名をロウ(行)へドラック&ドロップします。
そうすると、画面上に
『集約されたメトリック(数値)フィールドを含める必要があります。』
と注意書きが表示されます。
第2回目で説明したとおり、クロス集計レポートは、「縦と横でぶつかった部分で集計して表示する」という構造になるため、縦に店舗名、横に売上日とした際の”ぶつかった部分で集計する項目”が必要になります。今回は、売上金額の合計を集計項目にしますl。
よって、売上日の横に売上金額を配置し、集約から合計とし、表記も売上合計に変更します。
これで『売上日×店舗名の売上推移』の帳票が出来ました。
なお、フィルターが未設定ですと、全期間のデータが出力されてしまうので、フィルターに売上日を追加して日付での絞込が出来るようにします。
ただ日付フィルターは、毎回手動で日付入力するのは手間が掛かってしまいます。そこでお勧めなのが定義された式を利用する方法です。
フィルターに「売上日」を設定、「フィルタボタン」→「売上日」→「入力スタイル」→「一覧から値を選択」とし、定義された期間を選択します。
これを使うとYellowfin側でシステム日付から自動的に指定された日付を計算して設定します。デフォルト値として設定しておけば、通常時は昨日の売上を表示、必要に応じて今月の売上を表示、といった使い方が出来ます。
この定義された式の中には、カスタムという選択肢もあり、任意の範囲を選択することも出来るため、日付をフィルターに使う時は定義された期間を選択しておくと便利です。
今回はデフォルト値を「今週」とします。これで表示されるデータ量が自動的に閲覧している日が該当する週になります。
合わせて、日別の合計(縦合計)と店舗の指定期間の売上合計(横合計)も表示しましよう。
縦合計は売上日の「▼(逆三角)ボタン」→「カラム(列)合計」を選択します。
横合計も同様に店舗名の「▼(逆三角)ボタン」→「カラム(行)合計」を選択します。
縦と横にそれぞれ合計欄が追加され合計が表示されました。
グラフの作成
では、続いてグラフ作成に進みたいと思います。
売上日に応じて、売上がどう変化しているのか、の推移を見るのに適しているのは、折れ線グラフなので、今回もその例にならって、利用するグラフは線グラフ、横軸に「売上日」、縦軸に「売上合計」、色に「店舗名」を配置します。
クロス集計の場合、分類に該当する項目を色に選択すると、自動的に分類の数だけ配色、凡例に追加して描画される仕組みになっています。ここで、分類内の1つを強調したいといった場合(例えば、店舗Aの線だけ太くしたい等)は、「グラフシリーズの設定」から変更することが出来ます。
シリーズボタン」→「シリーズ投入」を選択します。
すると分類が自動的にシリーズとして登録され、それぞれ個別に書式を設定することが出来ます。
今回は形状を「Yes」、幅を「4」ピクセルとしてみます。
各日付のデータに■(形状)が付与され、線の幅が少し太くなりました。
もう1つ、線グラフ特有の機能があるので、設定したいと思います。「歯車マーク」→「インタラクション」を選択し、単位選択を表示を「ON」、日付スライダーを「ON」とします。
表示設定
ここまで設定が完了したら、表示画面に移動します。
実行すると、線グラフの上部に日~年までが表示されます。これが単位選択の機能となり、データを自動的に選択した単位にまとめることが出来ます。
線グラフの下部に表示されるのが、日付スライダーです。通常は、表に表示されている範囲と同じデータがグラフに表示されますが、グラフの表示範囲をユーザが自由に変更することができます。
例えば売上日を「今年(暦上)」に変更して表示するとこのような非常に細かい表示になります。
単位選択で、単位を「月」、日付スライダーで範囲を「2016/4/01から」を選ぶと、このように非常にすっきりした描画になります。
日単位のグラフでは、よく分からなかったと思いますが、月単位で見てみると、段々売上が落ちてしまっていることが分かると思います。
もちろん数字上も減っているのですが、グラフで表現すると、一目で分かると思います。
レポートの保存
以上でクロス集計のレポートが完成しました。
次回は、売上ランキングのレポートを作成してみたいと思います。
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この記事は2016年公開の記事のため情報が古い可能性があります。
本記事の更新版(2022年公開)は下記からご覧いただけます。
第3回:BIツールで分析を始めてみよう!~レポート作成編 Part2~
/column/tec/bi_sol/taiken/03/
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【第二回】シンプルなレポートを作成してみよう < > 第四回】ランキングレポートを作成してダッシュボードにまとめてみよう
ビジネスソリューション事業部 アシスタントマネージャー
ビッグデータという言葉が流行する前からビッグデータに出会ったことがきっかけでビジネスインテリジェンス(BI)の仕事に携わりました。本BLOGでも登場するYellowfinというBIツールの社内第一人者として社内外にアピールしながら、日々BIの業務に当たっております。2015年度には、東日本旅客鉄道株式会社様の分析基盤を構築いたしました。詳細は、弊社導入事例のページでも紹介しておりますので是非ご覧ください。