IoT活用のヒント! ビジネスモデル変革とIoT
IoT活用のヒントがここに!サブスクリプションビジネスの事例を基にビジネスモデル変革や必要なシステムについてコラムでご紹介します。当社の課金システムは料金計算から決済連携などトータルな機能を備え、IoTを活用したビジネスモデル変革を支援します。
ソリューションコラム
- 2016年09月28日公開
リオオリンピック・パラリンピックが終わり、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた社会全体のICT化が加速されます。最近では、都市部に限らずリアルタイムにバスの到着時刻がわかることが一般的になりました。従来からの技術の組み合わせで実現されていますが、通信インフラの整備やセンサーの低価格化にともなってIoTとして脚光を浴びています。このようにIoTについては、その言葉を聞かない日は無いくらい注目され、多くの企業でIoTの活用が検討され始めているのはご承知のとおりです。
ただ、まだまだ多くの企業ではどこから手をつけるべきか試行錯誤しているのが現状かと思います。IoTに関する事業企画を任せられた担当者の皆様は、「社内でIoT活用についてどのように説明していくか」、日々悩まれているのではないでしょうか。
今回のコラムでは、IoTを活用したビジネスモデル変革について考えていきたいと思います。
「フロー型ビジネス」から「ストック型ビジネス」へ
まずは、昨今のフロー型ビジネス(“モノ売り”)からストック型ビジネス(“サービス提供”)へのシフトについて考えていきたいと思います。
なぜ、多くの企業でフロー型ビジネスからストック型ビジネスへの変革を進めているのでしょうか。モノが売れない時代になっているからに他ありません。(図表:モノからサービスへの消費構造の変遷) 従来は、対価を払う価値は、「所有価値」としてモノを購入することを前提としていましたが、本当に対価を払うべき価値は、そのモノを利用した結果である「利用価値」であることに気づいたのです。(他にも、通信インフラが整備され、ストレージやメモリなどIT機器が低価格で無限に近く利用できるようになるなどビジネスへのICT活用の外部環境が整ってきたことも大きいですね)。
フロー型ビジネスからストック型ビジネスへのシフトについては、IT企業ではSaaS、PaaS、IaaSなどとしてサービス提供されることが当然の世の中となりつつありますが、最近では、IT企業以外が自社のコアビジネスをas a serviceとして提供する事例がでてきました。
【図表:モノからサービスへの消費構造の変遷】
(出所)総務省「家計調査」より当社にて作成
一方、IoTの活用についてですが、センサーで収集したデータを直接販売することや、見える化して利用料で課金するビジネスを成立させることができる企業はほんの一握りです。既にコアビジネスを持たれている企業においては、まずは自社のビジネスのサービス提供とIoTを結びつけて考えることが大切です。
続いて、IoTを活用したビジネスモデル変革の事例をご紹介します。
IoTを活用したビジネスモデル変革の事例:空気を売る時代
海外のある機器製造会社では、圧縮空気を使用量に応じて課金するサービスを始めました。簡単にご紹介すると、従来、機器製造会社は機器の販売・設置・メンテナンスで売上げていましたが、機器が作り出す圧縮空気の使用量で課金をするようにビジネスモデルを変革させました。この企業では、エンドユーザが必要としている価値を「機器そのもの」ではなく、「機器が作り出す圧縮空気」ということに気づいたのですね。
この企業は2つの大きなメリットを手に入れました。
1. 事業の安定化:フロー型ビジネスからストック型ビジネスへ
使用量で課金するということは、一過性の売上ではなく契約が続く限り毎月売上があがることを意味します。従来の機器を販売するというフロー型ビジネスは一過性の売上となり、機器が売れる売れないによって事業が不安定になりがちでした。一方、毎月売上があがるストック型ビジネスは、積み重ねと予測が可能となるため事業の安定性に繋がります。
2. 営業機会の増加:顧客とのリレーションシップ
機器の販売・設置・メンテナンスで売上げる場合、営業担当者は販売時とメンテナンス時(例えば、半期や1年毎など)しかお客様訪問できる機会はありませんでした。しかも、訪問しても、どのくらい自社の機器が使われているかも把握できないため、御用聞き営業(「何かありませんか?」)になりがちでした。
使用量で課金することによって、この営業プロセスは大きく変わります。月額で課金するため、導入したばかりの重要顧客には使用量と請求を持って毎月訪問することができます。また、使用量を基に機器の効率的な使い方や増設など顧客が気づく前に積極的な提案営業が可能になるのです。解約率が下がり、アップセル/クロスセルにより売上増が可能になるのです。
このビジネスでは、機器に取り付けたセンサーを使って使用量を把握し、ネットワーク経由で自動収集し、さらにそのデータを基に課金しています。このように、使用量に基づくサービス提供型のビジネスを具現化するには、センサーを使ったIoTのシステムが不可欠です。
ビジネスモデル変革とIoT
事例のようなフロー型ビジネスからストック型ビジネスへのビジネスモデルの変革は、製品販売価格に比べて月額サービス利用料が小さくなるため、短期的には売上が下がる要因にもなりますが、従来型ビジネスと混ぜながらストック型ビジネスの割合を増やしていくことは自社の企業価値を向上させることとなり、業種業態を問わず、取り入れられてきています。
冒頭、IoTの活用をどのように社内で説明していくか悩ましい問題と書きましたが、IoTで利益を得るというよりは、IoTを自社のビジネスモデルを変革する手段のひとつと考えると、少し解に近づくのではないでしょうか。
当社では、センサーで収集した使用量を基に料金計算・請求が行える課金プラットフォーム(Billing Concierge)を提供しています。今回ご紹介した海外事例では、IoTシステムに加えて、使用量を料金プランに応じて計算し、請求をするシステム、営業担当社にアカウント顧客の使用状況をフィードバックするシステムも必要となることがわかると思います。IoTビジネスを検討されるお客様が0からシステムを構築するのは大変です。ぜひ、当社にご相談ください。
IoTを活用したビジネスモデル変革を支援
サブスクリプションビジネスソリューション Billing Concierge
Billing Concierge は、2016年10月7日(金)にウェスティンホテル東京で開催されるNTTデータイントラマート社主催の「Enterprise Web Solution2016」に出展します。
※文中に記載した会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。
アプリケーションイノベーション事業部