Ubuntu通信:Ubuntu 18.04のスタンダードサポート終了! 移行や延長サポートはどうなる?
2018年にリリースされたUbuntu 18.04 Bionic Beaverのスタンダードサポートが、2023年5月いっぱいで終了しました。本コラムではUbuntuのアップグレードや延長サポートについてご紹介します。
こんにちは、NTTテクノクロスの本上です。
2018年にリリースされたUbuntu 18.04 Bionic Beaverのスタンダードサポートが、2023年5月いっぱいで終了しました。Ubuntu 18.04はリリースから5年間サポートが行われるLTSバージョンなので、利用している方も多いのではないでしょうか。
Ubuntuの各リリースのサポート期間は、Ubuntu公式サイトの以下ページ等で確認ができます。
https://ubuntu.com/about/release-cycle
Ubuntuは無料で利用できるOSですが、スタンダードサポート期間が終了すると、脆弱性に対する修正パッケージが提供されなくなります。
そのため、Ubuntuをセキュアに利用するためには、OSをアップグレードするか、(すぐにアップグレードできない場合は)Ubuntu Proの導入を推奨します。
Ubuntu OSのアップグレード
スタンダードサポート期間が切れるOSに対してもっとも推奨される対応は、新しいバージョンへのアップグレードです。
Ubuntuは、「do-release-upgrade」というコマンドで、新しいLTSバージョンへのアップグレードができます。
ただしこのとき、途中のLTSバージョンをスキップしたアップグレードはできませんので、ご注意ください。つまり、Ubuntu 18.04をいきなり22.04にアップグレードすることはできず、18.04から20.04、20.04から22.04と段階を経てアップグレードをすることになります。なお、LTSではないバージョン(18.10など)は経由しません。
OSアップグレードに関する公式のドキュメントは以下です。
https://ubuntu.com/server/docs/upgrade-introduction
上記にも記載がありますが、サードパーティーのリポジトリとそのソフトウェアや、PPAs(personal package archives)をご利用の場合、アップグレードが失敗することがあるため、ご注意ください。アップグレードに失敗すると、場合によってはOSが正常ではない状態になりうるため、実施は注意深く行う必要があります。これらの注意点も、上記ドキュメントに記載されています。
関連記事:
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すぐには移行できない!そんなときにUbuntu Pro
OSのアップグレードは前述の通りリスクも伴いますので、商用サービスでご利用の場合等、すぐには実施できないというケースも多々あると思われます。
アップグレードの実施にまだまだ時間がかかる、またはシステムを近々廃止するためもう少し運用できれば良いといった場合、Canonical社が提供するUbuntuサポートサービス『Ubuntu Pro』の導入を推奨します。Ubuntu Proは2022年10月に、従来のUbuntu Advantageをリニューアルするかたちでサービスが開始されました。
Ubutnu Proには、ESM(Expanded Security Maintenance)と呼ばれるセキュリティアップデートサービスが含まれています。ESMでは、スタンダードサポート期間終了から5年間(つまりリリースから数えると10年後まで)、脆弱性を修正したパッケージが提供されます。Ubuntu 18.04の場合であれば、2028年4月まで提供されます。
修正対象となる脆弱性はCritical、HighおよびCanonicalが選んだ一部のMedium脆弱性です。対象となるパッケージは以下となります。
- Ubuntu Proの場合:mainリポジトリのパッケージ+universeリポジトリのパッケージ
- Ubuntu Pro(Infra-only)の場合:mainリポジトリのパッケージ
Ubuntu Proには上記をはじめとした様々なプランがあります。 それぞれカバー範囲や受けられるサポートが異なりますので、みなさまの環境や用途に適したものを選択してください。
なお商用の利用はできず、5台までしか利用はできないという条件付きですが、Ubuntu Proを試してみたい場合、以下の「Free for personal use」から無償で入手できます。
https://ubuntu.com/pro
また、ESMのその他詳細は以下に記載されています。
- https://ubuntu.com/security/esm
- https://ubuntu.com/legal/ubuntu-pro-description (1.Expanded Security Maintenance (ESM) の箇所)
最後に
Ubuntu Proですが、Canonical社から購入する場合、ドル建てによる購入かつ、問い合わせをする場合は英語によるご案内となります。
弊社では、Ubuntu Proの日本語窓口および、円建てによる購入をご提供しています。サービス内容や各種プランの説明などもしています。
またその他にも、Ubuntuを用いた環境の構築や、アップグレードのご相談も可能ですので、ご興味がありましたら、ぜひ気軽にご連絡ください。
Ubuntu商用技術サポートサービスの情報は、以下に掲載しています。お問い合わせ先も、以下ページ最下部にございます。

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