石黒博之のお手軽体験!ビジネスインテリジェンス【第四回】ランキングレポートを作成してダッシュボードにまとめてみよう
YellowfinというBIツールを用いて、分析の定番、ランキングを出力してみましょう。
BI(ビジネスインテリジェンス)活用コラム
- 2016年10月31日公開
第3回目でクロス集計レポート作成を紹介しました。これで基本的なレポート作成イメージは掴めたと思いますので、第4回目の今回は、分析の定番であるランキングを出力する内容をお伝えしたいと思います。
なお、作成したレポートをまとめて1つの画面で閲覧するダッシュボードという機能もありますので、そちらも紹介したいと思います。
3rdPartyAdapterの紹介
さて、今回もレポート作成を始める前に便利な機能を紹介したいと思います。
Yellowfinには、3rdPartyAdapterと呼ばれる機能があり、Googleスプレッドシート、Google Analyticsなどのクラウドサービスのデータを取得して、サンプルレポートも合わせて生成される機能が付いています。
今回は、Webサイトのアクセスログ解析では使っている方も多いGoogleAnalyticsのイメージを紹介したいと思います。
3rdParyAdapterはYellowfinの中ではプラグインとして登録する方式となっています。
GoogleAnalytics用のプラグインが製品ベンダより提供されておりますので、それを上記の様に登録します。
登録後、第1回目で紹介した「ビューの準備」のデータソースへの接続方法と同じようにGoogleAnalyticsへの接続情報を設定します。登録の際Googleアナリティクス認証(データ参照許可)を取得する必要がありますので、閲覧以上の権限を持ったGoogleアカウントを用いた認証が必要となります。
認証が完了すると、下記のような分析レポートが提供されます。
GoogleAnalytics側のレポートでも分かるセッション数(アクセス数)なども参照できますし、どんな時間帯にアクセスしている人が多いかをヒートグリッドグラフ(サーモセンサーのように表示するグラフ)で表現できるのは、Yellowfinならではの分析かと思います。
このように、Yellowfinは、自社で利用しているクラウドサービスなどのデータも取込ながら分析に役立てられる機能も持ち合わせています。
ランキングレポートの作成
では、本題に戻って、ランキングレポートを作成してみたいと思います。
レポート作成の画面に遷移します。
今回作るランキングレポートは、売上個数ランキングのレポートです。
作成の流れは、通常のレポートと変わりません。レポート作成画面へ移動して、商品名、売上金額をカラム(列)に設定します。
今回欲しいのは商品の売上個数となるので、売上金額の▼→集計→個数を選択します。
これで商品毎の売上個数が集計できました。表記も書式設定から「売上個数」に、フィルターに売上日を登録して指定した期間の売上個数が出せるようにします。
この状態で売上個数の降順(多い順)に並び変えて終了。というのはさすがに寂しすぎるので、Yellowfinでランク付けする関数が用意されているので使ってみたいと思います。
まず、売上個数をもう1つ追加します。
追加した売上金額(Count 売上金額)→▼をクリック→高度な関数を選択します。
Yellowfinには今回のランキングを自動計算して出力する関数も含め、分析に必要な様々な関数が準備されているため、選択するだけで出力することが可能です。
今回はランキングなので、「最上位から10位」を使いたいと思います。なお、「最上位からN位」を選択すると、任意の順位にすることも可能ですし、「最上位からN位(同順位を含む)」を選択すると、同率順位の場合の次点順位が変化します(同率1位があった場合次点を2位にするのか、3位にするのか)。
選択すると、アイコンの色が緑色に、名称も代わり、出力内容も順位を示す数字になります。
あとは、書式から名称を変更し、順番を先頭に変更、データの並び順を昇順(小さい順)すれば完成です。
もちろん、指定条件に従って、ランキングを振り直すので結果によって、ランキングも自動的に変わります。例えば、以下の様フィルター条件で値を「昨年」と設定すれば、昨年の売上個数ランキングが出力されるます。
このように高度な関数を利用する事でランキングに関しては簡単に出力することができます。
ダッシュボード作成
さて、冒頭でも紹介しましたが、「ダッシュボード」という機能を使って
これまで作成してきたレポートをまとめて1つの画面で参照できるようします。
すると点線の枠がいくつか表示されたダッシュボード作成画面に遷移します。
「ここにレポートをドラッグ」と書いてある通り、同一画面で見たいレポートを各枠にドラック&ドロップで登録します。点線枠の領域がレポート表示枠となっており、1段目は固定ですが、左上のレイアウト作成ボタンで、2段目以降のレイアウトを5種類から選択することができます。
それでは、早速ドラック&ドロップでレポートを挿入してみます。左側のフォルダボタンを選択すると検索ボックスが現れるので、登録したいレポートを検索します。2回目で作成した「商品別総売上」のレポートを検索しましょう。
検索で見つけることができたら、ドラック&ドロップで任意の領域に配置します。
指定された横幅でレポートがローディングされます。なお、縦幅はドラッグして自由に大きさを変更可能です。
同じ方法で第3回に作成した「店舗別売上推移」と今回作成した「売上個数ランキング」もダッシュボードに加えます。
ダッシュボード特有の機能として、特定のレポートのフィルターの値を同一のダッシュボード内の他のフィルターの値に受け渡して、連動させるものがあります。分析設定ボタンを押下し、使いたいフィルターを有効化します。その後、受け渡すレポートを選択します。
ダッシュボードの設定で、引き渡しの項目を設定します。「商品別総売上」と「店舗別売上推移」のどちらにも「売上日」がフィルター項目となるので、「店舗別売上推移」のレポートを選択し、「売上日」のフィルターを「店舗別売上推移」側に引き渡すという設定になります。
同様に売上個数ランキングでも、フィルターの受け渡しを実施します。なお、受け渡し設定が完了すると、リンクのアイコンがチェック状態に変わります。
設定が完了したらOKを押下して、フロッピーディスクマークからダッシュボードに名前を付けて保存(有効化)します。
保存が完了すると、下の様に1画面で3レポートを同時に閲覧することができます。
ダッシュボードにフィルターを適用するには、画面左側からフィルターボタンでメニューを出して、設定して実行します。
例えば、下の図のように10月に範囲を設定して実行すると
売上日のフィルターの値が全レポートに引き継がれて、売上日が10月のデータが出力される状態となります。
このように、様々な分析レポートを作成し、複数をダッシュボードにまとめて参照することで一度に様々な指標を把握することができます。
このダッシュボードは作成して複数のユーザで共有して利用する事もできますし、個人が必要なレポートを集めて、個人用のダッシュボードを作成することも可能です。
おわりに
これまで4回に渡ってBIツールを使った分析のやり方を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。普段Excel等を使って似た様な事を実施している方もいらっしゃると思いますがBIツールを利用した場合のイメージが伝わったでしょうか。
つたない文章だったこともあり、分かりにくい点も多々あったかと思いますが、BIツールの魅力や必要性が伝わったのであれば嬉しく思います。
本ブログは一旦ここで一区切りとなりますが、本ツールで皆様の会社内にあるデータを利用して実施してみたい。現在業務でBIツールが必要な状況になっているなど
是非、弊社でお手伝いできることがあれば、お問い合わせよりご連絡いただければ幸いです。
最後まで閲覧いただき、誠にありがとうございました。
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この記事は2016年公開の記事のため情報が古い可能性があります。
本記事の更新版(2022年公開)は下記からご覧いただけます。
第4回:BIツールで分析を始めてみよう!~レポート作成編 Part3~
/column/tec/bi_sol/taiken/04/
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< 第三回】クロス集計でレポートを作成してみよう
ビジネスソリューション事業部 アシスタントマネージャー
ビッグデータという言葉が流行する前からビッグデータに出会ったことがきっかけでビジネスインテリジェンス(BI)の仕事に携わりました。本BLOGでも登場するYellowfinというBIツールの社内第一人者として社内外にアピールしながら、日々BIの業務に当たっております。2015年度には、東日本旅客鉄道株式会社様の分析基盤を構築いたしました。詳細は、弊社導入事例のページでも紹介しておりますので是非ご覧ください。