【セミナーレポート】製造業向け「サプライチェーンの強靭化を後押しするDX基盤構築」セミナー
2025年11月26日に開催された製造業向けセミナー「サプライチェーンの強靭化を後押しするDX基盤構築」の当日の模様と当社講演の内容をダイジェストでご紹介いたします。
2025年11月26日、製造業向けセミナー「サプライチェーンの強靭化を後押しするDX基盤構築」(サイオステクノロジー株式会社主催)がベルサール八重洲にて開催され、NTTテクノクロス社員が2つの講演に登壇しました。
本セミナーでは、「これからの製造業を考える」をキーワードに、製造業のサプライチェーンに関わる重要システムやネットワークの安定稼働にオブザーバビリティやセキュリティ監視がどのように寄与するかについて、事例紹介を中心とした講演と各社による個別相談会が実施されました。
本記事では、当日の模様と当社講演の内容を中心にダイジェストでご紹介いたします。
■セミナー概要
| 日時 | 2025年11月26日(水) 16時〜17時 |
| 開催場所 | ベルサール八重洲 |
| 主催 | サイオステクノロジー株式会社 |
| 共催 |
Elasticsearch株式会社 NTTテクノクロス株式会社 |
■アジェンダ
| No. | タイトル | 登壇社 |
| 1 | オープニング | サイオステクノロジー株式会社 |
| 2 | サプライチェーン分断リスクと解決アプローチ | NTTテクノクロス株式会社 |
| 3 | 事例紹介①AIによるインシデント対応の迅速化と故障予兆の検知~予測と即応で、止まらない現場をつくる~ | NTTテクノクロス株式会社 |
| 4 | 事例紹介②Elasticsearch活用による製造業のセキュリティ監視事例紹介 | 横河デジタル株式会社 |
| 5 | Elasticsearchソリューション紹介 | Elasticsearch株式会社 |
| 6 | Elasticsearchソリューションをさらに深める情報交換会 | ー |
セミナーの様子
■当社はAIを活用したオブザーバビリティ事例を紹介
当社は2016年からElasticsearch社のパートナーとして多くのお客様への「Elasticsearchソリューション」の導入支援実績を持ち、特に生成AIや機械学習を活用したオブザーバビリティ(障害対応の迅速化・高度化)の実現について豊富な経験があります。
今回のセミナーではそのノウハウと豊富な知見を活かし、「サプライチェーン分断リスクと技術的解決アプローチ」と題した講演と、続いてオブザーバビリティの実現事例を紹介しました。
講演:サプライチェーン分断リスクと解決アプローチ
ビジネスイノベーション事業部の愛宕マネージャーが登壇し、サプライチェーン分断リスクの背景にあるグローバルな社会情勢や近年頻発するインシデント事例を具体的に紹介し、製造業においてサプライチェーンの分断が大きな事業リスクであることを説明しました。
システム障害の事例では、精密機器メーカーや自動車部品製造業などで実際に発生した障害事例について紹介することで、参加者は自社で起こりうるリスクを具体的にイメージできたようです。
愛宕マネージャーは、事例紹介の中でシステム障害が発生することで単なる自社のみのシステム停止にとどまらず、停止期間中の機会損失や、サプライヤーも含めた補償対応による数億円規模の損害が発生する可能性があることを強調しました。
そうした事態を軽減・回避するために、オブザーバビリティとSIEM(Security Information and Event Management)*の重要性について解説し、リアルタイムでの異常検知や迅速な対応が、サプライチェーンの安定化に不可欠であることを力説しました。本セミナーの核となる大変重要なワードが出てきたことで、普段から課題に取り組んでいる参加者はぐっと引き付けられた様子でした。参加者の多くが頷きながらメモを取る姿から、課題の深刻さと解決策への期待感が伝わってきました。
*SIEM(Security Information and Event Management:シーム)とは
ネットワークの監視、サイバー攻撃やマルウェア感染などのインシデント検知を目的とした仕組みのこと。
ビジネスイノベーション事業部 マネージャー 愛宕氏
事例紹介:AIによるインシデント対応の迅速化と故障予兆の検知~予測と即応で、止まらない現場をつくる~
続いて、ビジネスイノベーション事業部の中村統括マネージャーが登壇し、当社が通信業界で培ったオブザーバビリティ導入の実績をもとに、そこで培った障害の早期検知や迅速対応、予兆検知の技術を製造業のサプライチェーン強靭化にどのように活用できるかを具体的に解説しました。
講演の中では、インシデントが発生した場合の対応速度の重要性が強調されました。
その対処方法の最も大切なことの一つが「初動の効率化」だといいます。
特に監視フローの自動化やアラートメール等の生成AIと連携した判断の迅速化で、アラート発報からインシデント検知までの時間が100分から15分以内になった事例を紹介しました。85%もの驚異的な改善が行われたという結果に大きな驚きが広がりました。
もう一つ重要なこととして「予兆検知」についても紹介があり、Elasticsearchのダッシュボードを用いた予兆検知の実例紹介では、過去の障害事例を基にした大規模障害の未然防止策が具体的に示され、参加者は実環境での活用イメージを膨らませている様子でした。
「生成AIを活用した原因解析・分析」や「機械学習を活用した予兆検知」は参加者の関心度が特に高く、熱心にメモを取りながら講演に耳を傾けている姿が印象的でした。
中村統括マネージャーはオブザーバビリティの本質についても言及しました。単なる監視とは異なり、「なぜ問題が起きているのか」を深く理解することができる点を強調し、問題発生時に迅速かつ正確に原因を特定できるシステムは、運用効率の向上やダウンタイム削減に直結すると説明しました。
ビジネスイノベーション事業部 統括マネージャー 中村氏
※当社講演内容の詳細は後日ブログにて掲載します。
■OTセキュリティ強化の課題と解決事例、Elasticsearchソリューションの最新情報
横河デジタル株式会社 セキュリティ事業部 マネージドサービス部 セキュリティエンジニア 松山様より、Elasticsearchを活用した製造業におけるセキュリティ監視の事例が紹介されました。工場DX/スマートファクトリー化の進展に伴い増大するサイバー攻撃のリスク、特にOT(Operational Technology)への攻撃がもたらす深刻な影響について解説し、OTセキュリティ強化の重要性を訴えました。
Elasticsearchを活用したSOC(Security Operation Center)の導入事例では、参加者が運用イメージを掴みやすいよう、セキュリティ監視の課題をどのように解決できるのかを丁寧に解説されており、参加者は講演の内容を自社の課題解決に活かそうと熱心に聞き入っている姿が印象的でした。
横河デジタル株式会社 セキュリティ事業部 マネージドサービス部 セキュリティエンジニア 松山氏
Elasticsearch株式会社のSenior Partner Solutions Architectコガ・アーロン様からElasticsearchソリューションの紹介がありました。
Elasticsearchが提供する検索・オブザーバビリティ・セキュリティの3つのソリューションについて、それぞれの特徴や実現できることを製造業での課題に焦点を当てはめながら詳しく解説がありました。AIと機械学習によって、既知の脅威データベースから想定しうるサイバー攻撃や、想定外の脅威を検知できる高精度のセキュリティ分析などについて説明があり、参加者はElasticsearchへの理解をより深めていました。
Elasticsearch株式会社 Senior Partner Solutions Architect コガ・アーロン氏
■編集後記
今回のセミナーを通じて、製造業のサプライチェーン強靭化に向けたDX基盤構築の重要性を私自身も改めて実感しました。参加者の皆様が真剣に耳を傾け、メモを取る姿から、現場の課題解決に対する強い意欲と期待を感じ取ることができました。
各社が多様な視点から課題提起や技術的な解決策を提示したことで、参加者の関心は一層高まり、多くの参加者に強く響いたと感じました。
講演後の参加者との対話では、今後の導入検討や課題解決に向けた前向きな動きが見受けられ、こうした交流の場が製造業のDX推進における貴重な情報共有の機会になったのではないかと思います。
NTTテクノクロスでは、Elasticsearchの導入検討から運用まで、お客様の課題に寄り添い、お客様と共に実現したいゴールを描きながら最適な提案をさせていただきます。
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