PROJECT STORY
マジックコネクト緊急需要対応プロジェクト
Introduction
プロジェクト概要

急激に伸びるユーザー数への対策と
サービス強化を両立せよ!

2020年初頭、新型コロナウイルス感染症COVID-19の世界的な流行を受け、日本でも全国に外出自粛が要請された。企業活動にも制限が設けられ、各社従業員のリモートワーク対応に向けた環境の整備が急務となる。

そこで急速に需要が高まったのが、自宅でもオフィスと同様のPC作業を可能にするリモートアクセスツールだ。NTTテクノクロスが開発・販売する「マジックコネクト」も、導入候補の一つ。発売以来一度も情報漏洩を起こしていないセキュリティ性能と手厚いサポート体制を多くの企業に評価いただき、通常の100倍近くもの問い合わせが殺到。世界中を襲った未曾有の事態に対応するための、メンバーの挑戦が始まった。

Member
メンバー
山田 憲明
ビジネスイノベーション事業部
アシスタントマネージャー
2006年入社
情報工学科出身
橋口 滉平
ビジネスイノベーション事業部
エンジニア
2018年入社
情報工学科出身
竹村 彰生
ビジネスイノベーション事業部
リーダー
2012年入社
情報工学科出身

リモートワーク需要が急増する中、
お客様の期待に応える

「もしかしたら、いま進めているマジックコネクトのUI修正は、一度止めないといけないかもしれない」

2020年2月のある日、竹村は今後のプロダクト開発の予定変更について、その可能性を口にする。当時、開発を担当するリモートアクセスツール「マジックコネクト」を導入したいという問い合わせが急拡大。新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、多くの企業が従業員のリモートワーク環境の整備を急いでいたのだ。入社してすぐ、このプロダクトの追加開発に携わってきた橋口は、マジックコネクトの競合優位性を次のように語る。

「使いやすさ、導入のしやすさに加え、2004年のサービス提供開始以来、高いセキュリティ性能と手厚いサポートを維持してきた実績は、初めてリモートワークに踏み切る企業にとって大きな安心材料だったのでしょう。」

3月に入り、導入を急ぐ企業からのアクセスはさらに膨らみ、ピーク時は昨年比100倍近くという前代未聞の問い合わせがあった。電話やメール。導入を希望するユーザー候補への応対は、予測を大きく越え受付窓口のキャパシティをオーバーした。そこで、すでにマジックコネクト開発を離れて別のプロジェクトで活躍しているメンバーもその支援に招集され、緊急対策チームが結成される。

「まずはインフラの強化から始めよう」

状況を見た山田は緊急対策チームのメンバーにそう伝えた。クラウド環境下でサービスを提供するマジックコネクトにとって、ユーザー数の増加に伴うサーバーへの過剰な負荷は、パフォーマンスの低下に直結する。サービスの品質を維持するための的確な判断だった。山田を中心に竹村、橋口をはじめとするメンバーで対応。

「サーバーの増強対応と、サービス設計の見直しに伴う負荷試験、パフォーマンスチューニングなどに明け暮れました。そんな苦しい状況において、開発チーム内での協力は大変心強いものでした。他部署から支援に参加してくれるメンバーもいて、頼もしかったですね。」

社会に必要とされていることを実感。
製品力と開発チームの組織力を強化

問い合わせは、新規に導入したいという内容だけではなかった。マジックコネクトを新規導入した企業の中には、リモートワーク対応を迫られ急遽サービスを取り入れたケースも多く、利用方法に関する質問も急増。代理店からも、同様の問い合わせが数多く寄せられていた。こうした事態への対処として、橋口はマジックコネクトへの機能追加を提案し、その実装に取り掛かった。

「サポート機能の改善策として、エラーが出た場合の対処について最適なタイミングでポップアップメッセージを表示する仕組みを組み込みました。社内のサポートチームや代理店の方々のリソースを使い対応を進める方法ではいつか限界がきてしまいます。問い合わせに対し先手を打てる方法として、機能追加を提案しました。」

さらにメンバーたちを悩ませたのが、製造出荷対応だ。マジックコネクトは、ユーザーアカウントが登録されたUSBメモリをアクセスキーとしているため、契約ライセンスの数だけハードウェアを用意しなければならない。しかし、緊急事態宣言の発令前後に契約が集中したため、USBメモリの準備・発送に遅れが出始めていた。さらに、追い討ちをかけるように、USBメモリの在庫も切迫し始めた。竹村はこの状況を次のようにクリアしたと語る。

「USBベンダーに増産の依頼をしつつ、より早く導入したいユーザーには、一時的にインストール版でのご利用をご案内させていただきました。インストール版は、使用端末は限定されますがウェブからダウンロードできるため、USBの準備を待たずに導入が可能です。お客様の利用環境やニーズに合わせ、予め複数の利用タイプをご用意していたことが、意外なところで役に立ちました。」

次々に課題をクリアしていくチームに対し、社内からは多くの激励と大量の差し入れが届く。さらに、かつてマジックコネクトの開発に携わり現在は他部署に活躍の場を移したメンバーが、奮闘を聞きつけ一時的にチームに合流する。全社から注目されていること、そして全社をあげた協力体制に、メンバーは勇気付けられたという。何よりも、コロナ禍という状況において必要とされるソリューションを提供し、世の中を支えるという使命に、メンバーたちは奮い立った。

ピンチをチャンスに。多様化するお客様のワークスタイルに寄り添って

夏が近づいてきた6月某日、状況が徐々に落ち着き始めた。この時の変化について、竹村はこう解説する。

「お問い合わせへの対応など顕在化した課題に対する改善に加え、今後起こりうる可能性を先回りし業務フローの改善などを行えたことが、大きかったと言えるでしょう。新規導入を検討するユーザー用のトライアルセットを予めストックするなど、出荷が効率化されました。」

すると、橋口が「それ以上に…」と主張する。

「このトンネルを抜けようと一致団結できたことで、全体の対応力が上がったのだと思います。営業、開発や運用サポートといったそれぞれの領域で活躍する社員が、お互いの領域に影響し合うことで、ワンチームになれたのが勝因です。当時の私は入社3年目になったばかりでしたが、若い私でもチームから仲間として頼りにしてもらえたのが嬉しかったですね。」

山田は次のように思い返す。

「サービス品質の低下や一時サービス停止などの対応を行う製品が出てくる中、マジックコネクトは品質改善を続けサービス継続することができました。当時の数か月間は、それまでにない試練ではありましたが、結果的には、集中的にマジックコネクトをより質の高いサービスへと強化する期間でもあったと感じています。これからも、多様化するお客様のワークスタイルにより多く貢献できるよう、サービスの改善を続けていきたいですね。」

本格的な夏を迎え、徐々にメンバーたちは本来の業務に戻っていった。そしてこの数か月を乗り切り、マジックコネクトのユーザー数を飛躍的に拡大させたチームメンバー全員に社長賞が贈られた。

今回の対応でマジックコネクトはシェアを拡大しサービスも強化されたが、まだまだ発展途上。働き方の多様化は進みテレワークの需要は拡大、マジックコネクトへの導入希望は今も伸び続けている。今後も、ユーザーにより快適に使っていただくためのUI改善や、サービス導入フローの迅速化など改善を行っていく予定だ。これからもチームで協力していければどんな課題も解決できると、メンバーたちは確信している。

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