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Ubuntu通信:Kubernetes1.32の12年サポートが発表されました

今回は、先日Canonical社から発表されたばかりの、Kubernetes長期サポートについてご紹介いたします。

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 こんにちは、NTTテクノクロスの越谷です。

今回は、2025/2/11Canonical社から発表されたばかりの、Kubernetes 1.32 12年サポートについてご紹介いたします。

Kubernetes 12年サポート記事:
https://canonical.com/blog/12-year-lts-for-kubernetes
Canonical社のサイトへ飛びます

Kubernetesとは?

 Kubernetes(クバネティス/クバネテス/クーべネティス)とは、containerdなどのコンテナ仮想化ソフトウェアを管理、および自動化するための、オープンソースのコンテナオーケストレーションシステムです。「K8s」と省略されることもあります。

 Kubernetesは、NTTテクノクロスが日本語窓口を提供しているCanonical社のサポートサービス『Ubuntu Pro』の保守サポート内容にも含まれています。 

Ubuntu商用技術サポートサービス

 Kubernetesは4カ月ごとに新しいアップストリームリリースが提供され、最新の3つのマイナーリリースについてサポートが行われています。迅速に移行ができて常に新しい状態を維持できる組織であれば問題ありませんが、この頻繁なアップグレードの対応により時間とコストがかかるためアップグレードせずに古いままで利用している組織も少なからずいると思います。

Kubernetesを12年サポートします!

 前述のようにアップグレードしない環境で長期的なサポートを必要とする組織向けに、今回Canonical社から12 年間サポートが発表されました。

Ubuntu Proの購入で、セキュリティメンテナンスとサポートをリリース後10年提供します。さらに、Ubuntu ProのオプションであるLegacy Support アドオンにより2年延長され、合計12年間サポートを提供します。現在リリースされているバージョン1.32203612月まで安全にご利用いただけます。Ubuntu ProおよびLegacy Supportを購入しない場合でも、14カ月間サポートされます。

Canonical Kubernetesリリースサイクル:
https://ubuntu.com/about/release-cycle#canonical-kubernetes-release-cycle
Canonical社のサイトへ飛びます

 Canonical社が発表した記事の内容をまとめてみました。

長期サポートと最新のアップストリーム

 Kubernetesのバージョンを頻繁にアップグレードすると、ビジネスの継続性が損なわれ、時間とコストのかかるメンテナンスが必要になります。Canonicalは、アップストリームのKubernetesリリースに合わせて、Kubernetesパッケージの暫定リリースを4カ月ごとに提供します。これらの暫定リリースは、リリースごとにアップグレードパスが用意されており、14カ月間セキュリティが維持およびサポートされます。
 Ubuntu OS2年に1LTS版をリリースしていますが、それと同様に、Canonical Kubernetes1.32LTSから2年ごとにKubernetesLTSパッケージをリリースします。Ubuntu Proでは、少なくとも12年間CVEセキュリティ修正が提供されます。
 急速に変化するシステムに対応し続ける開発者向けの最新アップストリームの迅速な取得と、長年にわたって安定した状態を維持する必要がある本番環境の長期メンテナンスの両方が可能になります。

最高品質のオープンソース

 Canonical Kubernetesには、必須機能のための最善のオープンソースコンポーネントが同梱されており、Kubernetesに完全に準拠しています。これにより、ユーザへの影響を最小限に抑えながら、プラットフォームを新しい実装に進化させることができます。
Canonical Kubernetes1.32 LTS
では、CiliumMetalLBCoreDNSOpenEBSMetrics Server がデフォルトで提供されます。IstioCert ManagerOpenTelemetry Collectorなどの人気の Kubernetesエコシステムサービスの標準化されたコンテナイメージも提供します。これも12年間のセキュリティとサポート付きです。

さまざまな環境へのインストールと運用が簡単

 Canonical Kubernetesは、シンプルで手間のかからない運用アプローチを提供します。同じパッケージで、開発者ワークステーション環境、小規模なクラスタ、さらに大規模で複雑なシナリオでも同じAPIが提供されます。
単一ノードまたは小規模なマルチノードクラスタの場合、Canonical Kubernetes はノードごとに2つのコマンドだけでインストールされます。
 Canonical Kubernetesは、カスタムストレージ、ネットワーク (Multusを含む)AI/ML トレーニングおよびモデルサービング用のGPUなど、より複雑な環境でもオーケストレーションできます。また、Jujuによるクラスタライフサイクルの自動化も備わっており、他のCanonicalインフラストラクチャスタックコンポーネントを統合することもできます。

最後に

 今回は、Kubernetes12年サポートについてご紹介しました。Canonical KubernetesとともにUbuntu ProLegacy Supportアドオンを利用することで、システム全体を長期的に、より安全に、確実に運用することが可能になります。ぜひこれを機会に検討してみてはいかがでしょうか。

 弊社は、Canonical社が提供しているUbuntu Proサービスの日本語窓口および、円建てによる販売をしております。Ubuntuを用いた環境構築、構築後の保守運用、OpenStack, Kubernetesなどの技術支援に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

Ubuntu商用技術サポートサービス

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著者プロフィール
越谷真帆
越谷真帆

NTTテクノクロス株式会社
IOWNデジタルツインプラットフォーム事業部
第三事業ユニット