Ubuntu通信:Ubuntu 22.04にアップグレードしよう!
2018年にリリースされたUbuntu 18.04 Bionic Beaverのスタンダードサポートが、2023年5月いっぱいで終了しました。本コラムではUbuntu22.04についてご紹介します。
こんにちは、NTTテクノクロスの越谷です。
先日、弊社ブログでも話題にしましたが、2018年にリリースされたUbuntu 18.04 Bionic Beaverのスタンダードサポートが、2023年5月で終了しました。すぐにOSのアップグレード対応ができない場合には、Canonical社が提供するUbuntuサポートサービス「Ubuntu Pro」の導入により、スタンダードサポート期間終了から5年間脆弱性修正パッケージが提供されるESM(Expanded Security Maintenance)というサポートがあることをご紹介しました。(前回のブログ「Ubuntu 18.04のスタンダードサポート終了! 移行や延長サポートはどうなる?」)
今回は、このタイミングでUbuntu 22.04へのアップグレードを検討中のみなさまへ、Ubuntu 22.04について簡単にご紹介します。
Ubuntu 22.04リリース
2022年4月21日(現地時間)に、Ubuntu 22.04 LTS Jammy Jellyfishがリリースされました。スタンダードサポート期間は2027年4月までです。Ubuntu 22.04 LTSは以下からダウンロードできます。
Ubuntuダウンロードサイト : https://jp.ubuntu.com/download
Ubuntu 22.04の主な特徴を以下に示します。
通信および産業用アプリケーション向けのリアルタイムカーネル
Canonical社は、5Gの通信ネットワークの変革ニーズを満たすようにリアルタイムカーネルを設計し、リアルタイムUbuntu22.04 LTSの一般提供を開始しました。リアルタイムUbuntuは、外部イベントに対して所定の時間内に的確な応答を返すことを期待されています。産業、自動車、航空宇宙など、OS上で厳しい負荷をかけながら確実な低レイテンシとセキュリティ要件を満たす必要のある開発分野においてはとても重要な機能です。
Raspberry Pi 4でUbuntu Desktopをサポート
Raspberry Pi向けのUbuntu Desktopでは最初のLTS(long-term service)リリースとなります。Raspberry Pi 4(2019年)からRaspberry Pi Zero 2W(2021年)まで、直近のすべてのRaspberry Piデバイスが初めてサポートされるということで、世界中の開発者が、より手頃な価格で開発用デスクトップ環境を利用できることになります。
ubuntu-advantage-toolsの機能強化
Ubuntu Pro(旧Ubuntu Advantage※2022年10月に名称変更)のユーザがProクライアントにアクセスするために使用するパッケージubuntu-advantage-toolsのバージョン27.8が、Ubuntu 22.04 LTSとともにリリースされました。
特筆すべき点としては、Ubuntu ProとUbuntu Pro FIPSイメージがAzure、Google Cloud Platform(GCP)およびAmazon Web Services(AWS)で利用できるようになったことです。これにより、様々なパブリッククラウド上でUbuntu OSの保守サポートを受けることが可能となりました。
また、AWSに加えてGCPでも、各社のMarketplaceでUbuntu Proライセンスを購入し、既存のVMに適用することが可能となりました。なお、補足ですが、Azureでは現在、既存VMにおけるMarketplace経由でのライセンス追加はできず、Marketplace でUbuntu Proインタンスを購入して再構築する必要があります。※1
※1:弊社からUbuntu Proをご購入いただければ、既存のVMに適用することができます(AWSとGCPも同様です。)弊社サービスについては本ブログ下部「最後に」をご覧ください。
OpenStack Yogaへの対応
Ubuntu 22.04では、当時最新のOpenStackリリースであるYogaがLTSに対応しています。OpenStack Yogaにおけるリリースノートはこちらをご覧ください。 : https://releases.openstack.org/yoga/
最後に
今回は、Ubuntu 22.04についてご紹介しました。18.04スタンダードサポートが終了したこの機会に、ぜひアップグレードを検討してみてはいかがでしょうか。
弊社は、Canonical社が提供しているUbuntu Proサービスの日本語窓口および、円建てによる販売をしております。Ubuntuを用いた環境構築やアップグレードのご相談、構築後の保守運用に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
NTTテクノクロス株式会社
IOWNデジタルツイン事業部
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