情報畑でつかまえてロゴ
本サイトは NTTテクノロスが旬の IT をキーワードに
IT 部門が今知っておきたい最新テクノロジーに関する情報をお届けするサイトです

OpenStack Summit 2018 Vancouver速報2回目

今回で17回目となるOpenStack Summitですが、3年ぶりにバンクーバーに戻ってきました。前回は新しいキーワードとしてNFVが話題になっていましたが、今回は何が注目を集めているのでしょうか。現地から速報を発信していきたいと思います。

はじめに

こんにちは! NTTテクノクロスの萬治です。

現地ではOpenStack Summitのプログラムが終了し、お疲れ様ムード。

今回のサミットでは、前回と比べて以下のジャンルが盛り上がっていると感じたのでそれらについて順に紹介します。

・Kata Containers
・CI/CD関連
・HPC関連

Kata Containers

21日のKeynoteで大きな時間を割いて発表されたKata Container。現地時間の翌22日にver1.0が公開されました。

事前調査でセッション数が多かったので(=注目度が高い)、テクノクロスメンバも積極的に発表をチェックしていました。

Kata Containersは、
・「コンテナ毎に専用の小さいVMを用意し、そのVM内でコンテナを起動する」形式のコンテナを作る
・同一環境内のコンテナについて、個別に別バージョンのカーネルを用いることができる
・コンテナ毎にカーネルが分離されているので、セキュリティ的に堅牢
がウリのコンテナランタイムです。

それでは、Kata ContainersとOpenStackとKata Containersの連携についてのセッションをいくつか紹介します。

・Kata Containers: The way to run virtualized containers

セッション動画

・Kata Containersの概要
・Kata Containersの実装や用語の説明
についてのセッションです。

・Unified Kubernetes CRI runtimes based on Kata Containers

セッション動画

・CRI(Container Runtime Interface)の解説、紹介
・Kata Containers+CRI(+OCI Runtime)の組み合わせと動作
についてのセッションです。

CRI, OCI Runtimeなどの言葉にあまり馴染みの無い方は、Japan Container Days v18.04で開催されたセッションの動画を併せてご覧ください。

Japan Container Days v18.04のセッション動画

・Integration of Openstack Zun with Kata containers

セッション動画

Kata ContainerをZun(OpenStackのContainer as a Service用コンポーネント)で動作させる方式について紹介したセッションです。
このセッションによれば、現時点ではZunでKata Containerを動作させるためにDockerを用いる必要があるようです。
また、Devstackで`ENABLE_KATA_CONTAINER=True`とすることでZun+Kata Container環境を作れるようなので、帰国したら早速試してみたいと思います。

Kata Containersに興味を持たれた方は、公式ページを是非チェックしてみてください。

Kata Containers

CI/CD関連

Zuul, Spinnakerを中心に、CI/CD系のセッションも多く見られました。

特にZuulについてはKeynoteでも言及され、OpenStack界隈のデファクトなCIツールとして地位を確立した感覚があります。
Spinnakerは実践的な内容のセッションが多く、様々な環境で使われるメジャーなCI/CDツールとなっているようです。

それぞれの製品の特徴について触れられていたセッションをご紹介します。

・Zuul v3 For Gating

セッション動画
※このセッション動画はなぜか字幕がおかしくなっているため、ご注意ください。

Gating(ここでは"テストを通ったコードのみをマージ対象にすること")を実現するためのZuulの機能について、細かく解説しています。
自動テストのプロセスやメソッドを記述するための要素や、変数の持ち方について解説されているので、公式ドキュメントと併せてチェックすることでそれなりのものを実装できるかと思っています。

・Add intelligence to your CI/CD with Spinnaker

セッション動画

こちらはSpinnakerによる高度なCI/CD Pipeline制御について紹介しています。
無駄な処理を少なくしたり、より詳しいエラー内容を出せる...となると魅力的ですね...

Google Cloud Platformなどで推奨ユースケースが公開されているなど、市中の情報も多く広まっている製品なので、
これからCI/CDを検討したい方、特にクラウド上でサービスを開発している方にとってはいい選択肢になるのではと思います。

Zuul、Spinnakerについて詳しく知りたい方は以下を参照ください。
Zuul
Spinnaker

HPC関連

HPC(High Peformance Computing)については、 Kata Containersよりもセッション数が多く、各セッションの参加者数もトップクラスでした。

大きく分けて、
・データ分析などのユースケースについて
・GPUについて
・ストレージについて
の3種類のセッションが目立っていたので、それぞれの中で印象に残ったものをご紹介します。

・Call it real : Virtual GPUs in Nova

セッション動画

Queens時点のNovaのvGPU対応についてのセッションです。PCI passthroughで1インスタンスに1枚のGPUを接続するのではなく、仮想GPUをインスタンスにアタッチすることについて述べています。

HPCではシビアに性能を求めるようなユースケースが多く、インスタンス毎に専用GPUをアタッチする方が好まれるのではと思っています。
とはいえ、リソース効率を考えると仮想化の手段を用意しておくことはメリットがありますし、DaaSのような用途に使うのであればおそらく必須です。

OpenStackの汎用性は広がり続けているということを感じる、価値ある情報だと感じました。

・Ceph and the CERN HPC Infrastructure

セッション動画

分散ストレージであるCephについて、CERNの要件に合わせたチューニングを紹介するセッションでした。
様々な視点から、しっかりとしたポリシーを持ってチューニングを実施するプロセスがとても参考になります。
特にストレージの性能比較、選定をしている方には興味深い内容になっていると思います。

他にも沢山のセッションについて、以下で動画が公開されています。

https://www.openstack.org/videos/

おわりに

今回のサミット会場では日替わりで色んな国の料理がビュッフェ形式で提供されていたのですが、毎日会場が人で埋まるほどの大盛況でした。
サミット自体の参加人数は例年より少ないように感じたのですが(3000人はいなさそう)、みなさんの活気には微塵も衰えが見られず、今回も大成功のサミットだったと思います。

次のサミットは秋にドイツのベルリンで開催! きっと食レポがはかどります!お楽しみに!


OpenStack のワードマークは、米国とその他の国における OpenStack Foundation の登録商標/サービスマークまたは商標/サービスマークのいずれかであり、 OpenStack Foundation の許諾の下に使用されています。
NTTテクノクロスは、OpenStack Foundation や OpenStack コミュニティの関連会社ではなく、公認や出資も受けていません。
その他会社名、製品名などの固有名詞は、一般に該当する会社もしくは組織の商標または登録商標です。



おまけ: 食レポコーナー

名物料理のロブスター。お顔が圧巻です。とても美味。

ホテルのルームサービスで食べたフレンチトースト。大きい上に期待以上の味で、大満足!
Kata Containers, Zuul, OpenStackのカップケーキ。イベントで配るカップケーキのクオリティとは思えないほど美味しかったです。

さっき食べてきたオイスター。こちらの牡蠣は日本より美味しいかもしれないです。

晩御飯を食べ終わって、9時が過ぎてもこの明るさ。昼がとても長く、夜は短いです。



連載シリーズ
テクノロジーコラム
著者プロフィール
萬治 渉
萬治 渉