Ubuntu通信:Ubuntu OS 20.04の標準サポート期間がもうすぐ終了...Ubuntu Proで長期サポートを手に入れよう!
今回は、Ubuntu OSの保守サポート「Ubuntu Pro」についてご紹介いたします。
こんにちは、NTTテクノクロスの越谷です。
普段Ubuntu OSを業務で利用されているかたに質問です。いまどのOSバージョンを使っていますか?Ubuntu OS 20.04を使っているかたは、2025年5月にスタンダードサポート期間が終了してしまうためOSのアップグレードを検討している方も多いと思います。
今回は、スタンダードサポート期間終了後もセキュリティパッチを受け取ることができる保守サービス「Ubuntu Pro」をご紹介します。弊社は、Canonical社が提供しているUbuntu Proサービスの日本語窓口および、円建てによる販売をしております。
Ubuntu OSのリリースサイクルについて
Ubuntuは2年に1度、4月にLTS(Long Term Support)をリリースしています。バージョン番号は、リリースした年(YY)と月(MM)で「YY.MM」(例20.04, 22.04)のように振られています。LTS版は、リリースされてから5年間をスタンダードサポート期間として、mainリポジトリに対してセキュリティメンテナンスが無償で公開されています。
CVE reports:
https://ubuntu.com/security/cves
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Ubuntuのリポジトリ構成について
Ubuntuが提供している全てのパッケージ・ソフトウェアは、ライセンスやサポートレベルによって分類されます。その中でも、Ubuntuライセンスポリシーに適合したソフトウェアは以下の2種類に分けられています。
- ・mainリポジトリ
- - パッケージ数2,300以上
- - Canonicalが完全サポート
- - 一般的なLinux利用に必要なソフトウェアが対象
- ・universeリポジトリ
- - パッケージ数23,000以上
- - 各パッケージを開発しているコミュニティがサポート
- - ansible, docker, zabbixなど
前述のとおり、mainリポジトリはCanonicalがメンテナンスしており、スタンダードサポート期間中はセキュリティメンテナンスがUbuntuの公式サイトで、無償で公開されています。対して、universeリポジトリはパッケージを開発している各々のコミュニティによって更新されています。
では、スタンダードサポート期間が終了してしまったら、これらのセキュリティメンテナンスは受けられなくなってしまうのでしょうか?
Ubuntu Proで+5年の延長サポート!
Canonical社が提供しているUbuntu Proを購入すると、スタンダードサポート期間が終了してもさらに5年間、拡張セキュリティメンテナンス(ESM ※後述)として脆弱性修正パッケージを受け取ることができます。
「+Support」プランを購入すれば、Ubuntu利用中の問題発生時の問い合わせ対応も受けることができます(※)。
つまり、LTS版はリリースされてから合計で10年間サポートされます。
(※)設計依頼、利用方法の解説などは対象外。OSもしくはmainリポジトリに関する問題発生時のお問合せのみ対象。
Legacy Supportオプションの購入でさらに2年延長、合計12年間サポートします!
2024年からはオプションとして「Legacy Support」も提供開始し、これを利用するとさらに2年サポートが延長されます。
したがって、LTS版は「Ubuntu Pro + Legacy」の購入で、リリース後から合計して12年間サポートを受けることができます!
既に2019年にスタンダードサポートが終了したUbuntu OS 14.04からLegacy Supportの対象となっているので、古いOSを長期的に利用している方は、安全に運用するためのサポートとしてぜひご利用ください。
Legacy Support提供開始の記事:
https://jp.ubuntu.com/blog/canonical-expands-long-term-support-to-12-years-starting-with-ubuntu-14-04-lts-jp
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ESMとは?
さきほどの説明のとおり、スタンダードサポート期間終了後は、ESMパッケージとして脆弱性修正が提供されます。ESMはリポジトリによって提供開始するタイミングが異なります。
- ・mainリポジトリ
- - スタンダードサポート期間終了後から提供開始
- - 前述のとおり、スタンダードサポート期間中は、mainリポジトリに対して無償で修正版が提供される
- ・universeリポジトリ
- - OSリリース直後から提供開始
- - (基本的にはコミュニティよりも早く)Canonicalが修正版をリリースする
ESMは、影響度がHIGH、CRITICAL、一部のMediumに該当する脆弱性が修正されたパッケージが納められており、Ubuntu Pro契約時に払い出されたトークンをサーバにアタッチすることで利用可能になります。ESMパッケージは、通常のパッケージと同じくapt installコマンドでインストールできるため、利用手順はとても簡単です。
ESM:
https://ubuntu.com/security/esm
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最後に
今回は、Ubuntu Proについてご紹介しました。
弊社は、Canonical社が提供しているUbuntu Proサービスの日本語窓口および、円建てによる販売をしております。Ubuntuを用いた環境構築、構築後の保守運用、OpenStack, Kubernetesなどの技術支援に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

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