はじめに

こんにちは。NTTソフトウェア株式会社の神原です。Androidで広がる世界の第15回です。昨年8月に第1回を書いた頃は、Android 6.0のプレビュー版を使いながら、新パーミッションの特徴や実装方法を調査していたことを思い出しました。現在、Androidは7.0 Nougatの正式版がリリースされ、さらに、最新版の7.1は開発者向けのプレビュー版(Developer Preview 1)が提供されています。Android 7.1には、目玉機能の1つとして、 「App Shortcuts(アプリショートカット)機能」 があります。本機能に焦点を当て、ユーザ視点で同機能の特徴や、開発者視点で設計や実装で考慮すべきポイントを数回に分けて、解説していきます。

「App Shortcuts機能」とは？

App Shortcuts(アプリショートカット)とは、一言でいえば、アプリが提供する機能を簡単に起動可能としてくれるものです。Androidのホーム画面において、対象とするアプリのアイコンをロングタップすると、ポップメニューがふわっと表示されます。さらに、起動したい項目をタップすることで、その機能が起動します。

このように、ショートカットが提供されている機能に関しては、アプリ起動後に深い階層をたどるという煩雑な操作を行うことなく、利用したい機能を簡単に起動できるようになります。言い換えると、ユーザが定常的に行っている操作手順が減ることになるため、 ユーザ体験の向上 が期待できますね。また、ショートカット内の「=」アイコンをドラッグ＆ドロップして、ホーム画面上にショートカットを配置することもできます。もちろん、その配置したショートカットのアイコンをタップすれば、その機能を直接起動できます。

各アプリで提供されているショートカットを幾つかご紹介します。アプリによってバラバラですが、いずれのアプリも特に使いたい機能が提供されているという印象を受けました。

ちなみに、ショートカット機能が提供されていないアプリでは、当然ながら、アイコンをロングタップしてもポップメニューは表示されません(以前のAndroidバージョンと同じ振る舞いとなります)。もう1つ押さえておきたいのは、アプリショートカットは、同機能をサポートしたホーム画面(ホームアプリ)でのみ利用できることです。別の言い方をすれば、Android 7.1の端末でも、アプリショートカット機能をサポートしていないホームアプリを利用している場合は、アイコンをロングタップしてもポップメニューは表示されません。予め注意しましょう。

「App Shortcuts機能」の独自アプリにおける実現方法

自分たちが開発する独自アプリで、ショートカット機能を提供するには、どうすればよいでしょうか？2つの方法が存在します。

• (1)静的な方法

  • 追加したいショートカット情報をXMLファイルで予め定義しておく方法です。

• (2)動的な方法

  • 追加したいショートカットをJavaコードから動的に作成する方法です。

アプリ側で、2つの方法からいずれか一方だけ、もしくは、両方に対応しておくことで、ショートカット機能を実現できます。いずれの方法でも、ショートカットとして表示する文字列やアイコンなどの情報を指定できます。具体的な方法は、次回の記事でご紹介したいと思います。

おわりに

今回は、Android 7.1のショートカット機能に関して、ユーザ視点でご紹介しました。次回以降では、開発者視点で、実装時のポイントなどを解説する予定です。ぜひ、次回の記事も楽しみにしていただけると幸いです！

参考URL

Androidで広がる世界(本ブログのトップページ))